表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/5

いつもと違う日




「助けてぇ〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!」



その声は教室で作業をしていた私を驚かせ、そして、作業をミスさせた。


「ちょっ、美結!なんでいきなり入ってくるの!!今せっかく、コツつかめてきて五枚一緒に…」

「それどころじゃなぁーーーーい!!!!」

「この大問題をそれ、で済ませるなー!!!」

「済ませられるよ!!!私の超☆重大事件に比べれば愛菜の大問題なんて塵同然!!!」

「んなわけないでしょ!!!むしろ、美結の話の方がくだらないに決まってるのよ!毎回そう、美結がそういう風に言うってことは大抵ろくなことが起こらないの!!」

「そんなことないよ!!!愛菜が大変って言ってることの方が一般的にどうでもいいことの確率高いし!!!!!」



しばらくの口論の後。



「………」

「………」


一体、自分でも何してたんだろう。

よくよく考えたら(いや、考えなくても)私は確かにどうでもいいことだった。

なのに、なんでこんなにもヒートアップしちゃったのか。

うう。


「……愛菜、何やってたの?」

「え、ああ、しおり作りだよ。私たちが行くところの。橋皮先生に頼まれちゃって」

「ふーん……………あ、あれか!来週行くところの!!」

「そう、それ。けっこう楽しそうよ。先生がよく考えて作ってあるのがわかるわ。…ただ…」

「?どした?」

「クラス全員分折れって言われたけど……果たして全員くるかな」

「あ……」

「……………」

「……………」

「……………」

「だ、大丈夫だよ!うん!みんな、来るって!」

「そ、そう、よ、ね、あはは……。……そうだ、美結こそどうしたの?まだ部活中のはずじゃないの?」

「部活してたんだよぉ!!けどさぁ…」

「?」

「実は、部活中にね…」





普通に、部活してたんだ。

始めてからけっこう時間経ってて…この時期、暑くなって熱中症で倒れる!って言うことが起きたら困るからってことで部員全員で休憩とってたんだ。

日陰でゆっくり休んでたの。

そしたらね、いきなり吉川よしかわ先生と、たくさんの先生がやってきて……

え?吉川先生が誰かって?

あ、そっか。愛菜はそこまで関わり持たないもんね。

吉川先生はね、生徒指導部の先生なの。

生徒指導部は別の先生じゃなかったかって?

うん、まあそうなんだけど、なんて言うのかな…すごくやばいことをした時にしか出てこない先生で。

例えば?…うーん…窓ガラス割ったり?

これしか思いつかないのよ。

まあ、とりあえず来てね。

いきなり、こんなこと言ったの。

「放火犯は誰だ?」

って。いきなりだよ?おかしくない?

部員全員、意味わからなくて。

代表で部長がどう言う意味かって聞いたんだけど、あんまり答えてくれなくって。

結局、何かの放火犯を探してるのはわかったけど、いつ起きた事件かわからないし、そもそもそんな人部員にいないからね。

いませんって言ったらすぐ立ち去っていったの。

あと、そのあと、今日の部活はこれで終わりにしろって言われたんだよ?

理由聞いたんだけど、これも答えてくれなくて。

ただ、かなり真剣な表情だったから逆らえなくて…部活は強制的に終わったの。

部長も何が何だかわからないって顔してたし、みんな納得してなかった。





「ってことがあったのよ」

「ふぅん……」

「いきなり部活中止にさせられるし意味のわからない質問されるし!愛菜は何かあった?」

「いいえ、特には。他の部活もそうなったのかしら?」

「うん、運動部は基本全部」

「基本ってことは…例外がいたの?何かの大会前?」

「ううん、大会前の部活も容赦なく中止させられてたよ。例外というか…屋外で活動してしてた部活がそう言われたんだ」

「屋外の部活だけ?つまり、校舎内でやってる部活は…」

「なーんにもなし。なんでだろね?」


放火犯……屋外……校舎内……部活……強制……普段と違う、何か……


「…ねえ、ひとつ聞いていい?」

「うん?答えられる範囲であれば」

「複数人の先生が来たのよね?その中に…生徒はいなかったかしら?」

「いたと思う、よ?」

「生徒会長だった?」

「え、ううん…全然知らない生徒」

「何人いたの?」

「3人くらいだったと思うけど…」

「…そう…」

「え?何?何かわかったの?」

「そんなわけないでしょ。少し気になっただけよ。私は探偵じゃないんだから」

「ちえーっ」

「それより、部活終わったなら暇ってことよね?手伝ってよ、これ。一緒に帰るんでしょ?」

「……あーー!!!!!!!!」

「こ、今度は何!?」

「忘れてた!!!私、その時吉川先生に言われたんだよ!」

「なんて?」

「お前、数学悪すぎるから残って勉強しろって!!!」

「美結の数学のできなささはすごいものね」

「だから、愛菜に勉強教えてもらおうと思ってたんだ…」

「まあいいけど…しおり作りしながら答えるし、そこまで構ってあげられないよ?」

「大丈夫だよ………………たぶん」

「今の間はなんだ」

「あーーもう細かいこと気にしない!あ、ねえ。mif流しながらでもいい?」

「mifって…ああ、美結が好きなアーティストね」

「そう!良いでしょ?」

「イヤホンで聴かないの?」

「だって、愛菜に聴いて欲しいんだもん」

「まぁ、良いけど。集中できるしね」

「やったー!じゃあ、流すね〜」


mifは2年前に活動を始めたアーティストらしい。

私自身は興味ないが、美結がかなり好きになってしまい、一緒にいるときはたまに聴かされる。

素性が一切明かされていないアーティストで、年齢や素顔どころか、性別もわからない。

声で判断できるだろう、そう思って私は聴いていたのだが。

なるほど、これはわからない。

とても可愛らしいアイドルのような声から、渋そうなおじいさんの声、なんでも出ている。曲調によって変えているからわかりそうもない。

本人たちが喋る動画もあるが、ボイスチェンジャーを使って自在に変えられると本人たちが言っているのでどうしょうもない。

曲自体が素晴らしいので、文句を言う人は少ないらしい。


「ん、これなんて曲名?聴いたことない気がする」

「これねー、先週発売されたばっかりのCDなの!『光落ちて』って曲だよ!」

「ふぅん…良い曲だね」

「ファンの間でも人気高いんだよ〜。少し、今までのmifにはないようなミステリアスさって言うのかな。そう言う感じの曲だからって」

「うん、わかる。良いね、これ。今度CD貸してくれる?」

「いいよー!」


良い曲だ。けど、私の心の中は別のことを考えていた。


放火犯の話。

今まで、聞いたことはない。

おそらく最近になって出てきたのだろう。

しかし、ここで不思議なのはなぜ屋外なのか。

普通、放火といったら校舎内のはず…先生だってそれがわからないほどアホじゃない。

屋外に何かがあって、それがいつ『放火』につながるのかわからない。だから、避難させている…と、しても、やはりわからない。

そんな風に対処されるのは当たり前だ。

本当に屋外に何かがあるとしても、避難させられてしまったら意味がない。

屋内に何かを仕掛けているとしても先生たちは馬鹿じゃない。むしろ屋内に警戒する。

放火犯の狙いは別にある…?

いや、そもそもだ。放火犯と言われているということは…すでに放火をした後?

けど、ここ最近放火事件が起きたという話は聞いていない。少なくとも1ヶ月は。

となると、やはりこれからなんだろうけど……


「あ、あの、愛菜。ここの解き方わからない…」

「……はぁ」


まずはこの子を片付けないとね。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