黒の系譜02-06『家族』
オレとシャル(カール)、エミリーの三人はサーカスのテントに戻って来た。
怒りの形相で仁王立ちする団長さんの前に三人仲良く正座させられて数秒、
「で? 仕事ほっぽりだして、どこに行ってたんだい!」
ついに団長さんが重たい口を開いた。
オレはエミリーと顔を見合わせる。
≪た・の・ん・だ・よ・し・ん・ゆ・う≫
≪ま・か・せ・な・さ・い≫
互いにアイコンタクトで意思疎通を図る。
エミリーへの根回しはバッチリ、うまい事誤魔化してくれるはずだ。
「正直に言いな! でないと飯抜きだよ!」
「二人で一緒に遊んでたわ! だから全部コイツらのせいよ!」
「裏切るのはやっ!」
親友はあっさり手のひらを返しやがった。
どうやら『正直に言わないと飯抜き』というのが聞いたようだ。
親友<ご飯 とはどういう要件だこら!
「二人で遊んでただって……?」
眉間に青筋を立てた団長さんを前に、オレは蛇に睨まれた蛙のようにピクリとも動けなかった。
シャル(カール)は慣れっこなのか、不貞腐れた表情のまま謝るそぶりも見せない。
それどころか、
「オレが何しようとオレの勝手だろ」
なんて言ってくれちゃうものだから、団長さんの頭からは『ぷっつん』という音が聞こえてきた。
「この! バカカー――」
「ごめんなさい!」
団長さんの怒号が飛ぶ前に、オレは大声で謝る。
「おしごと頼まれてたのに、忘れて遊んじゃっててごめんなさい!」
団長さんは一瞬呆気にとられていたが、すぐにまた怒鳴ろうとする。
「当たり前だよ! お前さんも飯ぬ――」
しかし今度はシャルがそれを遮った。
「……ソイツは遊んでない。オレがソイツをからかって遊んでただけだ」
シャルはぶっきらぼうに言う。
「だからソイツはカンケーない」
(おや?)
コレは言葉はぶっきらぼうだがつまり『オレは悪くない』と庇ってくれているんじゃないだろうか?
あの尖がっていたように見えるシャルが、である。
その場にいた誰もが、その突然の言葉に驚いていた。
あの鬼の団長さんですら、目をまん丸くして驚いている。
「カール、お前……」
「あんだよ! あんか文句あんのかよ!」
シャルの言葉に団長さんは答えない。
代わりに、
「あーっはっはっはっはっは!」
大爆笑が返ってきた。
続けて他の団員さんも声を上げて笑い出す。
なぜここで爆笑したのか、理解できないオレとエミリーはぽかんである。
バカにされたと思ったのかシャルはご機嫌ナナメなご様子だが、さっきまで激オコだった団長さんは愉快そうに笑っ
ている。
なぜなにどうしてほわい?
誰か説明ぷりーず!
「そうかいそうかい! カンケーないか! まったく素直じゃないねぇアンタは!」
「団長も人の事言えないけどネ」
「だね」
「どーかーん!」
「黙っとれ! お前らも飯抜きにするよ!」
団長さんは語気を荒げるが、団員さんたちはどこか楽しそうに笑っている。
さっきまでの緊迫した雰囲気はどこへやら、明るい空気に戻って来た。
「……だけどそうだね。仕事をさぼったのは間違いないね?」
「はい」
「ふん!」
「じゃあしょうがない。責任とって飯はアンタら二人で半分づつだ。それで勘弁してやろう!」
―――――
「これで半分……だと!?」
オレの目の前には山のような野菜炒めがある。
シャルの前にも同じ山が存在しており、たしかに半分づつに見えなくもない。
Q、だとしたら一人前はどうなってしまうのか?
