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第二十四話 絆 その二





「おやおや!誰かと思ったら大輝じゃないか!」


大輝を見て嬉しそうにナツは笑って大輝に抱きついていた。


「あらま!!こりゃまた綺麗な彼女を捕まえたんだねー!お前ももうそんな年頃なんだねーフフフ♪」

「ああー!玲於奈っていうんだ。俺が世話になってる人の娘さんなんだ。婆ちゃんに会わせたくて連れて来たんだ!それと土産も忘れてないぜ!!へへへ♪」


クスクスと笑っていたナツは大輝から土産の水羊羹を受け取ると玲於奈の方を見て手招きして家の中に入るよう誘っていた。


「こんにちは・・・突然おじゃましてごめんなさい。」

「謝ることはないよ!さぁさぁ!気にしないで中へお入り!すぐにお茶を入れるからね~(笑)」


深々と頭を下げて挨拶している玲於奈の手をナツは優しく掴んで大きな座卓のある和室に案内して二人を座らせた。


「なっ!気にすんなって言っただろ?いつも婆ちゃんはあんな感じなんだ!(笑)」

「そうね・・・すごく優しい手・・・おばあちゃんって良いね。大輝が羨ましい~」


握られていた手を見つめながら玲於奈は嬉しそうに大輝を見て笑っていた。


「お前が俺の嫁さんになったら婆ちゃんはお前の婆ちゃんになるんだぜ!へへへ♪」

「やだっ!大輝ったら~(笑)でも本当にそうなれたら良いなぁ~♪フフフ♪」


大輝と玲於奈のママゴトのような会話を聞きながらナツはクスクスと笑うと温かい緑茶とお茶菓子の栗まんじゅうを二人の前に並べて置いた。


「若いってのは良いね~(笑)婆ちゃんもあんたら見てると少し若返れそうだわ~フフフ♪」

「冗談で言ってんじゃないぜ!俺はいつでも本気なんだぜ!絶対に婆ちゃんには曾孫見せてやるからな!玲於奈と俺の子だったらめっちゃ可愛いぜ!楽しみにしとけよな!」


ナツに笑われて大輝が真剣な顔をして玲於奈の方をチラッと見てから大胆な事を宣言していた。


「ちょ・・・大輝?!曾孫って!!やだっ!恥ずかしいからやめてよー(怒)」

「俺はマジだぜ!!来年の4月で俺は18になるからな!親の許しさえ貰えたら結婚出来るんだ。そしたら俺らは家族だ!子供いっぱい作って大家族ってのも悪く無いだろ?へへへ♪」


先走る大輝に玲於奈があたふたしているとナツが大輝の頭を丸めた新聞紙で叩いていた。


「お前一人で先走っても仕方がないだろ?!玲於奈ちゃんの気持ちもちゃんと考えながら急がずに育んでいくんだよ!!このバカタレが!!あたしゃまだまだくたばる気は無いからね!あせらんでええよ!」

「痛いじゃねえか!!ババァ―!!わかってるよ!今のはちょい俺が先走っちまった(苦笑)」


ナツに一喝されて大輝は叩かれた頭を撫でながら玲於奈とナツに詫びていた。


その後は男はじっとしとけと大輝を放ったらかしてナツは玲於奈と夕飯の支度をしたり洗濯物を取り入れたり本当の孫と祖母のように楽しいひと時を過ごした。


スッカリ遅くまでナツと楽しく過ごした二人はまた近い内に会いに来ると約束してナツに見送られて帰路についた。


そして玲於奈は自分の部屋へ戻る前に大輝に抱きついてそっと耳元で囁いていた。


「大家族も悪くないかもね・・・フフフ♪」



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