第22話 解放
まずはこの鎖をどうにかしなくてはいけなかった。
死神アスタロトの魔法で作った鎖が予想以上に硬くどうにもできなかった
「無駄だよー、私が作った鎖はとても頑丈だからー」
「ねえ、ルールを決めましょう。私達以外の生徒に危害を与えることは禁止するわ」
「それはわかってます」
「当たり前だよー、私は別に殺しは好きじゃないからー。好きなのはお金だけー」
カズサはここで他の生徒には危害はないということで安心した。
でも、こんな朝早く学校に来ている生徒がいるとは...朝練という概念もあるのか。この世界には
「じゃー、そろそろガチでやるよー」
そう言った瞬間アスタロトの鎌が伸びた
「また当たりやすくなったのね...」
アスタロトの鎌は自身の身長の何倍以上もの大きさになり、避けるのは困難になるくらいだ
「カスミ、私達も行くよ!」
カスミの魔法、サヤカの剣、アスタロトの鎌...シュリはこれをいちいち相手にするにはキツそうだった
「はぁ...はぁ...まだまだね」
シュリは風の魔法を唱え全員を遠くに吹き飛ばした。
でも、それは少しの時間稼ぎなだけでアスタロトは物凄い勢いで突進し、鎌で突き刺した
「シュリ...俺は何もできないのか...」
俺はただ鎖で動けず見ているだけしかできなかった。
「ねえー、お二人さんー」
アスタロトがサヤカとカスミに話しかけていた
何か小さな声で話していたが、俺には聞こえなかった。
でも、嫌な予感はした...アスタロトの顔が悪戯っぽく笑っていたから。
「いいですね。じゃあ、今から私達は共闘してシュリさんを倒します!」
カスミが予想外のことを言い出した。
死神と双子が共闘なんて...本当にシュリはやばい
「はあ...やっぱり仲間になるのね。どうせあなたたちはお金が目的なんでしょ?」
「私は違うよー、殺したい人がいるからねー」
「私らは言えないよ!」
サヤカとアスタロトがそれぞれ少し理由を言った。
王女の側近になれば何でも手に入る。
これは都市伝説でもなく本当のことだと今見に知った。
「うわあっ!」
シュリの叫び声が聞こえた。
シュリは無残な姿になっていた。
戦って10分も経っていないのに片腕がちぎれ、血が体の色んな所から出ていた。
「ひどい...あんなのシュリじゃ勝てねえよ...」
そう考えている時にどこからか俺に話しかけてきた。
『付き合って!』
「なっ...今の声は誰だ!」
『ねえ、付き合ってよ...付き合ってよ...付き合って!』
俺はもう何回もこの声を聞いていた。
さっきも言ったじゃねえかよ...お前とは付き合えないって!
『冬紗...私はあなたのこと好きです』
『冬君!大好き!』
『冬紗さん、付き合ってください』
な、なんだこれ...『あいつ』が色んなパターンで告白してくる。
頭が...痛い...
『これは...私の呪いだよ』
「え?」
俺はハッと我に返った。
目の前に...シュリが倒れていた。
俺は慌てて息があるか確認したいが鎖で動けない。
俺はなんて惨めなんだ!
もういい!俺の命はどうでもいいからシュリを助けろ!
「...全て開放する...」
カズサからは黒色のオーラが出ていて、アスタロト、ユイナ、双子は別人のように感じた。
カズサからはとてつもない力を感じる
「お前ら...殺してやる!」
カズサはそう言った瞬間カズサの体の周りに12の剣が出た。
「なにあれー、隠された能力的なー?」
「‘弟3の剣’...」
カズサの体から風が出て、カズサに巻きついていた鎖が風で離れ、1本の剣が動き出した。
その県はカスミめがけ飛んで行った
「えっ、なに!」
カスミは一瞬の出来事で反応が遅れ、お腹に剣が刺さった
「‘弟1の剣’...‘弟2の剣’」
そうカズサはつぶやき、炎の県と氷の剣がサヤカにめがけ飛んだ
サヤカはカスミに気を取られ、1本の剣は何とかはじき出したが、もう1本の剣が刺さった
「うあっ!なにこれ...⁉︎」
カスミの左腕が吹き飛び、サヤカの体の刺さった部分の周りの少しが凍った。
「ははっ...風で千切れろ!氷で固まれ!」
そう呟いているアスタロトは面白がった。
「なにこいつー、めっちゃ強いじゃんー、死神候補かもねー」
「つぎはおまえだ...」
カズサはアスタロトを睨みつけ、殺気を出した
「私はそう簡単にやられないよー」
アスタロトは剣を弾き飛ばすために鎌をちゃんと構えた。
「...解放」
カズサがそう呟き、アスタロトの目の前からカズサの体が消えた
「えー、どこー?」
いや消えたのではなく、物凄い早いスピードでアスタロトの後ろに回っていた。
「腕...肩...」
カズサが変なことを呟いていることに気付いたが、気付いた時にはアスタロトの腕が吹き飛んでいた。
「パンチー...?あなた凄い力ねー...」
カズサはパンチだけでアスタロトの腕を吹き飛ばした。
「...っ」
カズサの拳には返り血が大量についていて、気持ち悪くなった。
アスタロト、カスミ、サヤカは何もすることなくカズサにやられ、ユイナは見ているだけしかできなかった。
「カズサ...」
シュリの声が聞こえた。
カズサはシュリの元に近づいた
『殺しなさい...私達に邪魔するものは』
カズサの頭に誰かが話しかけてきた
「殺す...シュリを...?」
『そう、殺すのよ』
「殺す...」
カズサが拳を振り上げた瞬間、目にはシュリではなく青空が目に入った。
「お前...よくも俺の奴隷をここまでやってくれたな...」
仮面を被り、黒いスーツを着た男がカズサに話しかけてきた。
黒いスーツの男は、双子の元に近寄り、回復魔法で応急処置をしていた。
「お前も...殺す!」




