元魔王、チート生活二日目(夜)
今更気づいたけど、部屋はシェアルームで、私以外にもう一人の人が一緒に部屋を使っていた。
まあ、サエルなんだけどね。
寮に戻って休んでいると、扉の外から声が聞こえてくる。
「ミサ、いるか?」
「いるよー」
「入るぞ」
入ってきたのはアルフだった。
「どうしたの?」
「まだ夕食食べてないんだろ?一緒にどうだ?」
「本当に?わーい」
素直に喜ぶ。
アルフに連れていかれたのは、いつもご飯を食べる食堂とは違うところだった。個室で、すでに数人がなかにいた。
それもよく見れば、みんな候補生の人たちだ。
「あのー、ここは?」
まさか!今のうちにライバルは始末しないとな!へっへっへっ!みたいな!?
「なんか変なこと考えてない?」
候補生で唯一の女性が話しかけてくる。
「始めまして、ではないわね。私はクレラ、よろしくねミサ」
「あ、どうも」
なんだ、案外優しそう。
次に、とてもいかつい人が前に出てくる。
「俺はグリム。よろしくなミサ」
「よろしくお願いします」
なに?これ。
それから、5人くらいの候補生の人と挨拶を交わした。
「よし、それじゃ始めようか」
アルフのその声を合図のように、次々と料理が運ばれてくる。
気がつけば、目の前には食べ物がたくさん並んでいた。
「明日はいよいよ勝負の日だ。だれが勇者になろうと、我らの絆は永遠だ。それでは、乾杯!」
アルフが乾杯の音頭をとる。
そしてみんなが料理を食べ始めた。
私も、お皿をもって料理のほうへむかう。
「お、ミサ。これ食ってみろ。うまいぞ?」
「ダメダメ、小学生ならこっちのほうが」
「いや、これのほうがうまいよ」
なんか私、人気者?
どんどん手が重くなっていく。
お皿の上には料理がてんこ盛り。
食べきれるかな?
そうして、私たちは夕食を食べすすめていった。
「もう…入らない」
お腹いっぱいでもう無理だ。これ以上食べたら風船みたいにパンッ!ってなる。絶対!
「アルフ、今日はご馳走さま。おいしかったよ」
「いやなんの。明日は、お互い頑張ろうな」
「うん!」
素直に喜んでみる。
そして、その後は皆で寮に帰ってお開きになった。
部屋に戻ると、私のベッドの反対側にあるベッドにはすでにサエルが寝ていた。
うーん。よく見たらサエルって、めちゃくちゃかわいいな。
明日にむけて、今日は寝ることにした。
おやすみなさい。
ベク「次回予告!ついに勝負が始まります!」
作者「はい!ありがとうございました!」
ベク「ええ!?次回予告ってこれだけ!!?」
次話投稿が続きましたが、今日限りです。
次回からは不定期更新となります。m(__)m