袋ラーメンとネギチャーシュー丼
日が暮れても帰る気配がない。
「お腹すいた」
これである。
結構、お茶菓子食べたろう。
とはいえ米も残り少ないのだよな。一合だけ炊くか。
あとは、袋ラーメンでも食わせてみるか。
どんぶりに水を入れ鍋に二回注ぎ沸かす。
刻んでおいたネギのタッパーも冷蔵庫から出して、
どんぶりに……
そうだ、どんぶりも1個しかない。
俺は鍋で直接食うか。唇火傷しそうで怖いんだよなあれ。
「何作るの!」
遊びに来た親戚の子みたいだな。
「サポイチのミソ」
「何それ呪文?」
「まぁ汁もの、美味いものだ」
「さっきの米はないの?」
「少ないから我慢しろ」
「えー」
米が気に入ったみたいだな。
明日、米と食器買い足さないとな。
「てか、お前いつまでいるんだ」
「満足するまで」
勘弁してくれ。
そうこうしてるとお湯が沸いたので、麺を入れてしばし末。
「卵は?」
注文が多いな。まぁいい。一個くらい入れるか。
どんぶりで溶き卵を作り、麺の茹で上がりをまつ。
もう少し茹でたいくらいでミソ粉末を投入。
袋には火を止めてからとあるが、溶き卵を入れるときは先に粉末を入れている。
味が染みてそうな気がするからな。
粉末をよく溶かして。麺を鍋の中で泳がせる。
そして回転してるうちに溶き卵を入れ。火を止める。
余熱で卵が硬くなり始めるので、どんぶりに取り分ける。
どんぶりの方に卵が多く入ったな。
まぁお客様だ。食え。
箸はまだ難しいかな。
フォークを出してやろう。
パスタ用のフォークとどんぶりをコタツにおく。
鍋敷き。ないな。
アマズンの箱があるからそれでいいや。
『サポイチミソ ネギと溶き卵』
湯気がたつラーメンの前でイリーナは不思議そうな顔をする。
「想像してた汁物と違うわ」
「ラーメン。インスタントラーメンという」
「卵も形が違うわね」
そういや向こうで、かきたま汁とか見なかったな。
「冷めるから早く食え」
「そうねいただくわ」
長い髪を気にしながらもイリーナは口をつける。
「熱い」
金属フォークが思いのほか熱かったようだ。
それはそうと
ブレスで炎吐いてたのに猫舌なのか。
「独特な味ね」
「いやか?」
「嫌ではないは、初めての味でびっくりしただけ」
髪を気にしながら食べるイリーナの横顔は綺麗だ。
喋らなければ美人だな。
「卵のお汁が美味しいわ」
気に入ったようで何よりだ。
お客に出すような料理でもないけどな。
てか客なのか。
命のやり取りしてた相手と袋ラーメン食ってるな。
「何がおかしいのよ。食べ方が変なのはしょうがないでしょ」
「いや、ごめん。この状況がちょっと面白かった」
「そう。私はあなたたちが羨ましかったのよ」
「羨ましい?」
「仲間内でワイワイご飯食べてた姿がね」
そう言いながら、イリーナはラーメンを食べ進める。
こいつ、寂しかったんだな。
などと思っていると。
「もうスープしかない。足りない」
感傷にも浸らせないな竜王。
「あー忘れてた。コメな」
一緒に出すはずが、いつもと違うから忘れてた。
「そのスープまだ残しておけ、すぐ代わり持ってくるから」
冷凍庫の奥に、バイト先からもらった切り落としチャーシューが少しある。
レンジで……40秒くらいか。
温める間に、ご飯をよそって。ネギタッパーを用意。
解凍されたチャーシューをもう少し細かくして、ご飯に乗せる。
ネギを多めに乗せて、ラー油を少々。
『ピリ辛ネギチャーシュー丼』
「ほれ、スープと一緒に食べてもかけて食べてもいい」
肉の姿にイリーナが目をか輝かせている。
「さっきのウィンナーも美味しかったけど、こっちは柔らかいしほろほろ」
対して乗せてないチャーシューに感動してるな。
「ちょっと辛いけど美味しいわ」
さて、俺も米をいただこう。茶碗も1個か。そうだよな。
鍋を持ってそのまま米をIN
「残飯みたい」
「失礼な」
まぁ行儀は良くないのは承知してる。
だが、十分に米ほぐして。スープごと食べる旨みを知れば。
わかる。
これが完成系なのだと。
俺がうまそうに食べるから、また真似したがってるな。
どんぶりからスープを注ごうとしているが、素人にはお勧めしない。
「もう全部スープに入れるのか?」
俺が確認するとイリーナはうなづく。
俺はラーメンが入っていたどんぶりの方へチャーチュー丼を逆さにして入れる。
お店食べる際はお勧めしない。
自己責任だ。
フォークでは食べずらいだろうからレンゲを持ってきてやる。
レンゲですくうと、スープに浸る米、細かいチャーシューとネギがバランスよく乗る。
イリーナが口にそれを運ぶ。
「残飯じゃなかった。完成したわ何かが」
わかっていただけて何より。
スープ飲み干すのもあまりよくないらしいけど、腹の虫には敵わない。
ごちそうさまでした。




