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勇者になって10日目(真夜中)

目を開けると、そこには白い空間が広がっていた。

見覚えのある場所だ。


「おや、目が覚めましたか」

「マリア? なんで私ここにいるの?」

「はい。 説明をしますが、まずは謝らなければいけません」

「どうしたの?」

「実は、生前あなたを殺した勇者が、どういう魔法かは知りませんが、あなたから魔族の力をほんの少しだけとっていったそうなんです」

「はあ」

「そして、その力は今また使われようとしています」

「また?」

「そう。 街の呪いは聞きましたか?」

「国王が話していた話だよね。 たしか……」


その呪いは、魔族の力を使っていた。


「まさか……」

「その通りです。 以前その力を使ったのは現国王の先代。 そして、今その力を現国王が使おうとしています」


マリアが何を話したいのかまだわからなかった。

けれど、私は聞くことしかできない。


「国王がその力を使ってしまうと、元の魔力を生成しているあなたに何らかの影響が出てしまうとおもいます」

「それで?」

「それで?って、せっかく転生して新しい人生を手にいれたのに、影響がでて魔族だってばれたら、すべてパァになるんですよ」

「そうなったらまた魔王に戻るよ」

「……。 あなたはまだ、この話の重大さを理解してないみたいですね」


マリアはがっかりしたような顔でそう言う。


「それじゃ、なにも変わらないのに」

「何を言いたいかよくわからないけど、国王にその力を使わせるようなことがなければいんでしょ?」

「あなたは、現国王が何をしようとしているか分かってるんですか?」

「さっぱり」

「はぁ……」


ため息つかれた!?


「もういいです。 あなたに話ても無駄のようですね。 それでは、戻します」


そして、空間は黒くなり、私は目を覚ました。


_______________________

国王視点


何故だろう。

私に魔族の力が入ったと言うのに、力を感じない。


「どうして……」


ノックの音が響く。


「誰だ」

「シャシャです。 入ってもよろしいでしょうか」

「かまわない」

「失礼します」


シャシャが部屋に入ってくる。

すると、シャシャは顔を青ざめさせ、腰が抜けたように地べたに座り込んだ。


「どうしたんだ?」

「いや……お父様、顔が……」

「顔がどうしたと言うのだ」


そう言って私は鏡を見る。

すると、そこに写っていたのは醜く恐ろしい顔をした、化け物がいたのだった。


「これが、私の顔なのか?」

「お父様、いったいなにが……」

「……」


思い当たる節はある。

むしろ、魔族これの力しか思い当たらない。

この力は、私の中にあるのではなく、私の皮膚の下を侵略していたのだ。

どうりで力を感じないわけだ。

そして、直感でわかった。

この化け物に、私は支配される。

本物の化け物になる。


「シャシャ、にげ……ろ……」


その言葉を最後に、私の意識は途絶えた。

たまたま読んでいただいたのであれば有難うございます。

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