表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒の系譜  作者: 木根樹
黒の系譜―第二章
83/104

黒の系譜02-幕間04『ゴブリン討伐:ランクE』

最後の方でちょっと血が流れる感じがあるので、苦手な方は気をつけて読んでください。

 今夜は満月だというのに、俺様たち二人は暗い坑道の中を突き進む。

 ここに来るまでにぶっ殺したゴブリンは2匹。満月の夜で強くなっていても、しょせんはEランクの魔物。Dランク冒険者の俺様にかかれば余裕も余裕よ。

 

「にしたってよー。Dランク冒険者の俺様がゴブリン退治だなんて……それもこれも全部アイツらのせいだ!」

「……いや、自業自得な気も……」

「あぁ!?」

「だ、だぜぇ」


 そうとも。

 俺様がこんな底辺クエストを受ける羽目になったのも、金が無いのも、スカーが出ていったのも、全部あのクソ生意気な獣人のクソガキのせいだ。そうに決まってる。


「ちょっと(つえ)ぇからって調子に乗りやがって……! あんな奴、俺様が本気を出せばぼっこぼこだってのによぉ!」

「だ、だぜぇ(ぼっこぼこになるのは俺らだけどなぁ)」

「あぁ? なんか言ったか?」

「だだだだぜぇ!」

「ちっ、意味わからねぇ返事すんじゃねぇよ」

「(お前が言えって言いったんだろうが)」

「にしたってよぉ! ぜんっぜんいねえじゃねえか! クソゴブリンどもめ!」


 坑道の大分奥の方まで来たが、ゴブリンなど全然いやしない。情報と全然違うじゃねぇか。


「(いや、待てよ? ひょっとしたらゴブリンどももこの時間は眠っていやがるのか? くはは! ツいてるぜ! やっぱり俺様はDランク冒険者だぜ!)」


 俺様は懐からロック・ゴーレム用に買ったまま温存しておいた爆弾を取り出す。

 サイズはまぁ小さいが、威力は中々のモンだ。なんてったって、家の壁くらいなら平気で吹っ飛ばせる代物だからな。


「おい、ズック」

「だぜぇ?」

「普通に喋れ。いいか、おそらくゴブリンどもは寝ていやがるハズだ。くははは! 大チャンスじゃねえか! 巣を見つけてコイツを放り込めば、一網打尽にできるぜぇ!」

「え? でもこんなとこで爆弾なんて使ったら、崩れてくるんじゃ……?」


 ちっ、その可能性は考えてなかったぜ。

 だがこんなチャンス二度と無ぇ……どうする?

 

「大丈夫だ。Dランク冒険者の俺様を信用しろって!」

「お、おう……」


 なーに。今日の俺様は最高にツいてる。

 例え崩落しても俺様なら無事に脱出できんだろうよ!

 そうこう言っているうちに、周りがだんだん広くなってきた。

 なるほど、ここが採掘スペースだな?

 っつーことは、奴らの巣も近いってこった。


「お? 明かりだぞおい! くはは! 間違いねぇ、巣に到着だ!」

「明かり……? 寝てるはずじゃ……?」


 さて、後は巣をぶっ飛ばすだけだが……そうだな。

 

「おいズック。爆弾を持て」

「え? ゲッスオが投げるんじゃねぇの?」

「バッカ。お前に良い所を譲ってやるっていってんだよ。ゴブリンどもを一網打尽にして見ろ! 手前ぇも晴れてDランク冒険者の仲間入りだぜ!」

「そ、そうかな!?」

「そうとも!」

(んなわけあるかよバーカ!)


 俺様は馬鹿なズックに爆弾と火つけ石を渡してやる。


(良い所? んな訳ねぇだろ馬鹿が! 爆発に近い方が危ねぇに決まってんじゃねぇか!)

 

 俺様は『入り口の方を警戒しておく』と嘘を付いて、巣から距離をとって準備運動を始める。

 Dランク冒険者の俺様なら、崩落に巻き込まれずに走り抜けるなんて余裕だとも!


