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黒の系譜  作者: 木根樹
黒の系譜―第二章
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黒の系譜02-16『ようこそ、皇都へ』

 無事だったヤヴァイコーンの死骸は解体して素材になり、リーフィさんはいらないと言う事だったので、全部クロたちの取り分となりました。

 割とうはうはです。

「どよーん……」


 ヤヴァイコーンの撃破数を競う勝負の結果は。

 オレ=35匹

 エミリー=48匹

 リーフィさん、60匹以上(推定)


 途中参加のリーフィさんに全部かっさらわれてしまった。

 お、オレの見せ場が……しくしく。

 で、最下位のオレは罰ゲームを受けることになったのだが、その罰ゲームというものが、


「クロ様……」

「まぁ、アレよ。どんまい」

「…………背徳的、でも、きゅーと(ぐっ!)」

「ぷくくく……ぶわーっはっはっは! さいっこー! よーく似合ってるわよ、おちび!」


 首にかっちりと嵌った首輪。

 手に持たされた『私はリーフィ様の奴隷です』という首下げ看板。

 どうみても奴隷ですね、はい。

 ねぇ、これ何て羞恥プレイなの!?


「あの、確かにワタシは負けましたが……なぜこんな格好を……」


 ぷるぷるとオレが震えながら、リーフィさんに尋ねると、


「だって、〝敗者が勝者の奴隷〟になるんじゃなかったカシラ?」

「〝負けた人が勝った人の言うことを何でも聞く〟です!」

「似たようなモンじゃない」

「全然違います! もう、これ外しますからね!」


 メイジン村であんなことがあったばかりだ。

 あまりこう言う物にいいイメージがないので、さっさと外させてもらいたかったのだが。


「じゃあ命令、おちびは今日一日あてくしの奴隷。これでいいカシラ?」

「なんだってーっ!?」


 ま、まさかそういう風に勝者の権利を使ってくるなんて思いもしなかった。


「べっつにいいじゃない。〝永遠に奴隷〟なんて言ってるワケじゃないし。ただの罰ゲーム、お遊びよ、オ・ア・ソ・ビ♪」

「ぐぬぬぬぬ……」

「それともなーに? あんた、約束も守れないようなつまらない人間なのカシラ?」

「ぐぬぬぬぬぬぬぬぬぬ…………!

「クロ、アンタの負けね……ぷっ」


 悔しいが、そう言われてしまっては言い返しようがない。

 えぇい、オレも男だ!

 自分で言ったことの責任ぐらい、持って見せようとも。


「分かりました……り、リーフィさん、お手柔らかにお願いします」

 

 オレが諦めて言うと、


「『リーフィさん』ですって? おちび……あんた奴隷舐めてんのカシラ? あてくしは〝ご主人様〟でしょ?」

「なっ!?」

「ほら、言ってみなさい。〝ごしゅじんさまぁーん〟って。オーッホッホッホ♪」


 ……オ、オレも男だ!


「ぐぬぬぬぬ……ご、ごしゅじんさま」

「オーッホッホッホ♪ 気分がいいワ♪」


 堪えろクローディア!

 これはお前の油断と弱さが招いた結果だ!

 例えやっている事が男らしさと正反対だったとしても!(泣)


「うぅぅぅぅ……つぎは負けないですから」

「あーら、もう下剋上宣言カシラ? とんだ奴隷だこと、オーッホッホッホ♪」


 このヒト、ホントノリノリである。

 生粋のドSを前にオレが自分の弱さを悔やんでいると、ミラがオレを抱きしめてくれる。

 やわらか……ではなく、ミラの暖かさが身にしみる。

 慰めてくれているのだろうか。


「クロさん……」

「ミラ、ありが――」

「………………ちょっとだけ、私の事を〝お嬢様〟と呼んでいただけませんか?」

「…………ミラさん?」


 ズザザ、っとオレはミラから距離を取った。


「き、聞き間違いかな? 今……・」

「一言、一言だけでいいんです! 私の事を〝お嬢様〟と!」

「いやいやいや! ミラ、そもそも罰ゲーム関係ないよね!?」

「ちょっとだけでいいんです! ちょっと上目遣いで頬を赤く染めながら〝お嬢様(うるうる)〟と言ってくださるだけで!」

「それもうちょっとじゃないよね!?」


 やたらヒートアップしているミラから離れると、今度はルーさんに後ろから抱きしめられた。

 

