落ちていた「晴れの日」
晴れの日が落ちていたので、使ってみた。
その日はどんより曇り空だったけれど、
とたんに太陽が顔をのぞかせた。
嬉しくなって、いろんな人にメールを送った。
「私の拾った晴れの日、凄いよ!
本当に晴れになるんだよ!」
メールを送ったうちの一人から、返信があった。
「そんな素晴らしいものなら、
冷害や水害で困ってる所を助ければよかったのに。」
その日の夜は、
「そういう風に使えばよかったのかな?」
という気持ちと
「晴れになって嬉しかった」
という気持ちと
「どう使ったっていいじゃない」
という気持ちが
ごちゃ混ぜになって眠れなかった。
いくら考えても、
もう晴れの日は落ちていないのに。