まずは服の創造から
「あにゃ……?あ、ああ!ご主人様!おはようございます!」
「おはようネル。良く寝ていたわね」
「ええご主人様のお腹は気持ちよくて……じゃなくて!ちゃんと寝てる間のお世話はちゃんとしてました!」
「そう、じゃあずっと待たせちゃってたわね。お待たせネル。お世話ありがとう」
「そ、そんな……にゃああ……」
お礼を言って、ざんばらな彼女の銀髪を梳くと嬉し気に表情を崩す。
そんな表情をたっぷり堪能してから手を離すと、若干物惜しそうにネルの視線が私の手を追いかける。
私も惜しいけれど聞きたいことがある。
これ以上彼女と遊ぶのはそれを聞いてからだ。
「ねぇネル、世界は今どんな風になっているの?」
「えっと、世界は混沌の時代を終えて安定期に入ってます。人と呼ばれる数種類の人種ががやがややっていたりしますけど、それだけですね」
「がやがやっていうのは?」
「まぁ、土地の広さを巡って軽い小突き合いをしてるくらいですかね」
「ああ、小さな戦争みたいな」
「まぁ戦争と言えば戦争でしょうか。水場の水の使用量の権利とか、鉱山の取り合いとか、そんなものです」
「そういうのはどこにでもあるのね」
「生き物ですからね。特に水場の取り合いなんて獣もやることですし」
「そう、それじゃ……どうしようかしらね」
「介入なさるんですか?」
ああ、私がこういう言い方をするとそういう風に取られてしまうんだ。
物言いには気を付けないとなぁとぼんやり考える。
そしてネルの言葉を否定する。
「ううん。そういう事じゃなくて。まずはこの世界で私は何をしようかなって、すっごくあいまいな事」
「はっ。それならその、服を着たらどうでしょう?ここなら簡単に作れますよ」
「服……うん、そうしよっか。どんなのがいいかなぁ」
「ご主人様には可愛い服が似合うと思いますよ。ゲームの時に来ていたようなのとか」
「ああ、あれ。私にはちょっと若すぎない?」
「ご主人様は女の子で通る外見してますよ。だから大丈夫じゃないかにゃー」
「そっかぁ。じゃああれをイメージして……」
ネルの助言に従って白を基調としたブレザーの制服のような上着。
上着との対比になるようにダークブルーの……ミニスカート。
ちょっとミニスカートというのは意識的な年齢を考えると恥ずかしかったけれど、ネルの女の子に見えるという言葉を信じてミニ。
そしてライトブラウンのローヒールのブーツ。
これらを創造していく。
最後に背中の半ば丈のマントを身に着けて身だしなみ完了。
姿見も作って外見を確認する。
そこには姫カットの銀髪でアメジストの瞳を持つ人形のような少女が居た。
ネルに比べると頭二つ分くらい小さい。
「うあー、可愛い!ご主人様可愛い!可愛い!」
「あ、ちょっとネル……もうしょうがない子」
ぽふんぽふんと抱き着かれて、ネルの胸が顔に当たる。
彼女の体毛はまるでビキニのように生えていて服要らずだ。
それにしても、そんなに可愛いのかしら?
抱き着いてくるネルの揺れる尻尾をみて、そう思うのだった。




