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黒の系譜  作者: 木根樹
黒の系譜―第二章
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黒の系譜02-35-4『VSゴブリンアイドル』

いやぁ、それにしてもパピヨンマスクさんって、誰なんでしょうかね?

 どうやら、あっちでもこっちでも戦闘が始まったようね。

 見たところ、〝ゴブリン四天王〟とか恥ずかしい名前を言っちゃうくらいには、実力があるのカシラ?


「ウブブブ♪ ミンナヤーゴブネェ? アンナ汗臭イ戦イナンテ、絶対イヤゴブ♪」

「あら、同感ね。あてくしも、あーいう泥臭いのはゴメンだワ」


 さっきから雑魚ゴブリンどもの担ぐ輿の上で、コップに注いだ紅い液体を飲み続けているゴブリン……何だったカシラ?

 あぁそうだったワ。ゴブリンブスね。

 一向に戦う気配がないんだけど、やる気あるのカシラ?

 まぁ、あてくしも醜い争いは嫌いだから別に構わないのだけれど。


「ソウゴブヨ♪ 戦ウノハ、馬鹿ナ雄ドモノ、シ・ゴ・ト♪ アタクシ様ハ優雅ニソレヲ見下ロスダケゴブ♪ アンタモソウゴブヨネ?」

「それは同意できないワ。あてくし、他人が汗水垂らして生きているのを見下して馬鹿にできるほど落ちぶれちゃいないもの」


 あてくしは杖を構える。

 汗くさい戦い?

 泥臭い戦い?

 そんな物は確かにあてくしの領分じゃないワ。

 でも、戦わないとは言ってないのよ?


「戦うなら美しく、そして優雅に派手に華々しく。それが、魔法少女(あてくし)のモットーなのよ」


 杖に意識を集中する。

 内から溢れる熱い想い(チカラ)に、高揚した身体が震える。


「まずはそこから降りてきたら良いんじゃないカシラ? ゴブリンブス♪」

「ブブブブブブブスゴブッテ!?」

「[生命を司る大樹(セフィロト)]」

「――不細工ナ人間ノクセニゴ……ブ?」


 想い(チカラ)の解放で、ゴブリンブスの乗る輿の下から一瞬で巨木が生える。


「ゴッブギャルブブブブブブ!?」


 突き出た幹は、ゴブリンブスを空高く打ち上げて、地面に叩きつけた。

 あらあら、『ゴブルギャ!?』ですって、みっともないったらありゃしないワ!


「中々いい仕事をする木だワ。そうね。ゴブリンをあざ笑う木(ゴブルーナ)とでも名付けようカシラ♪ オホホホホ♪」

「許サナイゴブ! アタクシ様ヲブス? オ前ハ絶対ニ許サナイゴブ!」

「あら、生きていたのね?」


 しぶとくってまるでゴキ○リみたい。

 ……ゴキブ……ゴブリ……いいわね。 ゴキブリンブス!


「ぶわははははは! 最っ高! ゴキ、ゴキブリン……ぶわはははははは! あんたにお似合いの名前よおブス!」

「ゴッキャー!? オ前タチ、殺スゴブ! 原型モ留メルゴブナ! グチャミソデ、ブチャゲロ! オークノ餌ニシテヤルゴブ!」

「「「「「アイアイサー!」」」」」


 手下ゴブリン共が、ブスの命令に応えて武器を構える。

 やーねぇ、かっかしちゃってまともな思考もできないようね。

 こんな雑魚共であてくしに敵うと本気で思っているのカシラ?


「ゴブ!」


 まずは右から来た1匹。

 棍棒の一撃を華麗にターンして回避する。


「ゴブブ!」


 次に背後の奴。

 槍で突いてくるので、槍の穂先を優雅に指で撫でて、刺先を逸らす。


「ゴブ! ゴギャ!?」


 剣で切りかかって来ていた3匹目の喉元に槍が突き刺さって、息の根が止まる。

 あてくしはその力を失った腕を美しく蹴リあげて、剣を弾き飛ばす。

 

「ナニシテルゴブヒャァ!?」

「あら残念。外れたワ」


 ノンキに構えているブスの首を狙ったんだけど、外れたみたいね。しっぱいしっぱい♪

 

「ゴブ!」

 

 4匹目、性懲りもなく斧を振り上げるゴブリンへ、


「ゴブ!?」


 棍棒を振り抜いて体勢を崩していた1匹目をターンの勢いのまま放り投げる。


「ゴヒャ!?」

「ブヒャ!?」


 ぶつかった2匹はそのまま地面に倒れる。

 手に持っていた斧は勢いよく宙に舞い上がり、


「「ゴビュ!?」」


 重なり合った2匹のゴブリンを両断した。

 これでフィニッシュ。


「あら、もう終わりカシラ? 踊っている間に終わってしまったワ?」


 あてくしの優雅な礼と共に、第一幕はこれにて終了。

 滑稽(ゆかい)共演者(ゴブリン)たちは踊り疲れて眠ってしまったのカシラ?


「ダメね。もっと骨のある(オス)じゃないと、あてくしの相手は勤まらないんじゃないカシラ?」

「ゴッキャー! 生意気ナ(メス)ゴッブー!」

「そういうあんたは踊ってくれないの? お・ブ・ス♪」

「ア、アタクシ様ハ(メス)ゴブヨ!」

「あら、そーなの? あんまりにブッッッッッッッッサイクだから、オスと見分けがつかなかったワ♪ おーっほっほっほ♪」

「ゴッキャー!? オ前ラ、ヤッテオシマイゴブ!」

「「「「「アイアイサー!」」」」」


 あら、もう第二幕の幕開けカシラ?

 今度はえらく大所帯ね。

 ひぃ、ふぅ……30から先は数えるのも面倒なくらいね。


「いいワ。お姫様(あてくし)醜い魔女(ゴキブリンブス)が出てくるまで踊りながら優雅に()っていようじゃないカシラ?」

「上等ウゴブ! メスザル! セイゼイ、死ヌマデ踊リ狂ウゴブ!」


 あら、存外ノリがいいじゃないカシラ?

 でも、それって完璧悪役の台詞よね?


「さぁて、じゃあ柄にもなく一頑張りしようカシラ?」


 あてくしは杖を構えて華麗にポーズを取る。


「魔法少女〝ハーヴェストレディ〟。 豊穣に舞い祈るワ♪」


 これが魔法少女の生き様だと見せつけるように。 


「――少女の部分に突っ込む無粋な奴は皆殺しよ♪」


 本当の美しさがなんなのか。

 そこにいる勘違いおブスに、よーく分からせてやろうじゃないの。

 嫌になるくらいにね。

と言う訳で四天王は一区切り、それぞれがそれぞれの戦いを繰り広げていますね!

一方その頃クロの方は……? 次話に乞うご期待!

……と、言いたい所ですが次話、とても鬱です。……………………鬱予定です。

一応金曜日に更新予定ですが、作者的になかなかの鬱っぷりなので人によっては苦手な感じになるかもしれません。

一応後に補足を入れるので、読まなくても大丈夫な仕様にしようとは思いますが(だ、だじゃれじゃないよ!)まだみていなのでなんとも……。

と、とりあえず! がんばりますので、今後の展開をもうしばらくお待ちください!


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