「……クロ、お姉様、でも可」

「ルーお姉ちゃんまで何を? 言いませんよ!?」

「あ、ずるい! じゃあアタシは〝天下無双のエミリー様〟で!」

「いや、そういうコーナーじゃないから、これ!」


 そんなこんなでワイワイやっていると、目の前に人だかりが見えてくる。

 馬車に群がるように集まった人々に、馬車は停車せざるを得なかった。


「な、なんなのこれ!?」

「……はぁ。もう門外街へ入ったのね」


 集まっているのはぼろぼろの服を着て、やせ細った人々。

 目は血走り、どう見ても俺たちを歓迎している感じではない。


「着いたのよ。フィリル・ダリアに」

「着いた? 城門まではまだ先ですよ?」

「いいこと、おちび。あんたはあてくしの奴隷。だからこれから何が起きてもあてくしの命令には必ず従うこと。おじょうたちもね、いいカシラ?」

「それはどういう……!」


 オレがリーフィさんに尋ねようとした時だった。


「お恵みを!」

「食べ物をくれー!」

「金を、金を!」

「あんた、オレを雇う気はないか! なんなら奴隷だっていい!」

「頼む薬を! 薬をくれ! うちの女房が!」

「たべものちょうだい!」


 馬車に寄り縋って一斉に物乞いをし始める人々。

 その姿は余りにも必死で鬼気迫るものがある。


「あの城壁の中が皇都だと思ってたカシラ?」


 リーフィさんは苦虫を噛み潰したような顔で言う。


「だったら残念、ここはもう皇都。通称〝門外街〟と言われる区画よ」


 馬車に詰めかけるゾンビの様に瞳に生気のない人々。

 我先にと、もみくちゃになって物乞いをしている。


「これが皇都。皇都フィリル・ダリア――」


 こんなものが、西大陸(ウェステリオ)の中心地だって?


「――ようこそ。クソッタレな都へ」


 オレは、目の前のあまりの惨状を、到底受け入れることが出来なかった。


――皇都フィリル・ダリア。

 西大陸(ウェステリオ)の中心都市にして、モーミジヤ教の中枢教会がある信仰の地。

 それゆえ教会が絶対の権限を持ち、ウェステリオは時の教皇が国を総べる教皇国となっている。

 人々は女神の恩恵を受けて、幸せに暮らしている。

 それが、オレの知る皇都だったはずだ。


「それが、この有様だって?」


 ゴミや残飯をあさって食糧を探し、地面に溜まった泥水を飲む人たち。

 廃材やボロ布で作られた、家とも呼べないような瓦礫の下で、じっと動かない人々。

 おおよそ、人間らしい暮らしとは程遠いこの場所て、幸せそうにしている人間など、一人もいない。


「幸せに暮らしているのなんて、〝自由街(じゆうまち)〟や〝貴族街(きぞくまち)〟の連中ぐらいなもんだワ。あとは、見ての通り。飢餓、争い、略奪、病気、死人すら珍しくもなんともない」

「どけよクソガキ!」

「あっ!」


 馬車に押し寄せていた小さな男の子が、大男に押しのけられて地面に打ち付けられる。


「キミ――!」

「お止め」


 馬車を飛び降りて、子どもの元へ行こうとしたオレを冷静に止めたのはリーフィさんだった。

 地面に倒れた少年はもともと体が弱っていたのか、起き上がる事も出来ずにその場から動かない。

 何を止めることがあると言うのか?


