勇者(以下略)part3
瞬間、ステージから岩が生えてくる。
それはかなりの速度でこちらに向かってきていた。
「無に還る!」
思わず閉じてしまった目をあける。
すると、なにもなかったかのように、ステージは元通りになっていた。
「え?」
「ドーカス、今日はこのへんでやめよう。 大丈夫かい? さっきのお嬢さん」
「えっと……、どうも?」
ピーカスは笑顔で優しく言ってくる。
「どういたしまして」
……やっぱり、どことなくあいつに似てる。
うーん、それにしてもさっきの魔法はなんだろ。
確か、ゼロリターン。 時間系の魔法かな。
0に還る、魔法事態をなくすのかな。
うーむ、そうなると厄介だな。
なにがって? もちろん大会のお話だよ。
今の私には勇者の力しかないし。
「ミサ~!」
なんて考えていると、上からドーラが降ってきた。
ってあれ?
「ドーラ!?」
「ミィーサァーー!!!」
瞬間、ドーラは炎に包まれ、ドラゴンへと姿を変える。
ドンッ!と大きな着地音が聞こえた。
「ガァアアアアアアアアア!!」
「なに!? ドラゴンだと!? いったいどこから……」
剣を構えるピーカスに慌てて説明する。
「まって! この子は私の召喚獣なの!」
「召喚獣!? 生きているように見えるけど。 普通召喚獣って魔法で形があるだけだろ」
魔族の力で作ったとは言えない。
「とにかく! この子は安全なの! ドーラも、早く戻って!」
「グガァ……」
また炎に包まれ、次の瞬間には女の子に戻った。
「驚いたな」
「ね、大丈夫でしょ」
「それにしても、ドラゴンを連れているなんて、まるで勇者か魔族だな」
その発言に少しだけドキッとする。
実はどっちもなんです! すごいとこついてきますね!
「私はこの国の勇者で、ミサっていいます」
「そうだったのか。 これは失礼した、僕はピーカス。 よろしくねミサ」
「ニーちゃん、そいつ、俺らの敵か?」
「ん? ああ、大会が始まればそうなるよ」
「なら、いまのうちに、ころ、すか?」
「今はただの顔見知りさ。 それにほら、大会が始まったらそれはいつだってできるよ」
む、すこし聞き捨てならないような。
「紹介が遅れたね。 こっちは僕の弟でドーカス。 こう見えて二人で勇者なんだ。 だから大会ではさっきみたいに助けないからね」
ウインクしてくるピーカス。 おえぇ。
男のウインクって気持ち悪いんだね。
「よろしくお願いします」
気がつけば辺りの観客もいなくなっていて、ステージにいる私たちも帰ることにした。
なんか疲れた……。
ということで、おやすみなさい!
なぜ急展開にしたかって?
それは、part何とかめんどくさいからさ!(キリッ
たまたま読んでいただいたのであれば有難うございます。




