第38話 死なない竜
「体中が...拒否している!?俺の流れている血を...全て吐き出すように」
カズサは溢れ出てくる血を吐き出した。
まさにその光景は地獄絵図でヘタリアと凛は見ることができなかった。
「そりゃ、死神と賢者の正反対の血が混ざると拒否反応起こすに決まってるだろ。お前はもう無理だ。1週間は戦えない」
ユーイスはカズサの状態を言った
「冬紗!もう...私が戦うしかないか」
そこで凛が立ち上がった。
凛は戦闘態勢に入ると、カズサが大声を上げだ
「待て!ユーイスは俺の敵だ...俺が...俺が...南の国の奴ら全て倒すんだ!」
カズサは血を吐きながらも、気合いで立ち上がった。
カズサは下位魔法の炎を当てるが、ユーイスの能力でカズサにダメージが行った。
「あつ...くないな。さすが俺だ。お前はまだ全然使い物にならない。でも、そのおかげで少しずつ目が覚めてきた」
「何言ってんだあいつ...」
カズサの言葉は声が小さく、独り言のように呟いていた。
ユーイスは彼を不審に思った。
何が彼をここまでさせるのか...
「カズサ...と言ったか。お前はもう戦えない無理だ!諦めろ!どうせここで俺を倒せたとしても、すぐに南の国は全てを手に入れる。だから、お前は俺から逃げる努力をして方がいい。これはお前のためを思って言っていることだ」
ユーイスはカズサを見ていられなかった。
過去の自分を見ているように思えてきて...
ユーイスが南の国の戦人となった時、その中で1番弱く、他の人からもいじめられていた。
ユーイスは自分をいじめる奴らを許せなかった。
だが、いじめの被害はユーイスだけではなくたった1人の家族である妹のユリスにまで被害が及んだ。
元々体が弱いユリスはいじめに耐えきれず、死んでしまった。
そこで俺は『ある者』と対話した。
その人は東の国の死神の王。
そいつから少しだけ死神の血をもらい、いじめてきた奴らを滅ぼし、ここまで身分の高い階級まで上がってきた。
南の国のトップレス...俺はここまで来るのに努力はしてきたつもりだ。
でも、ある日死神の血という禁断の力に手を染めてしまった。南の国の人間が東の国の技術を使ったしまったことに俺は罪悪感を覚えた。
他の連中は俺が急に強くなって怪しく思っていたが、そう思えなかった。
俺が強すぎて他の連中が逆らうことができないから。
死神の王には感謝しているが、反対に恨んでもいる。
あいつから貰ったものは良いが、嘘を付かれた。
死神の血は1週間で切れると言っていたが、未だに残っている。
だから、俺は...トップレスを目指し、東の国にいる死神の王を探した。
でも...死神の王は最近何故か南の国にいることがわかった。
東の国から追放されたらしい。
でも、俺は奴を見つけることができない。
俺は奴を探し出し、嘘をついた理由を吐かせるまで東の国は壊滅してやると思って戦っている。
「はぁ...カズサを見てるといじめられていた俺みたいだ」
「カズサ君...私のことはいいですから...逃げてください」
「ヘタリア、そんなことはできない。君は...命の恩人だから」
今の俺の目の前の敵を倒すこと。
そして、ヘタリアの住んでいた街にまた平和を戻す。
そのためには...俺があいつを倒す力を手に入れなければならない。
でも、俺にはそんな力はない。
さっきまではあの能力の攻略法を見つけたが、今はそれを実行する体力が残っていない。
ならば...対話だ。
「ユーイス...お前はなぜ戦う?」
「俺は...死神の王に会うためだ!あいつに会って...問い詰める!」
「何をだ...?」
「そんなこと、お前に言うわけがない!さっさと戦うのか逃げるのか判断してくれ。俺たちには時間がない」
「きゃあああああ!頭が...きゃああ!」
急にヘタリアが頭を押さえつけて倒れた。
「え、ヘタリア?どうしたの?」
「私の中にいる竜が...竜が...暴れだしそうです...」
『我の住む地を...荒らす者は誰だ!』
どこからか声が聞こえるが、声の主は誰かわからない
「今の声...氷の竜アストダイアか。アストダイアは死なない竜として有名だ。だから...まだ生きている」
ユーイスが言った。
竜はもう死んでいて、竜の血を持つものに竜の力は受け継がれることになっている。
でも、アストダイアは死なない竜のため、まだ竜の持ち主が持っているってシュリが言っていた木がする。
「みなさん...逃げて...」
ヘタリアがそう言って瞬間、この街は全て凍った。




