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黒の系譜  作者: 木根樹
黒の系譜―第一章〝黒の目覚め〟
12/104

黒の系譜01-11『戦技を使ってみよう〝とりあえずぶっぱしてみた〟』

今回は技スキル(戦技)を使ってみています。

ちょっと説明? ちっくな部分もあるかもです。

※1/22 誤字脱字を修正し、文章を少し更正しました。

 町から帰ってくるともう日が暮れ始めたので、そのまま早めの夕食となった。

 夕食後、お風呂の時間までまだ少しあると言うことで、ラムダさんにお付き合いいただき、〝あること〟を試させて貰うことにした。


「いいですかな? くれぐれもご無理はなさらないようお願いいたします」

「はい、ご心配ありがとうございます」


 オレは笑顔でラムダさんから銅剣を受け取った。

 

「行きます。危ないので少し離れていてください」


 オレはけして軽くない銅剣を軽々と構えると、ラムダさんが距離を取るのを待つ。

 ミラたちの前までラムダさんが到達したのを確認して、彼に目配せをする。

 ラムダさんは剣を構え頷いた。

 どうやら何かあった時ミラたちを守ってほしいというオレの考えを分かってくれているらしい。

 後ろは出来る執事さんにお任せし、オレは的へ向き直り唱える。


「[ダブルスラッシュ]!」


 唱えた瞬間、体が熱くなり、自然に動き出す。

 剣を振りかぶってからの振り降ろし、そして返す刀で切り上げる。

 たったそれだけの動作ではあるが、到底少女の細腕では放てないほど恐ろしく早いスピードで的を切り裂く。

 発動後の硬直が解け、静かに息を吐きながら剣を降ろすと的には〝レ〟のような傷が付いていた。


「……っはぁ、できた」

「お見事」

「クロ様お素敵ですわ!」


 観客席からミラの黄色い声援が聞こえてきた。

 だがオレは振り返ることなく、目の前の的を睨みつけて叫ぶ。


「[ワイルドラッシュ]!」


 先ほどと同じように瞬時に体が反応、目に見えない力のアシストによって自然と動く。

 今度は踏み込んでからの連撃、速度はそれほどないが、一撃ごとに的を大きく削っていく。

 3撃目が当たったところで体にかかっていたアシストが消え、一瞬体が硬直する。

 でもまだ終わらない!


「って、[天昇七連斬]!」


 唱え終わるとすぐにまた体に目に見えない力が働く。

 今度は目にも留まらぬ剣撃で一瞬のうちに的を5度切りつける。

 更に剣を大きく振り上げて的を空中へ打ち上げ、同時にオレ自身も飛び上がる。

 空中の的を一撃、地面へと叩きつける。

 つ、次で最後だ!


