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第十一話 ファーストキス



大輝と一緒にシェアハウスに帰った玲於奈は一度は4階の自分の住む部屋へ戻ったのだが翔のいない部屋はとても静かでその静かな空間の中に一人で居ることが同仕様もなく玲於奈は嫌になってしまって階段を降りて大輝の部屋のドアをノックしていた。


まさか玲於奈が自分の部屋へ戻って来ると思いもしなかった大輝は上半身裸のままでドアを開けて目の前の玲於奈に驚いて声を上げていた。


「ちょっ!!お前!!どうしたんだよ?!ちょ!ちょっと待ってろ!服着るからな!」

「あ・・・・ごめんなさい!」


大輝の姿を見て慌ててドアの向こうで玲於奈は後ろを向いて大輝の言葉に首を縦に振って頷いていた。


慌ててベッドの上にあった部屋着を着た大輝は後ろを向いて待っている玲於奈の肩を叩いて自分のほうに向かせて事情を聞いていた。


「どうした?なんかあったのか?」

「ひ・・・一人は嫌なの・・・翔さんがいないとすごく部屋が静かで・・・あんなの久しぶりで一人で居たくなくて・・・」

どうして大輝の部屋に来たのか理由を話している玲於奈の瞳には薄っすらと涙が浮かんでいた。


「ああ・・・翔さんな・・・野暮用って言ってたからありゃー帰りは朝になりそうだもんなぁー!」

「大輝・・・一緒に居てくれない?」

玲於奈の唐突な願いに驚いた大輝はまた声を上げていた。


「オイオイ!だからおめえは無防備すぎるっつっただろ?こんな時間に男の部屋に来て一緒に居てくれってどういう意味かわかってんのか?」

「どういう意味って?」

大輝の言葉にきょとんとしている玲於奈に少し苛立ちを感じた大輝は玲於奈の腕を掴んで部屋の中へ引っ張りこんでドアを締めて鍵をかけていた。


そしてそのまま大輝は玲於奈を自分のベッドに押し倒して玲於奈を押さえ込んでじっと見つめていた。


「大輝?ねえ!痛いよ!どうして怒ってるの?ねえ?!」

「こんな時間に男の部屋に来て一緒に居てくれってのはこういうことなんだ!」


大輝は玲於奈に真面目な顔でそう言うと玲於奈の唇に自分の唇を重ねていた。


突然ベッドに押し倒されて大輝に押さえ込まれて自分の唇に唇を重ねている大輝の背中を最初は驚いて何度も叩いて激しく抵抗していた玲於奈だったが大輝の激しく波打つ鼓動が自分の身体に伝わって来て何故かそれが不快ではなく逆に心地良く感じてしまった玲於奈は抵抗をやめて両手でいつの間にか大輝を抱きしめていた。


「ファーストキスを大輝に奪われたって言ったら翔さんまた怒るかな?(笑)」

「俺・・・絶対に殺されるな!(苦笑)」


クスクスと笑いながら玲於奈は大輝としばらく見つめ合ってから今度は玲於奈から大輝に自分の唇を重ねていた。




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