「(ゲッスオ、行くぞ!)」

「ぜはぁぜはぁ……いいぞ、げほげほっ! や、やれぇ!」

「う、うわぁー!」

「ば、ず、ずっくぅ! お、おま……! げほっげほっ!」


 ズックは少しでも殺傷力を増させるためだろうが、勝手に巣の中へ走り込んだ。

 馬鹿な奴だ。んなコトしたら余計に逃げられなくなるだろうが。

 

「ちっ、俺様の命令と違う事をしやがって! ぜはぁぜはぁ……っひゅー!」


 まあいい。

 爆発地点が少しでも遠ざかるなら俺様にも好都合だ。

 俺様は、呼吸を整えながら様子を見守る。

 まだだ、もう少し体力が戻ってから、い、いや! 爆発音が聞こえてからでも遅くはない。

 …………はぁはぁ。しかし、おせぇな?


「……おい、ズック? どうしたズック?」


 ズックが巣の方へ入ってから、一向に爆発音が聞こえない。

 それどころか、ズックの野郎返事すらしねぇ。

 まさかあの野郎、ビビって逃げ出しやがったのか!?


「おいズック!」


 俺様は裏切り者のズックを追いかけて巣の中に入る。

 だがズックの野郎はどこへも逃げていなかった。


「ギャギャギャギャ!」

「ギャギュギュガ!」

「ゴギャギャ?」

「こひゅー、ご、ごぶっ!」


 喉を槍で貫かれ、逃げることも声を上げることもできねぇでいやがった。


「ま、じかよ?」


 薄ぼんやりとしたした光に照らし出される、緑緑緑緑緑緑緑………………。

 何百、いや何千というゴブリンの群が蠢いていやがる。

 ドイツもコイツもアホみてぇなツラしてるくせに、槍だの剣だの棍棒だの武器を持って武装していやがるじゃねえか。

 規則正しく整列してやがるが、これはまさか軍隊だとでも言うつもりかよ?

 ゴブリン如き下等魔物が? ありえねぇ!


(それになんだ? あの奥にいる一回り位でけぇヤツ……!)


 Dランク冒険者の俺様だからわかる。

 アイツはやべぇ。


「ごぶぁっ!?」


 なん俺様がて考えているうちに、ズックは爆弾を手から落として口から血の固まりを吐き出した。


「にぐ……」


 何か言いかけたみたいだが、そのままがっくり頭を落として、二度と動きやがらねぇ。

 ちっ、死にやがったか。

 ゴブリン1匹もしとめられねぇなんざ、やっぱりしょせんEランクだな。

 だが、俺様は違う。


「くははは! 食らえ、クソゴブリンども! Dランクぅーファイア・ボールゥ!!!」


 俺様は予備の爆弾に火をつけてゴブリンの群に投げ込み、一目散に走り出した。

 コイツ等全部相手にすんのはさすがの俺様でもさすがに骨が折れる。

 だが爆弾さえ破裂すりゃこっちのモンよ!


「くはははっはは!」


 俺様は勝利を確信した。

 俺様なら逃げ切れる。

 ロック・ゴーレム相手に見せた最強の逃げ足を見せて……


「やるっ!?」


 足がもつれて、俺様は無様に地面に倒れ込んだ。

 い、いや。これは爆発の衝撃に備えて伏せたんだ。そうだとも!

 だが、おかしい。一向に爆発音が聞こえやがらねぇ?


「ちっ、さっさと爆発しやがらねぇかクソ爆だ……ん?」


 だが後ろを振り返った俺様は、信じられない物を見た。


「ゴギャギャギャ!?」

「ゴッギュー!」


 ゴブリンどもが、導火線が燃えきっている爆弾を投げ合って遊んでいやがる。

 爆発、しなかったのか?


「そうかクソッタレ! 火薬がしけってやが――ごふっ!?」


 突然腹が燃えるように熱くなり、呼吸が苦しくなる。

 いや。ちがう。腹になにかが? なんだこのぬるっとしたもの赤いああそうかこれはまてなんだおまえらうわやめおれさまはでぃーらんぐぎゃぐあ………………・・・・・・ ・  ・  ・

話の雰囲気壊さないために、今回お口チャックの作者です。

というわけで、次話から2章クライマックスまでラストバトルがありますよ!

次回予告が結構なネタバレになるので、今回は次回予告はお休みです。

次回更新予定は火曜日を予定してます。う、うん……まだ推敲がおわげふんげふん。お、お楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