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第十六話 要と蓮司




大輝と玲於奈はもしも翔が理奈と結婚するようなことになったらシェアハウスを出て二人で暮らそうと誓いのキスをした。確かに翔が住む部屋に理奈が越して来ることにでもなると玲於奈は一緒には居られないだろうと大輝も心配だったからだ。玲於奈のことだからここで誓いを立てておけば黙っていなくなるなんて野暮なことはしないだろうと大輝は考えてもいた。


二人はしばらく海岸で一緒に過ごした後、シェアハウスへ帰りシャワーをお互いの部屋で浴びてから今度は大輝のバイクで要の居酒屋へ向かった。


大輝が少し翔の事で聞きたいことがあると連絡を入れたら要は快く会って話を聞いてくれることになりついでに夕飯を食べさせてやるから玲於奈も一緒に連れて来いと言われたので玲於奈には夕飯を食いに行こうとだけ伝えてシェアハウスを出た。


店に着いて中へ入ると座敷の部屋へ案内されてそこで要と蓮司が二人を待っていた。


「すんません!蓮司さんまで待たせてしまって・・・あ!コイツ玲於奈です!翔さんが親代わりみたいになってる真李亜さんの娘さんです。」

「気にすんな!俺が勝手に要の話を聞いて待ってたんだ!玲於奈・・・おっきくなったな!俺のこと憶えてるか?まだ小さかったから憶えてねえだろうなぁー(苦笑)」


蓮司までいた事に少し大輝は驚いてペコペコ頭を下げて挨拶をしてから玲於奈を紹介して席につくと蓮司は声を上げて笑って玲於奈に自分を憶えているかと聞いていた。


「バーベキューの時に肩車してくれた人?」

「ああ!そうだ!よく憶えていたな!そうだ!よく肩車してやったらお前はそのまんまでシャボン玉してたんだよな!」

玲於奈に問われて蓮司は嬉しそうに笑って頷いて懐かしそうにその時のことを話していた。


「それで?翔がどうした?なんかあったのか?」

「理奈さんとこに昨夜泊まって今日一日出かけたまんまなんで結婚でもすんのかなって?余計なことだとはわかってるんですけどちょっと気になったもんで・・・すんません!」


大輝の話を聞いて要と蓮司は顔を見合わせて少し溜め息を吐いてから要が話し出した。


「結婚はあの二人に関しては絶対に無いとだけ教えておいてやる!理由は今は話してやれねえ!そのうちに翔が玲於奈に話す時が来たら話すだろうから放っておいてやってくれよな!」

「私に?翔さんが?本当ですか?」


話を聞いて戸惑う玲於奈に二人は頷いてこの話はこれで終いだと言って笑っていた。


「それよりてめえ!大輝!!さっさと玲於奈にちょっかい出しやがったな?良いか?いい加減なことしやがったら命は無いぜ!よおく肝に銘じとけよ!」

「あ、は、はい!!マジっすから!絶対に玲於奈のこと泣かせたりしません!誓います!!」


蓮司と要の二人から詰め寄られて大輝は潔くその場に土下座して覚悟を語っていた。


「そんなの大袈裟だよ!(苦笑)」

「大袈裟なんかじゃねえぞ!それくらい俺らは真李亜の事を大切に思っていたんだ。もちろん翔もな!だから娘の玲於奈は俺らにとっては掛け替えの無い存在なんだ。」


玲於奈が慌てて大袈裟だと言うと二人はその言葉をすぐに否定してとても優しい瞳で二人は玲於奈を見つめていた。






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