「ふんふふふーん♪ 今日はまた盛りがいいわねー♪」
A、隣に答えがありました。
「エミリー、それ全部食べるの?」
「なによ、分けてあげないわよ!」
「ううん、いい」
誰も取ったりしないから、そんなに警戒しなくてもいいよ。
オレが呆気にとられていると、後ろを通りがかったユン姉さんがこっそり教えてくれた。
「(団長っていつも『飯抜きだー』って叫ぶけど、なんやかんやで食べれるようにしてるんだよネ♪)」
「(え、じゃあ?)」
「(今まで飯抜きにされた団員なんていないのよネ♪)」
なにその高度なツンデレ!?
見れば団長さんはかなり嬉しそうな顔で団員たちの皿に料理を山盛っている。
でもだとすれば、どうしてシャルはこんなに痩せているのだろうか?
オレが首を傾げていると、隣のエミリーが顔をしかめた。
「げっ!」
「どしたの?」
「……ピーナス」
エミリーがフォークに突き刺した緑色の野菜は一見するとナスのような見た目である。
それでいて味は完璧にピーマン、その名もピーナスという。
栄養満点で育ちざかりのお子様にはとても良い野菜なのだが、苦味があるのでやはりこの世界でもお子様からの人気
は悪いのだ。
「クロ、アンタ好きでしょ? あげるわ(ぽぽいのぽい!)」
「あげるって量じゃないでしょ、コレ……」
ピーナスを押し付けられたオレの皿はエミリーの皿の山に勝るとも劣らない。
美味しいのに、ピーナス。
「………………(ぽぽぽぽい!)」
「ってシャルも!?」
「こんな草食えるか」
草、と言いながらシャルが押し付けてくるのは野菜だ。
料理の大部分を占める野菜を全てオレに押し付けてくる。
結局シャルの更に残ったのは少量の肉と主食となる麺だけ。
普段からこんな偏食を続けていれば、あんなに痩せてしまうのも分かる。
子ども達の健全な成長の為にも、ここはオレが一役買わなくては。
「シャル野菜が食べられないんだー。うわーこっどもー!」
「子どもじゃない!」
「こんなにおいしーのにー♪ うまうまー♪」
「うぅーっ!」
オレはひょいぱくひょいぱくと野菜を食べていく。
っていうか普通に美味しいよコレ?
と言う事は、シャルのは完全に食べず嫌いって事か、もったいない。
「うまうまー♪」
「うぅーっ!」
「うまうまー♪」
「オレは子どもじゃない! 返せ! それぐらいオレだって食べれる! …………っ!(ぱくっ!)」
子ども扱いされて悔しかったのだろうシャルは、オレの皿から野菜をごっそり奪っていく。
ふ、計画通り!
「おー! シャル大人だー!」
「あっはひまえは(もぐもぐ)」
「どう? 意外と美味しいでしょ?」
「ふん……食えなくもない」
すごい勢いで食べているシャル。
正直に美味しいって言えばいいのにまったく。
しかしまぁ、一度食べてしまえばあとは簡単だった。
この野菜炒め、野菜嫌いの人でも食べれるように味や形がかなり工夫されている。
作り手の愛が感じられる料理だな、うん。
「ぶえっくしょい! うー、誰かアタシの噂でもしてんのかね?」
「だんちょー! くしゃみしてもいいすけど、料理にはかけないでくださいよ!」
「うるさいよ! 黙って食いぶぁっくしょい!」
もりもりと野菜を食べるシャルは、ピーナスを食べる時だけ少し躊躇いを見せていた。
エミリーがあんな顔していたせいだぞ、というオレの視線など見もせず、エミリーは料理を食べ……既に半分、だと
!?