「どうして止めるんですか!」

「どうして止める? バカな事を言うんじゃないワ。どうして助ける必要があるのカシラ?」

「あんなのを見て、助けないのは人じゃない!」

「そーよ? 皇都に住んでるのは獣みたいに卑しい連中と、人間らしい感情を捨てたバカばっか。ま、中にはウチの代表みたいなバカもいるけど、そういうバカほどここでは損するの」


 目の前で苦しんでいる弱い者を助けるのに、損得なんて関係ない。

 そう叫ぼうとしたオレを突き放すようにリーフィさんは言う。


「ここであんたがあの可哀そうな子を助けたとする。それは大層ご立派な事だワ。お涙ちょうだいもんじゃない?」

「そんな言い方!」

「あんたが立派な人間だって、代表なら言うんじゃないカシラ? でもね、あてくしはそう思わない」


 リーフィさんは、馬車に群がる人々を一瞥した。


「じゃああんた、こいつらはどうするつもり?」

「――っ!」

「見なさい」


 リーフィさんが指差すのは、助けを求める人、人、人の群。

 みな、救いを求めここへ集まっている。

 あの少年を押しのけた男だって、何か理由があってここにいる。

 別に少年が憎くて突き飛ばしたんじゃない。

 ただ、自分たちが生きるために必至だっただけなんだ。


「あの子は助けておいて、他の奴らは見殺しにするのカシラ?」

「それは……!」


 集まっている人たちは、ざっと30人程度。

 この程度なら、助けられるかもしれないとも思う。

 だが、


「百歩譲って、こいつらを助けたとするワ。じゃあ、ここにいない他の連中は? 門外街には何百という人間がいるのよ? そいつら全員助けられるのカシラ?」


 ここにいる人たちは門外街で暮らす人々のほんの一部。

 皇都の人間とされる半数が、このゴミ溜めのような場所での生活を余儀なくされているという現実。

 それを全員を助けるなんて、本当に可能なのか。


「それはっ!」

「じゃあ見捨てる? 『あなたは助ける』『あなたは無理』ってエラそうに選別でもするのカシラ?」

「そんなことっ!」

「自惚れんじゃないワ! あんたが何様のつもりか知らないケド、下手な同情でおまんま食えるんなら、誰も女神に祈ったりなんてしないんだよ!」

「…………どいてください!」

「命令よ。おちび、お止め」

「オレは……オレはアナタの奴隷じゃない!」

「クロ!」

「クロ様!」

「おちび――」


 オレはリーフィさんの手を振り払って、馬車を飛び降りた。

 リーフィさんの言っていることは正論だ。

 恐ろしく正論過ぎて、オレには返す言葉が無い。

 でも、だからと言って目の前で消えそうな命を放っておいていい事にはならない。


「――あんた、きっと後悔するワ」


 リーフィさんの忠告を、オレは聞き流す。


「お、おい! お前この馬車の持ち主の奴隷だな!?」

「助けろ! いや、助けてくれ!」

「食いもの! 何でもいいから食いものをくれ!」


 オレは救いを求める人々の手を払いのけながら、人ごみをかき分ける。

 この人たちも助けてあげたい。

 胸が痛むが、今は少年の元へ急がなくてはいけない


「通して、ください!」


 揉みくちゃにされながら、何とか少年の元へたどり着く。

 駆け寄ると息も絶え絶えで、今にも呼吸が止まりそうだ。

 オレは急いでポーションを飲ませる。


「……あ」


 少年の身体が微かに動く。

 良かった、まだ生きている。


「大丈夫?」

「……あ、ぅん」


 オレは少年の傷が回復した事を確認し、予備のポーションと少しばかりの食糧を取り出す。


「これ、持って行って」

「――!」


 少年はそれを奪い取るように掴んで、こっちを振り返りもせず走り去っていく。

 少し寂しい気もするが、彼が無事ならそれでいい。

 オレは人々の罵倒を浴びながら、黙って馬車へと戻った。

  

「バカな子」

「……バカで結構です。ワタシは、間違った事はしてません」


 リーフィさんの嫌味を聞き流しながら、オレは少年が走り去っていった方を見る。

 少年は立ち止まって、こちらの方を向き、控えめに頭を下げた。

 傍らには妹さんだろうか、小さな女の子もいる。


(そうとも、オレは間違っていない。間違っていないはずだ)

 

