レ・アン=ヴィ大墳墓調査1
詠唱考えるの楽しぃなぁぁぁああ、めっちゃ時間かかるけど…
俺の名は、ジュール。A級冒険者パーティ「エペ・トラジェクト」のリーダーをやっている。
メンバーは俺、ドニ、ルネの男3人とクロエ、ゾエの女2人の5人パーティだ。
彼、彼女らとは同郷で幼い頃からよく遊んでいたいわゆる幼馴染と言うやつだ。
ドニは、力が強くいつも矢面に立ってみんなを守ってくれる戦士。主な武器は特殊な大盾で俺と一緒に前衛を担っている。
ルネは、頭が良くて用心深く、いつも陰ながらみんなのことを守ってくれている斥候。弓が得意で水、風、土魔法が使えるが魔力量が低いため、後衛でマルチに動いて貰っている。
クロエは、火、水、風、土の4大元素魔法の全てに適正が高い、魔力量も多くパーティの火力源の黒魔道士。
ゾエは、稀有な光魔法が扱え回復や支援を万能にこなす白魔道士。
ちなみに俺は前衛で遊撃を担当する剣士ってところだ。
今回、俺らは冒険者ギルドから依頼を受けて、「レ・アン=ヴィ大墳墓」の調査で来ている。
ここは、聖人が眠る遺跡として調査が進められていたが今だ聖骸は発見されていないという謎の多い遺跡の一つだった。
数カ月前にある考古学者が調査中、隠し階段を発見したがその先で魔物に襲われ死亡した事故が発生した。
これまでレ・アン=ヴィ大墳墓で強い魔物の発生は確認されていなかったが、考古学者の護衛として随伴していたC級冒険者パーティも半数が死亡、生き残り数名も重症を負ったということもあり危険視した冒険者ギルドはその先遣調査と安全確認のため俺等に探索依頼を出したということだ。
隠し階段を降り2時間ほど進み、これまでに5回小規模な戦闘があった。
「ん〜これまでこの遺跡には護衛依頼で何度か入ったことあるけどさ〜」
「・・ん、魔物、強い」
「だよね〜」
隠し階段を降りるまで、1体か2体の無手のスケルトンが出現する程度だが、
降りた先の魔物は武装したスケルトンが5体単位で遭遇している。
「そうですね、この遺跡は大墳墓と呼ばれていますけど大きくないということで有名でしたから発見されたここから先が本当のレ・アン=ヴィ大墳墓ということなのでしょうね」
「いいじゃない!私達がこの遺跡初の踏破者になれるかもしれないんですもの!
「クロエは相変わらずお気楽でいいねぇ〜」
「なによ!ルネ!喧嘩なら買うわよ!丸焼きにしてあげる!」
「まぁまぁ、クロエちゃんもルネちゃんも喧嘩しないの、め!ですよ?」
「そのくらいにしておけ、クロエは気を抜きすぎだ、ルネも気が立っているのはわかるがそう目くじらを立てるな」
「・・!なにか、来る」
「クロエが大きい声だすから〜」
「ルネ!」
「へ〜い」
懲りずにクロエを茶化すルネは叱られながらも意図を理解し探知魔法を放つ
■■中級風魔法 サーチ■■
「スケルトン24!、スケルトンジェネラル2!多すぎじゃないか…ともに武装してるな〜」
「ただでさえ数が多いのにジェネラルが加えて2体か…図体が大きい分厄介だな」
「・・一度、撤退も考えたほうがいい」
「そうだな、みんなこの戦闘を終えた後一度引く、全力で行くぞ!」
「「「「了解」」」」
「ルネ!距離は!」
「視認距離まで〜30秒」
「ゾエ!クロエ!頼む!」
「まかせてください!」
「ゾエ、タイミング合わせるわ!」
走ってこちらに襲いかかって来る魔物の群れが徐々に近づきメンバー全員の額に冷や汗が伝う。
ゾエとクロエが魔法の威力減衰を抑えるため詠唱にはいる。
「白金の聖杯、罪を知らぬ清き血、思い、願い、満たし、天に捧ぐ。無原罪の聖母の加護、清浄なる言霊は安らかに眠る。聖なる光よ、真実の愛よ、邪悪なる魂を解き放ち、正しき円環へと還したまえ」
■■上級光魔法 ターンアンデット■■
ゾエが光範囲魔法によりスケルトン15体が灰となって崩れ落ちる。
わかっていたことだが、スケルトンジェネラルは効果は見られるが倒しきれない。
「この手の起こした小さな風は、やがて大鷲の翼より放たれる風の刃となる。駆け、烈しい俊風となりて敵へ我が意志をを刻め」
■■中級風魔法 アジリストーム■■
残ったスケルトンジェネラルの1体に単体魔法を当て2体の距離を離す。
「ドニ、3人を任せた。俺は飛ばされた一体を足止めする!ルネ、手前の1体の陽動を頼む」
「・・任された、気をつけろよ」
「1体は頼んだぜ〜」
■■初級無属性魔法 フィジカルブースト■■
男3人は各々自身に身体強化魔術をかけ担当するスケルトンジェネラルへと視線を向ける。
ジュールがクロエの魔法によって吹き飛ばされた1体へ、ルネが手前の1体へと走り出す。
「材料費高いんだから〜1発でやられてくれてもいいんだよ〜」