オレは見なかったことにして、シャルをもう一度見る。
「……!」
「(あ、食べた!)」
食べてしまえば、後は早かった。
シャルもあっという間にお皿の料理を平らげる。
「ふん! まずい飯だ! まぁ食えなくはないけどな!」
「なんだい! 文句があるなら……って、全部食ったのかい? いつも残すお前さんが?」
団長さんは驚いたような、嬉しいような、そんな表情をしている。
「あんだ? 何か文句あるのか!」
「……あるね! 人の料理を不味いなんて抜かす奴には罰として追加だよ!」
「ふん! こんなまずい飯他のヤツに食わしたらカワイソウだからな。しょうがないから食ってやるよ」
「そーかいそーかい♪ ならたんと食いな!」
まずいまずい言いながらも、しっかりと味わって食べているシャル。
周りの団員さんの人たちもそれを暖かく見守っている。
なんていうか、ほっぺたを膨らまして一生懸命食べているシャルを見ていると、ちょっと和む。
「クロの口車なんかに簡単に乗っちゃって……子どもねー」
そんな事を言うピーナス嫌いのお子様にオレは忠告する。
「エミリー。ピーナスちゃんと食べないと…………」
「べ、別にアタシは食べれなくても大人よ?」
「食べないと、スライムになるよ?」
「…………クロ、ピーナス食べないんならアタシが食べてあげるわ。あーおいしー。ピーナスおいしー!」
エミリーは涙を流しながら美味しそうにピーナスを食べ始めた。
ホントちょろい女である。
―――――
夕食後、あの鬼の団長さんが食器の片付けをしていると言うので、手伝おうとやって来たのだが、
「ふんふふんふふーん♪」
鼻歌交じりに食器を片づける団長さんを前にオレはどうしたもんかと佇んでいた。
普段とまったく様子の違う団長さんに困惑、もとい恐々としている。
(こ、これ見て大丈夫だったんだろうか? 後で口封じとかされない? されないよね?)
その場で立ち尽くすオレに、気付いた団長さんは咳払いを一つすると、何事もなかったかのようにオレを睨む。
「えっと……」
「ふ、ふん! なんだいそんな所に突っ立って! 何か用かい!?」
「いえ、あのお手伝いしようかと思って……」
「だったらさっさと声をかけな全く! ふ、ふん! ……ところでアンタ、何か聞いたかい?」
「ととっととんでもございません 何も聞いてません!」
「まぁ聞いてないならいいけどね。ほら手伝うんだろう!? さっさとこっち来な!」
「いえっさー!」
オレは団長さんの隣へ立つ。
何をしたもんかと困っていると、団長さんが洗った食器を渡してくれるので、それを受け取って拭いていく。
「……………」
「……………」
黙々と作業しているのは若干、いやかなり気まずい。
何か話題はないかとオレがあうあうしていると、団長さんから話を振ってくれた。
「飯はうまかったかい?」
「あ、はい! 美味しかったです!」
「そーかい。そいつぁよかった」
「……………」
「……………」
再び訪れる沈黙。
いけない、何とか話を繋げなくては。
「しゃ、シャルもあんな事いってましたけど、美味しそうに食べてました!」
「そうだね」
「……………」
「……………」
三度の沈黙。
うぅ……心が折れそうです。
「初めてなんだよ」
「は、はい! 初めてなんですね! って何がですか?」
「あのカールがあんなに飯を食ったのさ」
「あぁ……」
「あいつがここに来てもう2年くらいかねぇ。あんなに飯を食ったのも、あんなに楽しそうにしているのも、初めてなん
だ」
奥の方でエミリーと取っ組み合いのケンカをしているシャル。
だがその表情はここへ来たときのスレた感じではなく、許した相手に見せるような表情だった。
その様子を団長さんも目尻を細めて見ている。
その顔はとても優しかった。
「じゃあ、やっぱりシャルは?」
「……アイツは実の親に売られたのさ。あのクソッタレの馬鹿親は『迎えに来る』なんて調子の良いこと言ってたけど
、どうだかね。この2年間全く音沙汰無しさ」
「そう、ですか」
「だって言うのに、アイツは今でも信じてるんだ。いつか必ず親が迎えに来てくれるってね。あのボロきれみたいな服
だってそうさ。親がくれた大事な服だって、着替えようともしない。サーカスの演技だってすぐに必要なくなるって練
習しようともしない。ホントバカな子だよ全く」
いや、ひょっとしたらシャルも気づいているのかもしれない。
だがそれを認めたくないが故に、頑なまでにサーカスの人たちを拒んでいるとしたら?