 そう、思っていた。


「いいえ。あんたは間違った」

「何を……!」

「クロ! あれ!」

「そんな……!」


 呆然とするミラとエミリーの視線の先。

 少年たちがさっきまで立っていたはずのあたり。


「え…………?」


 そこには、


「う、そ……?」


 真っ赤に塗りつぶされた地面に突き刺さった剣と、

 折り重なるように倒れた二つの小さな影と、

 獣のように僅かな食料を奪い合い、貪り食う者たちの姿があった。


「――っ!」

「無駄よ、おちび」


 馬車を飛び出そうとするオレを、リーフィさんが止める。


「離して! 離してください! 助けなきゃ! あの子たちを助けなきゃ!」

「無理よ。あの出血量じゃもう手遅れだワ」

「そんなのまだ!」

「クロさん……!」


 ミラは悔しそうに首を横に振る。

 全身から力が抜けていき、オレは膝をつく。


「そん、な……だって、だってオレ……」

「だから言ったじゃない」


 リーフィさんは吐き捨てるように言った。


「後悔するって」

「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁ!」


 オレは、ただあの子を助けたかっただけなのに。

 オレは、オレは…………!

 頭に乗せられたリーフィさんの手は、痛いほど優しかった。



―――――



「通ってよし! ――次!」


 あれだけいた人だかりも、城壁近くまで来るとまったくなくなっていた。

 どうやら少し手前に設置されている柵からこちらへ入って来れないようだ。

 というより、先ほど柵を超えた男が衛兵につまみ出されていたので、彼らはあそこから先入ってくることを許されていないと言う事なのだろう。

 オレは、ぼーっと、そんな事を考えていた。


「貴様は、サンスーン商会の者か。通ってよし!」


 城門の入り口には衛兵の他に、入城審査官がおり、怪しい者が居ないか厳しくチェックしているようだった。

 前の馬車が通行を許可され、次はこの馬車の番となる。


「よろしく♪」

「貴様はシェラ商会の者だな。よし! 他の者はギルドタグをしているな?」


 どうやら、ここでもギルドタグは通行証代わりになるようだ。

 ミラ、エミリー、ルーさんがタグを見せるとあっさり許可が下りた。


「……よし。全員問題はないな。通って――いや待て」


 一度許可が下りかけたが、すぐに審査官によってストップがかけられた。


「そいつは、獣人だな?」

「そうよ? 見ての通りあてくしの奴隷だけど? 何か問題あるカシラ?」

「奴隷なら問題ない。だがくれぐれも手綱はきちんと握っておけ。勝手に外を出歩かれてその辺の野良ネコと盛られでもしたら後始末が大変だからな」

「はいはい」

「あと、間違っても貴族街には入れるなよ。獣臭くなる」

「はーいはい!」

「もし店まで連れて行くきなら、檻にでも閉じ込めておけ」

「はいはい、わかってるっての!」


 審査官の後ろ姿に舌を出しながら、リーフィさん率いる馬車は城門を超えた。


「あいつってば、いーっつも偉そうなのよ。あてくし大っ嫌い。――おじょう、もういいわよ」

「は、はい!」

「っぷはっ! あんの男……!」


 エミリーが暴れるかもしれないからいけないと、リーフィさんの指示でミラが押さえつけていたのだ。

 その判断は正しかったと言えるだろう。


「一発殴らなきゃ気が済まないわ! どこ!?」

「やめときなさい。ロクなことになんないワ」

「そうですわ。エミリーちゃん、今は我慢です」

「むぅ……クロもなんとかいいなさいよ! 悔しくないの?」

「え、うん。悔しい、かな……」


 ぼーっとしていて、よく聞いていなかった。

 

