勇者になって7日目
「ねぇミサ~」
ナナが私を呼ぶ。
今はもう馬車の中で、街に向けて出発していた。
「どうしました?」
「お話しよ~?」
「なんのお話ですか?」
「なんか~」
すごく、ほわほわしてる子だな~。かわいい!
「いいですよー」
「わーい!じゃ、ミサの昔のお話教えて~」
「昔のお話ですか?」
うーん、転生するまえの記憶しかないんですよ。とは言えない。
「そうですねぇ、つい最近面白いことを体験しまして。それを教えましょう」
「なになに~?」
「なにか、小さいものありますか?なんでもいんです」
「うーん。これでいい?」
そういってナナはかけていたネックレスを渡してくる。
指で○を作ったくらい大きいルビーがついていた。
「はい」
ナナがわくわくしている目で見てくる。
「見ててくださいね」
サエルに教えてもらった魔法で、ドラゴンの形に…。
はっ!
「わー!すごーい!」
きゃっきゃきゃっきゃとナナが喜ぶ。
うーん。やっぱり小さい子はかわいいなぁ。
「ミサ!それって私ですか!?」
見ていたドーラがいきなり割り込んできた。
真っ赤なドラゴン。うん、確かにドーラかも。
「じゃ~、これドーラにあげる~」
「いいんですか!?」
「駄目に決まってるでしょーが!」
ドーラの頭をはたく。
「あう」
話が変わるけど、ナナの見た目について話すとすると、かわいい。髪は金色で、目は栗色、服はピンクのフリフリとしたドレスで、甘い匂いがする。
「いいよ~。これは私からのほうしゅうだよ~」
そういってナナは、ドラゴンのルビーをドーラに手渡す。
「!!」
ドーラは戸惑いながらナナと私を交互に見る。
「あ、有難うございます」
なんて会話をしているのに、一人だけのりが悪い子供がいた。
「ねぇ、シャシャ。シャシャも一緒にお話しよ?」
「そんなことして、なんの役に立つんだ。君たちみたいな子供と一緒にしないでくれ」
頑固なんだから。
「それより、いつ街に着くんだ?」
「わかんない~」
「ナナにはいっていないよ!」
「そうなの~?」
「あとどれくらいで着くの?」
私はドーラに聞く。
ドーラは、窓から顔を出す。
「そうですねぇ…。この速度ならあと3日はかかるかも」
出発したのが一時間くらい前だ。
「まだそんなにあるのか」
そう言ってシャシャはまた窓の外を見始める。
ちなみに、シャシャも女の子なんだけど、なんでか男の子みたいな喋り方なんですよ。
ナナいわく、「王子になってパパのお仕事を手伝いたいんだって~」とのこと。
一人称も僕だし。服もナナみたいにかわいいのじゃなくて、短パンだし。
まさに陰陽!
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国王視点
あの勇者は、これまでの勇者とは違う。
そう確信できたのは私の右腕であるビンを倒したと聞いたときだった。
今はすでに出発し、街に向かっていた。
「ビン。お前はあの勇者、どう思う?」
「どうって?」
ビンは私の方へと向き直る。
「そりゃ、俺でも対処出来なかったんだから強いんじゃないの?」
「本当にそれだけなのか。と、思ってな」
「どういうことだ?」
「あの召喚獣、生きてただろ。ドラゴンの命を作れるのは、同じドラゴンか魔族だけだ」
「というと?」
「…。いや、やめておこう」
勇者だと言うなら、気にすることはないだろう。
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ミサ視点
「ドーラ、偵察いってきてもらえる?」
「わかりました!」
今は休憩中。私たちは馬車の外にでていた。
「いってきます!」
そう言ってドーラは、炎に包まれる。次の瞬間、少女の姿はなく、代わりに巨大なドラゴンへと姿を変える。
「いってらっしゃーい!」
偵察にでてもらって数分。ドーラは戻ってきた。
「お帰り、結構早かったね」
「あう、それが…」
少女の姿に戻ったドーラは、怪我をしていた。
「どうしたの!?」
「実は、魔物を見つけて追い払おうと思ったら、冒険者もいて攻撃されました…。あう」
ドーラの膝から血が出ていた。
「大丈夫~?」
「あうあうあう!」
どういう感情なの?あうって、ドーラの口癖なのかな?
傷が治るイメージに魔力を流す。
はっ!
「あれ?痛みが、消えた」
「ミサすご~い!」
ナナが喜ぶ。
「…すごい…」
シャシャも褒めてくれた。えへへ!
「ミサ!有難うございます!でも、ナナ様ごめんなさい。ナナ様にもらったルビー、落としてきてしまいました」
「あ~いいよ~。気にしないで~」
気にするよ!普通は気にするよ!
「そうですか?有難うございます!」
少しは気にしようよ!ね!?
すると、馬車を運転していた男がこちらにやってくる。
「今日はここで野宿します」
「わかりました」
女の子四人が野宿させるなんて…。
ドーラ「あうあうあう!」
作者「ドーラのあうあう攻撃だー!!」
ドーラ「何ですかそれ?」
作者「わからん」
ドーラ「…」
作者「…。あう」
うーむ、お話的にはルビーも伏線です!
たまたま読んでいただいたのであれば有難うございます。