「[からtっ……!?」


 [天昇七連斬]のアシストが解けた瞬間、身体中に激痛が走って動けなくなる。

 本当ならここで地上の的へ[唐竹割り]を決めてかっこよくフィニッシュ、となるはずだったのだが……


「むっ! いけません!」


 体の自由が聞かず、空中でバランスを崩したオレは為す術もなく地面へと落下する。

 遠くでミラやチェスターさんの叫び声が聞こえた。

 覚悟を決めて目を瞑ったオレだったが、いつまでたっても衝撃は来ない。

 どうやら地面に衝突する寸前にラムダさんが受け止めてくれたようだ。

 目を開けると目の前にラムダさんの心配そうな顔がある。


「この、体勢は……」


 うん、そうだね。

 やっぱりお姫様だっこだね。


「お怪我はありませんかな?」

「けが、は、ない……です」


 でも体中痛いし、情けないし、恥ずかしいし、すごく泣きたかった。

 きっとお姫様でもこんなに毎日お姫様だっこされないんじゃ無かろうか。

 そんなことをぼんやり考えていた。



―――――



「もう! 始める前にじいから無理なさらないよう言われていたではありませんか!」

「ハハハ……まったくもってその通りです」


 お風呂の準備が出来たとのことでお風呂場へやって来たのだが、湯船につかっていると何故かミラが突入してきた。

 紳士としてはまだ年端もいかぬレディの体に欲情したりはしないのだが、ここは紳士としてあえて見ないようにしている。

 だからオレはずっと目をつぶったまま、後ろを振り返らぬようミラと会話していた。

 だが何も見えないせいで背中にさきほどからあたる柔らかい感触が一層……いかんいかん。

 考えてはダメだ。

 無心になれー無心になるんだー。


「あのーミラさん? もう少し離れてはいかがでせうか?」

「イヤです。だって離したらクロ様また無茶するかもしれないじゃないですか!」

「いや、さすがにお風呂ではあまり無茶なことは……いえ、なんでもないですごめんなさい」


 さすがのオレもご機嫌斜めな女の子にはたじたじである。

 中身男なオレ的にはむしろこの状態の方が無茶苦茶危険だったりするのだが……

 今の彼女には何を言っても無駄そうなので、甘んじてこの状態を受け入れることにした。

 けして背中に当たる感触が心地良いからではない。けして、ない。

 何度も言うがオレは紳士なのだ。


「それにしても、まさかクロ様があれほどの剣の達人だったとは……ラムダも驚いていましたわ」

「達人とかそう言うのではないんだけど。えっと、なんていうか体が覚えていた、っていう感じ?」


 先ほどの実験(特訓?)で幾つか分かった事がある。

 まず第一に、ティー様が言っていたようにオレが生み出した戦技(アーツ)|(技スキルの事)も魔術同様使えるということだ。

 簡単な部類の[ダブルスラッシュ][ワイルドラッシュ]から剣系アーツの最高位[天昇七連斬]まで、スキルレベルとか熟練度とかそういう概念が無く使えるみたいだ。

 そしてそれらのアーツならスキルワードを唱えるだけで発動できるし、どれだけ無理な動きでも問題なく発動できるアシストが入る。

 ただし、それによって発生する体への負荷は別物で、オレの体がどれだけ強化されていたとしても急な動きには耐えられない。

 つまり反動が大きいということだ。

 さきほどオレが動けなくなったのは、まぁ情けない話ただの筋肉痛である。

 まさか筋肉痛で動けなくなる日がこようとは思ってもいなかった。

 無理矢理[ヒール・リング]を自身にかけることで動けるまでには回復したが、そもそも魔術が唱えられる状態まで自然回復するのにしばらく時間がかかった。

 おそらく武器の扱いに慣れたり(スキルレベルを上げる的な?)、身体を鍛えたりすればそういう事も無いのだろうが……

 しばらくは強力な戦技(アーツ)の使用は控えた方がよさそうだ。


「ということはクロ様は記憶を失う前はやはり相当な使い手だったということですわね」

「……筋肉痛になる所を見るとそうとう運動不足だったみたいだけどね」

「き、きっと魔術師として後衛に立つことが多かったのですわ!」


 ミラが必死にフォローしてくれるのでなんというか、非常にくすぐったい気分だ。

 というか気分だけでなく、実際さっきから耳元にミラの息が当たって、物理的にくすぐったい。

 それに少しぼーっとしてきたし、いかんこのままではのぼせてしまう。

 出来ればそろそろ上がりたいのだけど……


「あのー、ミラさん? そろそろ、はなしていただけないでしょうか? なんか段々のぼせて……」

「まだダメです。あと100数えるまでははなしません」

「いや、もう反省してるし、ほんとにのぼせそ……」

「ダメです!」


 何を言っても聞き入れてくれないミラ。

 やっぱりさっきのは無茶しすぎたな、反省。

 しょうがないから、ここは素直に聞き入れる事にしよう。

 別に背中の感触が名残惜しいわけではない。

 けして、断じて、ない。

 もう一度言うがオレはし――(以下略)


「いーち、にーい……」

 

 数を数え始めたオレだったが、途中何度かミラからの妨害? があって100を数えきる頃にはすっかり茹で蛸状態だった。

 完全に手玉に取られている。

 今後ミラを怒らせるのは絶対止めよう。

 オレの体が持たない。

 そう心に誓ったオレは、ベッドに倒れ込むように眠りについた。

ここまでの主人公の性能

・魔力―ほぼ無制限

・魔術―自分が作った魔術は全て利用可能(ただし攻撃魔術はファイア・ボールしか制御できない)

・戦技―自分が作った魔術は全て利用可能(ただし高難易度のものは使用後筋肉痛で動けなくなる)

……あれ、チート? げふんげふん、き、きっとこれからですよ!

次回更新は火、水くらいを予定? よ、予定は未定だからッ……(小声)

ご、ご意見ご感想、質問誤字脱字報告評価などなど、ございましたらお気軽にお願いいたします!

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