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第三十二話 真李亜からの手紙 その二



玲於奈は大輝に肩を抱かれたままで手にしていた封筒を開けて手紙を広げて見せて声を出して読み始めた。


「玲於奈へ・・・この手紙をあなたが開けて目にしている頃はきっとママはあなたの側に居てあげることが出来なくなっていることでしょう・・・それでも・・・あなたのことだからきっと後ろ向きでは無く強く前をしっかり向いて歩いてくれていることとママは信じています。玲於奈は小さい頃からどこかいつも凛としていて強い子だったからママの方があなたに支えられてこれまで頑張って生きて来れたんだと思います。これから不安でいっぱいかもしれないけれど大丈夫よ!ママが死んでもあなたは一人ぼっちじゃないのよ・・・あなたの後見人をお願いした翔があなたの本当の血の繋がったパパです。きっと翔があなたの力になってくれるはずです。そして翔に会ったらきっと玲於奈にはわかるはずだよ!翔が本当のパパだと言う事がね。ごめんね・・・ごめんね・・・玲於奈・・・成人したあなたの姿を見届けること無く逝ってしまうダメなママを許して下さい。あなたが素敵な人に出会って素敵な恋愛をして幸せになれるように・・・いつもママは天国から祈っています。また・・・またいつか会える日まで少しの間さよならだね・・・愛してるよ・・・可愛いママの大切な玲於奈・・・ママより」


手紙を読み終わった玲於奈は大輝の胸に抱かれたまましばらく肩を震わせて声を上げて泣いていた。

大輝も玲於奈を抱きしめながら熱く胸に込み上げてくるものを堪えていた。


大輝はそのまま玲於奈を抱えてベッドに横になって黙って玲於奈が落ち着くのを待った。


そして大輝が玲於奈の体温があまりにも心地良くて少しウトウトし始めた頃にようやく涙と鼻水でグショグショになった顔をやっと上げて玲於奈が大輝の顔を見てへへへと笑って見せた。


大輝はそんな玲於奈が愛しくて堪らなくなりギュッと強く抱きしめて耳元で愛してると囁いていた。


「私も・・・私も愛してるよ・・・大輝のこと・・・愛してる・・・だからずっと側に居て・・・」

「ああ!俺がずっと・・・ずっとお前のこと守ってやる!俺が幸せにしてやる!一人になんてしない!」


大輝は優しく玲於奈の髪を掻きあげて頭を撫でるとそっと顔を近付けて玲於奈の唇に自分の唇を重ねていた。

そして玲於奈も大輝に応じるように背中に回した腕に力を入れて強く大輝のことを抱きしめていた。

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