あんなに他の団員さんたちも気にかけてくれているのに、それは少し寂しいなと思ってしまう。
「あんがとうね」
「ふぁっ!?」
団長さんからの突然の感謝にオレは驚いてしまう。
「なんだい、人が礼を言ってるのにアホ面しくさって」
「す、すみません。心当たりがなかったもので」
「チケット、あの子が取ってたんだろ?」
「お、お気づきで……」
「わっかったさ。と言っても、アンタらにチケットがないって言われてから気が付いたんだけどね」
「え? じゃあ」
じゃあ、どうしてオレたちをただ働ら……お手伝いさせようとしたのか?
やはり団員が客のチケットを奪ったとなれば体裁が悪いから?
いや、この団長さんはそんな打算的な事を考えるような人じゃない。
「あの子の話し相手になってくれればと思ったのさ。あの子くらいの年の子はうちにはいなかったからね」
「シャルのため、だったんですか」
言われてみれば、若い大人の人でも調教師のお姉さん(20代くらいかな?)でシャルよりもぜんぜん大人だ。
あの双子ちゃんも多分5~6歳くらいだし、シャルに比べれば子どもすぎる。
「あんたらが来れば少しは違うかとは思ったが……やれやれ、少し自分たちが情けなくなってくるよ」
珍しくそんな殊勝な事を言う団長さん。
ホントにシャルの事を大事に思っているんだな、と思う。
いつもはあんな態度を取っているくせに。
「でも、本当にそうでしょうか?」
確かにオレたちが同年代だから、話しやすかったのはあると思う。
でも、シャルが料理を食べたのはそれが美味しかったからだろう。
今シャルが笑っているのは、周りの人たちがいつもシャルを気にかけてくれていたからだろう。
オレたちがきっかけになったのはあるかもしれない。
でも全部が全部オレたちがやって来たから、と言うだけではないはずだ。
「弱音を吐くなんて団長さんらしくありませんよ。この怪物の狂宴は最高の家族
です。自信を持ってください」
「ふ、ふん! 褒めたって何もでやしないよ! まったく/////」
団長さんは片手で目元を隠しながらいつものように声を張りあげる。
ただし、その口元が完全にニヤケている。
オレは空気の読める男なので見なかったことにしてあげた。
『たのもー!』
そんなほっこりとした空気を破ったのは、テントの外から聞こえてきた声である。
こんな夜更けにいったい誰が、とみんなで外へ赴くと、そこには松明を掲げたメイジン村の方々がいた。
とても『サーカスを見に来た』なんていう和やかな表情をしていない。
波乱の予感しかしない。
「なんだいこんな夜更けに。せっかく来てくれて悪いんだが、今日の公演は無しだよ。客が集まらないんでね」
団長さんが皮肉たっぷりに言うと、先頭に立っていた村長さんは少し後ずさりしたが、負けじと声を張って言う。
「そんな物に興味はない。それより昨夜からクローディア様とお連れの少女が行方不明になっておる。ここに似た少女
たちがいると聞いてきたのだが心当たりはないか!」
…………あ。
「はい、います」
オレは手を挙げておとなしく出頭した。
そういえば昨夜はサーカスを見に来てそのまま泊まることになったし、村長さんや宿の方にここでお世話になること
を言うのも忘れていた。
一応オレたちはミラの連れで客人扱いされていたし、帰って来なかったらそりゃ心配もするわな。
「おぉ、クローディア様、ご無事で。この者たちに変なことをされませんでしたか?」
「いえ、むしろとても良くしてもらいました」
村長さんたちのサーカスへ対する視線がより一層険しいものになる。
いけない、これは絶対に何か誤解をしている。
「このようないたいけな少女を連れ去って……いったい何が目的じゃ!」
「いえ違います! ワタシたちはただサーカスを見に行って……!」
「何と! サーカスというのは客をさらうのですかな!?」
「怪物の狂宴というのはやはりそういう意味か!」
「人でなしどもめ!」
村の人たちからいわれのない罵声が飛ぶ。
「じゃなくて! オレたちがチケットをなくしちゃって……」
「そうよ! その代わりに体で払うことになっただけよね?」
「か、体で払うですと!?」
「ふ、不潔だ!」
「エミリーちょっと黙ってて!」
せっかくオレが説得しようとしていたのに、エミリーが紛らわしい事をいうから話がどんどんややこしいことに……
!
