第27話 帰還
「シュリ、どういうことだ!」
俺はシュリの胸倉をつい掴んでしまった。
沈黙が流れ、少し経った後に俺の行動がなんて酷いことなのか理解した
「カズサ...ごめん、あなたのこと利用してた」
「いや、俺こそ...それより殺すためってどういうことだ!」
俺はシュリに殺すためにここに連れてこられたのか?
そんなの...信じたくない。嘘だと言ってくれよシュリ...
「殺すなんて...そんな外道なことはしない。ただ、少し聞くことがあっただけだ」
「アルサルトさん...どういうことですか?」
「シュリの代わりに私が説明するよ、私はシュリにある条件を出したんだ」
「ある条件...?」
アルサルトは静かに語った。
シュリは少し息をするのがきつそうだった。
つい本気で掴んでしまったから
「シュリの父親はある罪を犯してしまった。だから、この国では鎖国があったのはわかるかな?」
「あ、そういえば...テレビで鎖国は解除って」
カズサは現王女がテレビで言っていたことを思い出した。
何のことかわからなかったからあんまり記憶にはないけど
「この国では罪を犯すと他の国に送ることにしていた。でも鎖国だから他の国と話すことができない。でも、シュリは諦めずに私達を説得してきたんだ。だから条件を出した。」
「それが...俺を連れてくるってことか?」
「いや、君じゃなくてもいいんだ。そっちの世界の人物を1人連れてきてほしかった。そうしたら、面会の場を与えようと」
たまたま俺はシュリに選ばれたってことか...
「面会の場って1回なんですか?それとも、この国に戻すとか?」
カズサは質問した
「それは、その時の1回のみだ。シュリは別れる前に父の顔を見たかったらしいんだ」
この元王中々分からない。
何を考えているのか...俺の心を少し読める能力でも、心が白く光っていたから悪いことは考えていないことはわかった
「国って...何国あるんですか?」
「国は4つある。ここは東の国サウザウス。西の国はセイブレリ。北の国サラス。南の国ソレッドベリアで分かれている」
ここの世界は4つの国に分かれているのか。
なんか...思ったより少ないな。
「そして、シュリの父親は南の国のソレッドベリアに移動された」
「あ、でも...移動魔法か何か使えばこの国に戻ってくることは可能じゃないんですか?」
「移動魔法は使えるものは1割もいないほど難しい。さらに他の国に行くことは不可能だ。船を使う以外で行くことはできない。なぜなら、特殊な霧があるから」
「特殊な霧ですか?」
「それは今は関係ないから、別に話さなくても良いだろう」
カズサはこの世界の制度を少しずつ理解してきた。
「あの、時間が経ったらこの国に戻れるんですよね?」
「ああ、戻れるが...生きていたらな。南の国は危険な奴らが多いから殺されているかもな」
喋り疲れたと察した元女王は水を持ってきてくれた。
水はとても冷たく、今日の暑い日にはちょうど良かった
「あの...船ってもしかして?」
「あ、このことは聞かないほうが良い。この世界と君がいる世界の関係性は知らない方がいいからな」
この世界と俺が元住んでいた世界には何かが違うのか?
「あの、なんで俺の世界から人を連れてこようとしたんですか?」
「それは...最近南の国が荒れだしてな、君達の世界に危険を及ぼす可能性が出てくるかもしれないから。そして、君達の世界の人間はもう襲われていないか、洗脳などをされていないか調査するためにシュリを送った」
シュリは...スパイだったってわけか。
「だから、それがどうか確かめる訳に俺たちの世界から人を1人連れてくると」
「そういうわけだ。シュリは殺すって大げさなだけだよ。君には絶対にそんなことしない...だって...」
そのあとのセリフは声が小さく聞こえなかった。
この人は俺と関係があるのか?そう聞きたいがこの人たちは敵に回すと厄介そうだからなるべく変なことは聞きたくない
「そういえば、鎖国が解除されたからシュリは父親に会えるですか?」
「シュリは父親に会えない。でも、今回の作戦に従ってくれたから会わせてはあげるがな」
「どうしてそれ以降は会わせてあげないんですか?」
「シュリの父親は...今南の国で治療を受けている。面会だってほとんどできない。でも、何とか1回会える時が来た。だからその時にシュリを行かせる」
「治療って...何かあったんですか?」
「それはカズサには伝えれない」
「わかりました。これから俺はどうすればいいんですか?」
俺はもうここにいる理由はなくなった。
シュリの作戦も終わったから
「君は帰ってもらう。そして、君の世界に南の国からの使者が来たら私たちに伝えてほしい」
「伝えてって...どうすればいいんですか?」
「君に1つこれを渡しておく」
それは...スマホだった。
「スマホ!何でこんなものが」
「それは秘密だ。そらは私にだけ連絡できる。もしもの時は連絡してくれ。助けに行くから」
「わかりました。でも使わない日が来ることを祈ります」
俺はついにここから出るのか。
長い夢でも見ているようだった。
最初にシュリに告白された時はとても焦った...でも、こんな意図があるなんて思わなかった
「って、シュリは何で俺を選んだんだ?」
「それは最初に言ったでしょ。でも、あなたがこの世界に来たことに驚いたことは本当よ。あなたが能力持ちとは思わなかったから」
「そうか...あの魔獣も演技だったのか」
最初に俺が襲われかけたことを思い出した。
「じゃあねカズサ」
「シュリ...さっきはごめん。俺はお前のおかげでこの世界を生きることができた」
「いや、私はただ住む場所とご飯を与えてあげただけよ。それも、私の目的のために」
「なんか俺...ベットみたいだな」
「ふふっ、そうね」
俺は達は笑いあった
「じゃあ、魔法をかける。準備はいいか?」
「はい、大丈夫です。」
俺はふと腕についていたブレスレットを思いだした。
双子を助けると誓った時にもらったやつだった。
それを返そうと引きとめようとしたが、もう遅かった
「ルーセント!」
元王が魔法をかけた
「じゃあね...カズサ」
「じゃあ頼むぞ」
俺の体が完全に消えかける前にアイリ王女がこの部屋に入ってきた。
「さようなら、兄さん」
は?あいつ...何を言った⁉︎
俺は自分の部屋に戻ってきていた。
まだまだ続きます




