表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/35

第二十二話 真実 その四





玲於奈は翔が理奈の名前を口にした途端に胸が少し締め付けられるような気持ちになっていた。


「理奈は俺らのチームと対立していた『白虎』のマスコットでその従兄弟があの野郎であの野郎は理奈に頼まれて真李亜に近付いて俺と理奈が出来てるって真李亜に吹き込んで傷ついた真李亜の弱みに付け込んであの野郎は真李亜を自分のものにしちまいやがった。やけになった俺は理奈と本当に出来ちまってしかも妊娠までさせちまって・・・だがなその赤ん坊は生まれなかった。理奈が『黒龍』と『白虎』の乱闘に巻き込まれて流産しちまったんだ。」

「・・・・・辛かったらやめても良いよ!だいたいの事はわかったからさ・・・無理しなくて良いよ!」


握りしめた拳を震わせて話している翔を見て玲於奈はたまらなくなって翔に抱きついて叫んでいた。


「ああ・・・大丈夫だ。理奈は流産してあまりにも状態が悪くて二度と子供が産めない身体になっちまったんだ。俺は責任を感じて結婚するって理奈に言ったんだけどな・・・あいつは月に何度か付き合ってくれるだけでいいって言いやがった。俺の中には真李亜がいるから辛いって言われちまったわ・・・(苦笑)」

「あああ!それが理奈さんとの約束なのね?そうだったんだ・・・」


玲於奈が話を聞いて納得していると翔も頷いてまた話を続けた。


「そんなこともあって真李亜はあの野郎と結婚してこの街を出るって事になってな!前の日の夜に真李亜が俺に会いに来て一度だけで良いから抱いてくれって泣きながら言われてな・・・真李亜とはその夜が最初で最後だった。それから一年後にお前が生まれたって聞いて俺はもしかしたらお前は俺の子なんじゃねえか?ってずっと思ってた。あの野郎が真李亜とお前を捨てたって聞いた時はすぐに真李亜に帰って来いって言ったぜ!」

「あの・・・バーベキューした時?」


玲於奈がまさか憶えていないだろうと思っていたことを口にしたので翔は目を丸くして驚いていた。


「お前・・・憶えてたのか?!そうだ!あの時だ!真李亜は帰って来るって約束して帰ったはずだった!だがな・・・あの時から全くこの街へは帰って来なくなった。原因は・・・理奈だった。」

「知ってる・・・駅のホームでママが理奈さんに頬を平手打ちされてたのを思い出したから・・・」


翔は肩を震わせている玲於奈を抱き寄せて強く両手で抱きしめていた。


「お前は絶対に俺の娘に決まってる。」

「うん・・・・そうだよね・・・」


その後しばらく二人は車を降りて砂浜を歩きながら真李亜の話をして過ごしてからシェアハウスへ戻った。


そして一週間後に連絡があって翔と玲於奈が父子であることが証明された。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