表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒の系譜  作者: 木根樹
黒の系譜―第二章
89/104

黒の系譜02-35-3『VSゴブリンピエロ』

というわけで今度はルーさん視点です。


 転がるシェルから逃げるエミ、どうみてもおバカ対決。

 すぐ調子に乗るから、ああなる。

 ……あとでお説教。


「クスクスクスクス。ミンナバカゴブネェ」

「ん、同感」


 魔物と同じ考えというのは、いささか不本意。

 でも、エミがバカなのは、疑いようのない真実。


「ジャア、ボクタチモ始メルゴブ?」

「んーん、すぐ終わる」

「ゴブゴブゴーブ♪ エー? ツマンナイゴブー♪ モットユックリタノシ楽シモウゴブー!」


「むり――紡ぐは〝緑〟、〝刃〟を作り、魔を〝切り裂け〟……[ウィンド・カッター]」

「ゴブッブー♪ ハッズレーゴブ♪」


 わたしの風を、ヒョイとかわすピエロ。

 むぅ、こしゃくな奴。


「紡ぐは〝緑〟、〝刃〟を作り、魔を〝切り裂け〟……[ウィンド・カッター]」

「アッマーイゴブ♪」

「紡ぐは〝緑〟、〝刃〟を作り、魔を〝切り裂け〟……[ウィンド・カッター]」

「ゼーンゼンゴブ♪」

「……紡ぐは〝黒〟、〝影〟で〝檻〟を為し、獲物を〝捕えよ〟……」


 ちょこまか動く、動きを止めればいいだけ。


「[シャドウ・スフィア]」

「ゴブ?」


 ピエロの足元から伸びた影が、ピエロを飲み込む。

 ピエロが中で暴れている、でも逃げられない。

 観念して動かなくなった。


「紡ぐは〝緑〟、〝突風〟の〝塊〟と為りて、魔を〝吹き飛ばせ〟……[エア・ブラス――」

「ザーンネン♪ アッチハ、ハズレゴブ♪」

「っ? ――ぐっ!?」


 背後から、ナイフで切りつけられる。

 危機一髪。

 前に出なかったら、かすり傷じゃすまなかった。


「ゴブッブー! ドウシテ逃ゲルゴブー?」


 背後にいたのは間違いなく、ピエロ。

 わたしは影玉の消え去った所を見る。

 ピエロ、跡形もない。


「ん、意味不明」

「ゴブゴブ♪ ボク、コーンナコトモデキルゴブ♪」


 唐突に踊り始めるピエロ。

 でも、可愛くない。


「ゴブガ?」

「ゴブデ?」

「ゴブハ?」

「ゴブゴブ♪」

「ん、ふえた?」


 1匹のピエロが2匹にふえた。

 まったくバラバラの動きをする2匹。

 とても驚愕。

 でも可愛くない。


「……聞いたことある」


 東方大陸(トゥホーン)には、〝ニンニンジュツ〟という、独自の魔術がある。

 火を吹く、水の上を走る、空を飛ぶ……いろいろある。

 自分の姿、増やすのもあったはず。

 

「ん、理解。ピエロじゃない。ニンニンジャ!(ズビシ!)」

「「ニンニンゴブゴブ♪」」


 指差すと、途端に変なポーズで踊り出すピエロあらためニンニンジャ。

 やっぱり、可愛くない。

 ニンニンジュツ、謎が多い。

 ……とても厄介な相手。


「「サ、遊ビノ続キゴブ♪」」

「んーん、めんどう」


 とてもめんどう。

 背中痛い。

 可愛くない。

 さっさと倒して、クロに褒めてもらう。


「決まり。――紡ぐは〝緑〟、〝暴風〟を〝乱れ吹かせ〟魔を〝呑みこむ〟〝壁〟を〝巻き起こせ〟……」

「ゴブ?」

「上級魔術ゴブ!」

「オネーサン、スゴイゴブ!」


 そう、わたしのとっておき。

 ……疲れるから、あんま使いたくない魔術。


「[トルネード・ウォール]」


 わたしの周りに、風が吹き乱れる。

 円を描いて、周りの草や石も一緒に巻き上げる。

 とうぜん、ニンニンジャも。


「ゴブブー?」

「浮イタゴブー!」

「イタタ! 石ガ当タルゴブー!」


 かなりの高さまで吹き飛んだ。

 あとは、この瓶で勝て……


「ん? ニンニンジャ、3匹……?」


 おかしい。ニンニンジャ、2匹だったは――


「ゴブッブー! アレ、全部ハズレゴブー!」

「っぐぅ!?」


 瓶を落としたせいで、中身が飛び散る。

 ナイフで刺されたから、竜巻が血で赤く染まる。

 考え、甘かった。

 

「全部で、4匹……!」

「チッチッチ! ダケド本物ハゴブダケゴブヨー♪」


 集中が切れたから、魔術の風も止む。

 風に飛ばされていた他のニンニンジャが、地面に落ちた。

 ……あまり高くないから、ダメージ少ない。


「ゴブ!?」

「イタイゴブ!」

「ヤルナラモット早クヤルゴブー!」

「分身ノクセニ、生意気ゴブヨー!」


 案の定、他のニンニンジャもピンピンしてる。

 ……とても厄介。

 わたしは薬を飲み干す。


「ん、にがい……」

「ポーションゴブ?」

「回復されたゴブー!?」

「マ、別ニ問題ナイゴブネ!」

「コレデモット遊ベルゴブー♪」


 瓶を投げ捨てる。

 可愛くないニンニンジャと遊ぶ気、ない。


「早く終わらせる。――紡ぐは〝緑〟ぼ……! ……! …………!?」


 おかしい。


「………………! ……? ……! …………!」

「ゴブッブー! ヤット効イテキタゴブー!」

「ナニゴブナニゴブ!」


 声が、出ない?


「…………! …………!」


 呼吸、できる。

 でも、声にならない。

 ……そうか。

 さっきのナイフ。


「ジャジャーン! 声亡キ草ゴブー!」


 間違いない。

 声を封じる毒がある魔草〝声亡き草(こえなきそう)〟。 

 魔術師の天敵。


「ナイフニ塗ットイタゴブ!」

「用意周到ゴブ!」

「カッコイイゴブ!」

「出来ルゴブリンハ違ウゴブ!」


 魔草の毒にやられる、錬金術師としてとても不覚……!


「トイウコトハー?」

「〝魔術師〟ノオネーサンハー?」

「モウ戦エナイゴブネー!?」

「ヤッタゴブ! コレデボクタチト遊ベルゴブ♪」


 ニンニンジャたち、手にナイフとか棒とか、武器を取り出す。

 とても遊ぶ雰囲気じゃない。


「オネーサン♪」

「マーズハ♪」

「ナニシテー♪」

「アソブゴブー♪」

「「「「ゴブゴブゴブゴブ♪」」」」


 ん、とてもめんどうな展開。

 早くクロをもふもふしたい。

 しょうがないから本気出す!

 ………………もう少ししたら。

た、ただでさえ口数の少ないルーさんが黙ると……あれ、でもあんまり変わんないかな?

と、というか地の文が辛い! ちょっとルーさん!

もう少し言葉巧みにしゃべってくださいよー!

……全部そう言うキャラにした作者が悪いですね、そうですね。

じ、次話はついにリ……パピヨンマスクさんの出番です!

更新は明日の予定だよ! 現在進行形で頑張ってるよ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