村の人たちからの罵声はエスカレートし、口に出すのも憚られるような言葉も飛び出す。
団長さんも後ろ暗い事があったせいか、最初は黙って聞いていたようだが……
(ぴきぴき!)
徐々にこめかみに皺が寄っていく。
腕や足も震えだした。あ、そろそろ我慢の限界っぽい。
団長さんが目をカッと、見開き叫ぼうと息を吸い込む。
「こ――」
「まぁまぁ、皆様落ち着いてください」
「――のあ……?」
しかし団長さんの怒りが噴火することはなかった。
村長さんたちの罵声を押さえ、前へ出てきた人が居たからだ。
「どうやら我々はお互いの事を誤解している様だ。ここは一度落ち着いて話し合おうじゃないですか。会話というのは
、我々が女神に与えられた最高の手段なのですからな」
やや薄い頭頂部に小太り、柔和そうな顔をしていながら、やけにねとつくような視線を浮かべる男だ。
ミルトさんが着ていたようなローブを羽織っていることから、教会関係者であることは何となくわかった。
彼が例の丘の上の教会の神官なんだろうか。
「おぉ、これはロリエル殿。もう戻られたのですかな?」
「はい村長。このロリエル、彼の地での奇跡を皇都まで伝え、聖女様をお連れするよう教皇様より直々に命を拝してま
いりました」
ろりえる? はて、どこかで聞いたことがあるような名前だなー?
「とはいえ私ももう歳でしょうな。連日の旅で疲れた体を休めようと戻ってきてみれば、何やら騒ぎになっているでは
ありませんか」
「いやはやお騒がせしてしまったようで」
んー? 誰だっけなー?
ろりえる……ろりえる…………?
「ところでこちらの可愛らしいお嬢さんたちはどなたで?」
「あぁ、こちらはミラ様……領主様のご息女のご友人です」
「ほぉ、それはそれは。道理で可憐で聡明そうなお嬢さんたちだと思いましたぞ。ぐふふふ」
そうだ! ロリエルってあの……!
「領主様のお知り合いとなれば私もただではおけませんな。近いうちにお食事にでも招待いたしましょう。ぐふふふふ
」
この嫌らしい笑みを浮かべる男は例の、神音派とかいう過激な宗派の神官じゃないか!
オレは冷や汗が止まらなかった。
「この場はロリエル様に免じて引き下がろう。だがまた同じことをすれば……!」
「ふん! 勝手に言ってな!」
奇しくもロリエルの登場で村の人たちとサーカスとの間にあった一触即発ムードは治まった。
しかし両者の関係には大きな亀裂が入ってしまったようだった。
宿へ戻る道すがら必死で弁解を試みたオレだったが、誰も聞く耳持たず。
最悪である。
「(ロリエルにサーカスに村にシャルに……あぁもう! 問題が山積みすぎる!)」
「ぐがががががが……!」
いびきをたてて爆睡しているエミリーをよそにオレはベッドの中で一人頭を抱えていた。
オレ一人でどうにかどうにか出来るレベルじゃなくなってきてないか!?
「ミラぁ、早く帰って来てー!」
「むにゃむにゃ……うっさいわよークロ……ぐがー」
ちょっとイラっとしたので、眠くなるまでエミリーの耳元で『すらいむすらいむ……』と言い続けてやった。
当然エミリーは悪夢にうなされました。




