表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/35

最終話 I LOVE YOU




あの日から一年と約二ヶ月が過ぎていた。


外は雪がちらつき朝から入れ代わり立ち代わり『うみねこ』へ入って来る者はみんな背中を丸くして寒さに身を縮めていた。


「ホワイトクリスマスじゃね?すげえな!ほんっとこんな日にロマンチックだね~(笑)」

「そりゃーな!あの翔が理奈と結婚するんだから雪ぐらい降るだろー?へへへ♪」


要と仁が窓の外をちらつく雪を眺めながらこれから始まる結婚式の準備に忙しく手を動かしていた。


「まさか理奈に赤ん坊が出来るなんてな!医者もすげえ驚いてたらしいじゃねえか?!」

「そうらしいぜ!9割は子供は望めねえって言われてたらしいからな!」


蓮司と裕章も忙しく手を動かしながら赤ん坊を抱いて幸せそうに微笑み合う理奈と翔を嬉しそうに眺めて笑った。


「しかも・・・自分の赤ん坊と一日違いで娘の赤ん坊が生まれたなんてよ!なんか翔らしいよな?」

「こりゃーきっと真李亜もあの世でびっくりしてんだろうな?それとも・・・真李亜が仕組んだことだったりするんじゃね?へへへ♪」


裕章は蓮司と顔を見合わせてから目の前でぎこちない様子で赤ん坊を抱いている大輝を指さして笑っていた。


奇跡が起こったかの様に同じ夜に愛する相手と結ばれた理奈と玲於奈のお腹の中に新しい命が芽生えそして二人は元気な女の子を一日違いで無事に出産してその腕に抱いていた。


つわりというつわりが無かった理奈がお腹に赤ん坊がいることに気付いたのはすっかり安定期に入った妊娠六ヶ月を過ぎた頃だった。


先に妊娠したことに気付きつわりも重かった玲於奈に付き添って病院へ通っている途中で何気ない玲於奈との会話からもしやと検査を受けてみたら妊娠していたのだ。


そこで慌てふためいたのは翔だった。


もう子供は望めないと言われていた理奈のお腹に自分の子がいることを知ると翔は嬉しくて理奈をしばらく抱きしめ声を殺して泣いていた。

そして翌日には理奈の両親の元へ挨拶に行き理奈との結婚の許しを得ていた。


「なんだか不思議だよね~(笑)理奈さんにまで赤ちゃんが出来ちゃうなんて!フフフ♪」

「この私が一番驚いてるのよ!だってもう子供は産めないって言われていたんだから・・・」


理奈と玲於奈は顔を見合わせて微笑み合うと立ち上がって迎えに来たそれぞれのパートナーの手を取り神父の立っている祭壇に向かって歩き始めた。


そして誓いの言葉を終えて大輝と玲於奈はお互いの目を合わせて優しく微笑み合うと唇を重ねて誓いのキスをして抱き合っていた。


「愛してるぜ・・・玲於奈・・・」

「うん!私も愛してる・・・愛してるよ・・・大輝・・・」


たくさんの仲間に祝福されて幸せな気持ちを胸一杯に抱いてこの日玲於奈は大輝と夫婦になった。




その後、無事に結婚式を済ませた翔と理奈は理奈の住むマンションで暮らすことになり大輝と玲於奈はそのままシェアハウスで幸せな新婚生活を過ごしている。


                                    【完】





最後までお付き合い下さりありがとうございましたm(__)m♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