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黒の系譜  作者: 木根樹
黒の系譜―第二章
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黒の系譜02-35-1『VSゴブリンガンナー』

一応ミラ視点のお話です。

「ヒュー♪ ヤルジャネエゴブカ。アノチビッコイノ」


 器用に口笛を鳴らしクロさんを見ている不注意なゴブリンに、私は弓を向けます。

 戦場でよそ見は禁物。

 まして敵と対峙しているのに他に注意を向けるなんて、自殺行為です。


「隙あ――」

「オットット、焦リスギゴブゼ? BAN!」

「うっ!」


 こっちを見もせずに指だけ向けたゴブリンガンナーの攻撃によって、私の腕が打ち抜かれます。

 何とか放った矢ですが、あらぬ方向へ飛びむなしく地面に突き刺さりました。


「ヒュー、イイ服ゴブナ? デナキャ、モウ二度トソイツガ握レナクナッテタゴブゼ?」


 腕に直撃した攻撃でしたが、シェラさんの作ってくれたアームカバーのおかげで致命傷は避けられました。

 ただし当った衝撃は相当の物です。……痛みからして内出血しているかもしれません。


「不意打チタァ、中々肝ガ据ワッテヤガルゴブナ? GOBUGOBUGOBU!」

「――、お黙りなさい! [地ら――」


 すぐに次の矢をつがえ、戦技の発動を試みる私ですが、


「ダカラ遅イゴブゼ! BANBANBAN!」

「――っぁ!」


 両腕、そしてお腹を打ち抜かれ、私は弓を取りこぼしてしまいました。

 当然戦技は発動せず、矢も山なりに飛んで標的の遙か後方へ突き刺さりました。

 腕がじんじんと痺れています。

 小憎たらしい事に、左腕は先ほど打ち抜かれた箇所と寸分違わぬ場所を攻撃されました。

 

「ヒュー、ソンナ時代遅レノ得物デコノゴブリンガンナー様ノ早撃チニ勝テルト思ッテルゴブカ? 笑ッチマウゴブゼ! GOBUGOBUGOBU!」

「だったら……〝白〟よ!」


 弓がダメなら魔術です。


「魔術? ハンッ! ソレコソ遅ェゴブ! BANBANBAN!」

「ぅぐっ! ――〝閃光〟と為りて敵を〝貫け〟」

「ヒュー♪ 堪エルタァ、中々根性ガアリヤガル!」


 あの素早い攻撃に対抗するには[シャイン・レイザー]だと私は考えました。

 攻撃が来ると分かっていれば、多少の痛みなら堪えることもできます。

 両腕とお腹の痛みを堪えながら、私は詠唱を続けます。 


「ダガ、甘ェゴブゼ! BANBANBAN!」

「[シャイン・レ――がふっ!」


 胸の中心を同時に三度打ち抜かれ、さすがに耐え切れなくなった私は地面にひざを突きました。

 早く、それでいてあまりにも正確な狙撃。

 悔しいですが、恐らく遠距離攻撃の腕は私以上でしょう。


「ヒュー、魔術ナンテヌルイモン、使ワセネェゴブゼ?」

「(腕の感覚が……まずいですわね。一度回復を!)」


 私は回復用のポーションを懐から取り出しますが、


「ダカラサセネェゴブヨ! BAN!」


 ポーション瓶は打ち抜かれ、魔力の光となって消えました。


「ヒュー、回復アイテムナンテ、無粋ナモン使ッテンジャネェゴブヨ! GOBUGOBUGOBUGOBU!」

(弓も、魔術も、アイテムもダメ。なかなか手強い相手ですわね)


 余裕の笑みを崩さないゴブリンガンナー相手に私は歯噛みしました。

 

(……いえ、弱気になってはダメですわね。この程度の相手に遅れを取っていては、クロさんの隣に立つなんて到底できませんわ)


 私の目標。

 それは、クロさんの隣で彼女を支える事です。

 こんなゴブリン如きに遅れを取るわけにはいきません。


(必ずどこかに勝機はあるはずです)

 

「ハッ、イイ目ジャネェゴブカ。BANBANBAN!」

「いけ――っぅあ!」


 ゴブリンガンナーが指を向けた瞬間、私は左へ回避を試みました。

 一発目は回避したもの、二発目はお腹に、三発目は足をかすめました。 


「ヒュー♪ 悪クネェ、判断ダ。オレ様ノ正確ナ狙撃ヲ逆手ニトッタノカ?」

「……くっ!」


 この性悪ゴブリンは、ご丁寧にも一度撃った場所を攻撃してきます。

 遊びのつもりなのかもしれませんが、こちらにとっては好都合です。

 撃たれる場所がわかるなら、打つ瞬間にそこから外れれば回避も可能かと思ったのですが、


「ダガ、躱ス暇ナンテネェゴブゼ? BANBANBAN!」

「――っふっ! ぁうっ!」


 わざと今まで狙わなかった足を狙い、体勢を崩したところで腕と胸を撃たれ、私は地面に転がりました。

 

「ヒュー、色ッポイ格好ゴブナ! デモマダマダ行クゴブゼ! BANBANBAN!」

「ぅぁ! っぐ! かはっ!」

「GOBUGOBUGOBU! イイ様ゴブゼ!」


 更に執拗なまでに胸を撃たれ、肺の中身を全て吐き出させられました。

 身体に、徐々に力が入らなくなっています。


(か、かいふくを……!)


 このままではまずいと判断した私は、何とか懐からポーションを取り出しました。


「ダカラサセネェゴ――」


 しかし、ゴブリンガンナーはそれを許しません。


「BA――」


 私の持つポーションへ指を向け、そして――


「――チッ、危ネェゴブゼ。チョット熱クナリ過ギタゴブゼ。ヒュー、オレ様ハモットクールでナキャナァ?」


 ポーションが撃たれる事はありませんでした。

 九死に一生を得た私は、ポーションを飲んで若干体力が回復します。


(ですが、不味い状況というのは変わりませんわね)


 向こうはいつでも私を殺せると言わんばかりの様子。

 何か良い手はないでしょうか……!

 [アイテムボックス]から追加でポーションを出そうとした私は、〝あるもの〟の存在を思い出します。


(これは……? ………そうですわ)


 私は、ある事を思いつきます。


(私に合った魔術の使い方……)


 前にクロさんが言っていた言葉を思い出します。


(クロさん、見つけたかもしれません)


 私は[アイテムボックス]からソレを取り出して握りしめました。


「アン? 今度ハドンナ悪アガキダァ? GOBUGOBUGOBU!」


 反撃、開始ですわ。

決着はまだ引っ張るよ!

そして爆弾報告! ゴブリン四天王との戦いは4日連続更新予定だよ!

……い、言っちゃった。言っちゃったからには、やるしかない! …………でも一応みていかもしれないとはお伝えしておきます。

なので今回も活動報告はお休みです。明日はエミリーVSシェルゴブリンですよ!

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