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SECOND YOUTH~二回目の青春~  作者: 六依由依
序章:過去を失った少女
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第7話:異常体質

やっておくべき事柄が多すぎて全然あらすじの部分に到達できない。


夢を、見ていた。



それは、部屋で何人かの女の子たちが楽しく話している夢だった。

皆、とても仲がよさそうだ。

それを私はどこかから眺めているようだ。


でも、その女の子たちのグループの中に、私の姿がある。

私は、私自身を眺めている。




眺めている私の手と、他の何人かの女の子の手には、見覚えのあるブレスレットが光っていた・・・



-----------------






-----------------





目を覚ました時、そこはいつもの病室ではなかった。


「ん・・・」


眠い目をこすりながら自分が今どうなっているのかを確認する。



私は、私の部屋のベッドにいた。

そうだ、一時的に帰宅許可が得られたんだっけ・・・




上体を起こし、ベッドに腰かけるような体勢になる。


この部屋が私の部屋だという実感はまだない。でも、不思議と寂しさは感じなかった。


テーブルの上には、昨日この部屋で見つけたブレスレットが置いてある。

私はそれを着けながら、今日見ていた夢の事を思い出す。





そういえば、あの夢にはこのブレスレットを付けた私が居たような・・・

でも、夢の内容は、それ以上思い出せなかった。


夢なんてものは皆そういうものだって理解はしてる。

だけど、もしあれが、かつての私の記憶だとしたら・・・そう思うと、

思い出せないのが悔しくて仕方がなかった。




----------------






リハビリのおかげで、私の生活力は、かなり回復してきた。

普通に会話はできるし、食べ物だって食べられる。油がきついものは無理だけど・・・

字だって普通に書けるし、一人で歩ける。流石に走るのは無理


だけど、一つ大きな問題が残ってる。







体力が!長続きしない!





何をやっても、すぐばててしまう。体が思うように動かなくなってくる。

とにかく、ちょっと動くと、すぐ疲れが猛烈な勢いで溜まってくる。


ほんの数十メートル歩くだけで、足腰が立たなくなってくる。



お医者さん曰く、症状と、リハビリメニュー、期間を考えると、

数か月前までの回復速度は順調だったけど、そこからの回復速度はどう考えても遅すぎる。

とのことだった。





お医者さんと、いろいろ話し合った結果、原因は私の体質にあるらしい。






身体成長の停止。






理由はよくわかってないけど、私の身体は中学卒業以降から、あまり成長していないらしい。

年齢的には20になるけど、15歳の妹と外見的にほとんど差が無いのはこれが理由。





「身体の成長っていうのは、要するに、細胞が、新しい細胞に生まれ変わる時に、次のバージョンに移り変わって生まれるようなものなんだ。だから身体は少しずつ大きくなってくるし、皮膚や内臓の質も少しずつ変わってくる」

お医者さんは言っていた。



「君の身体に起きていることは、その細胞が生まれ変わる時も、バージョンアップがほとんど行われていない感じだね。普通の人の20分の1くらいのペースでしか行われていない。そのせいで、体は大きくならないし、皮膚などの質にも変化がない」

「それって、なにか悪い事とかあるんですか・・・?」

今聞いた感じでは、私はずっとこの姿が続くということになるんだろう。大人になれないかもしれないというのは、思ったよりショックだ。



「一番注意してもらいたいのは、病気かな。普通の身体なら、風邪をひいたりしたら、細胞がそれに対応するよう進化していって、同じ症状にはかかりにくくなるけど、それが起きにくいから、何度も同じ症状が出たり、病気が長引いたりするかもしれない」


私の身体は、想像以上に、いろいろなものに弱くなってしまったのかもしれない。






「そして、身体のアップデートが起きにくいということは、筋肉や脂肪なのがなかなか付かないということにもなる可能性がある。筋力の増強や、太ったり痩せたり、内臓器官の変化なども、身体のアップデートによって行われることだからね。」



これが私の体力が続かない原因。私の身体は、よくも悪くも、「変わりにくい」ものになってしまったらしい。


それでも、なぜ昏睡状態の時は激しく筋力が落ちていたのか、そして、ここまでの筋力回復は人並みのペースで行えていたのか。

とか、まだわかっていない事は多いらしい。




私の身体は、まだ謎だらけだ。

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