「おちび! (わしゃわしゃ)」

「わぷ!」


 リーフィさんに頭をくしゃくしゃ、っとやられる。

 思わずフードが落ちそうになってしまったので押さえると、リーフィさんはフンと鼻息を吹いた。


「いい事? ここではあんなこと日常茶飯事。いちいち気にしてたら、ぶっ倒れるワ」


 あんな事、それは門外街でオレが招いた悲劇。

 オレが不用意に同情なんてしなければ、あんな事にはならなかった。

 気にするなとはいうが、それは無理な話だ。

 なぜなら、


「自分のせいだと思ってんのカシラ?」

「違いますか?」

「いいえ、違わないワ。あれはぜーんぶ、あんたのせい」

「気遣いもへったくれもあったもんじゃないですね」

「そんなもん、その辺の猫にでも食わせたワ」


 自分でもわかってはいるが、ずばりはっきりそう言われるとやはりキツイ。


「でも気にしてるってんなら間違い。あんたは後悔したくなくて行動しただけなんだもの。見捨てて後悔していたよりは、きっと良かったんだワ」

「でも……!」、

「それでも気にするってんなら、これ以上余計な事はしないことね。大人しく部屋でじっとしてればいいワ」


 口は大分悪いが、これは彼女なりの親切なのだ。

 また後悔したくないなら余計な事はせず、大人しくしていろという。


「……考えておきます」

「そ。よく考えて動きなさい。後悔したって、過去が戻るわけじゃないんだからね(わしゃわしゃ)」

「……はい」

「まったく! 慰めるなんて、あてくしにガラでもないことさせないでチョーダイ!」


 リーフィさんは商隊へ指示を飛ばして荷の確認をする。

 貴族街の店に戻ると言うリーフィさんとはここでお別れになる。


「……じゃ、あてくしは行くわ」

「はい、色々ご迷惑をおかけしました」

「じゃあね」


 リーフィさんの別れの言葉は、実にあっさりとしたものだった。

 しかし、しばらく進んでリーフィさんは足を止める。 


「……落ち着いたらウチの店に顔出しに来なさい。お茶ぐらいは出してあげるワ」

「はい、ぜひお邪魔します」

「あ、でも貴族街にあるから、そん時は人のかっこでね。甘ったれなおちびさん」


 リーフィさんは、とっくにオレの正体に気がついていたらしい。

 去りゆくリーフィさんを見送りながら、オレは自問する。


「ワタシ、間違ったのかな?」


 答えなんてでない。

 そもそも答えなんてないのかもしれない。 

 でも、オレの仲間たちは応えてくれる。


「クロさんのされたことは、ご立派でした。結果はどうあれ、間違っているというのとは違うと思います」

「そうよ! アンタは間違ってない。間違ってるってヤツがいたら、アタシがぶん殴ってやるわ!」

「ん、クロ、胸張る」


 オレは胸が熱くなって、涙で目が滲む。

 もしオレ一人だったら、とっくにくじけていたかもしれない。


「ま、張る胸もないけどね!」

「……エミリー、色々と台無し」

「にゃ、にゃによ!」

「く、クロさんはまだ成長期ですから! 安心してください!」

「それむしろ安心できない! お、ワタシは胸小さいままでいいの!」

「ん、クロ、今がベスト」

「いや、身長はこれからぐんぐん伸びる予定ですよ!?」

「――!(ぐいぐい)」

「いたいっ! 何で無言でオレを上から押さえつけるんですかルーお姉ちゃん! そんなことしたってオレの成長期は止められませんからね!?」


 女子4人(一部中身がオッサン)の姦しい声が、辺りに響く。

 オレは本当に良い仲間に出会えた。

 だからこそ、オレは決意する。

 

「……何とかしたい」


 言葉にすると、こんなにもチープなのに、


「はい!」

「あったりまえよ!」

「ん、当然」


 伝わると、こんなにも力強い。

 そのための(チート)が、オレにはある。

 支えてくれる仲間もいる。

 リーフィさんにああは言われたけど、やっぱりオレは諦められない。


「何とかするぞー!」

「「「おー!」」」


 重なり合う声が消沈していたオレの気持ちを奮い立たせた。

 そうと決まればくよくよなんてしてられない。 

――あんな悲劇をもう二度と起こさせないために。

 正直、門外街の子どもたちをどうするかは悩みました。

 キレイ事と分かっていても子どもたちの命が失われるのは嫌だったので。

 でも、クロを決意させるためにも必要だと思ったので、あえてこうなりました。

 正直、ちょっと鬱です。

 で、今回はこちらで次回更新予定のお知らせです。

 次回は金曜日予定です。よ、よていどうりにいけばだけどね!?

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