ルネが弓に番えるのは鏃に火薬を仕込んだ矢、走りながら3mを超す体躯のスケルトンジェネラルの頭蓋を穿つ。
爆発とともに相手はたたらを踏み頭蓋にはヒビがはいる、注意がルネに向いた足元をジュールが駆け抜けていく。
「やっぱり一発じゃダメかぁ〜」
「・・ルネ!」
「うぉ!危ないねぇ〜」
一刻前までルネが居た場所にスケルトンジェネラルの持つ大剣が振り下ろされる。
床が砕ける音とともに飛び上がったルネは一目散にドニの元へ向かう。
「ドニ大きい声久々にきいたね〜」
「軽口言ってない!来るわよ!」
スケルトンジェネラルの振り下ろす大剣をドニが受け止める。
「・・ふん!」
大盾で大剣を弾き返し敵の体勢が崩れる。
「さっすが〜そんじゃ俺も!」
■■初級水土属性混成魔法 クワグマイヤ■■
地面が泥化し自重でスケルトンジェネラルの足元が沈む。
「ダメ押しよ!」
■■初級土属性魔法 ストーンバレット■■
人の頭ほどの大きさの岩が頭蓋に当たる。
完全にバランスを崩したスケルトンジェネラルは大きな音を立てながら倒れる。
「やったぁ!ドニ!最後お願い!」
「ん!はぁ!!!」
■■機構式大盾二型‐改 追槌 ■■
いわるる凧型盾という水の雫を逆さにしたような形の大盾、両手で持ち上げ下側の細くなった部分をスケルトンジェネラルの頭蓋に叩きつける、その衝撃で内部機構が作動し追い打ちを駆けるようにより強い衝撃が頭蓋に伝わる。頭蓋は砕けスケルトンジェネラルの体は糸の切れた人形のように動きを止めた。
「・・ジュールは!?」
眼の前の相手を倒して、孤軍奮闘している仲間の元へ意識を向ける。
「大丈夫ですよ、剛剣の二つ名は伊達じゃないですね」
そこには、武器の大剣ごと真っ向切りにより縦半分に分かたれ倒れるスケルトンジェネラルの姿があった。
「ジュール!こっちも片付いたわよ!」
「あんまり大声出すと〜ま〜た魔物がよってくるよ」
「ルネ!うっさい!」
「こらこら、喧嘩するな」
一仕事終えたジュールが歩み寄ってくる。
「こっちは、先制攻撃のお陰もあって比較的楽に倒せた。助かったよ。そっちの状況は?」
「私はさっきの上級魔法で魔力をほぼ使いきってしまいました。回復魔法をあと数回なら使えますが…」
「あたしはまだ大丈夫!魔力も余力あるよ!」
「俺も〜まだ大丈夫だけど、ドニの奥の手を使ったからな〜」
「・・工房で調整しないと、使えない」
「確かに強力だけどさ、その大盾やめない?街の工房に修理に毎回出さなきゃいけないじゃん!結構な出費だよ!あたし、新しいローブが欲しい!普通の大盾でいいじゃん!」
「ダメだ!」
「そ〜だよ、貴重な火力源だから」
「・・・ん!」
「なんでそんなに拘るのさ!」
「「「ロマン」だから」」
「むー!!」
「まぁまぁ、男の子ってこう言うの好きですから、けど一回限りで調整費用が高額なのはちょっと考えものですね」
「「「・・・」」」
気まずそうに男3人は目を逸らす。
「ふふふ、それでジュールひとまず撤退するって事でいいんですよね?」
「あぁ…!それなんだが、戦いながら奥の方を確認したんだが、どうもこの先が最深部のようだ、中心部に棺が安置されているのを確認した」
「わかりました、念の為私は魔力回復薬を使っておきますね」
「すまない、無理をさせる」
「ほんじゃ〜先行して罠の有無を確認してきますか〜」
「ルネ、頼む」
「ゾエは少し休んでいてくれ、クロエとドニでスケルトンから魔石の回収をお願いできるか?」
「・・ん」
「わかったわ!」
「俺は後方の警戒してくる」
各々作業を開始し魔物から魔石を回収終えた頃、
「ジュール〜この部屋中央の棺以外なにも無さそうなんだけど〜後は学者に任せた方がいいかな〜」
「そうか…今回はこれで撤収しよう」
「えー!なんにもお金になるもの手に入れられてないじゃん!あたし新しいローブ欲しかったのに!」
「クロエちゃん、それは我慢しましょうね、また今度ね?」
「わぁー!ゾエが子供扱いするぅ!」
「ふふふ、帰ったら甘いものでも食べいきましょうね」
「ゾエのバカー!」
「そうは言ってもな〜今回の調査でドニの奥の手を使ったことは確かだから〜、いくらギルドの報酬があるからって割に合わないのは確かだね〜」
「・・魔石の換金、含めて、少し黒字」
「ねぇー、ジュールぅ棺開けてみようよぉ!」
「うわぁ〜昔馴染みがそういう猫なで声出してると鳥肌立つわぁ〜」
「焼くわよ!」
何年経っても変わらない二人のやり取りに嘆息しながらジュールは考える。
「わかった、わかった…じゃあ、距離を取ってクロエの魔法で棺を開けた後に注意しながら確認する。万が一開けた瞬間トラップの発動または魔物の出現が確認されたら全力後退する。これでいいな?」
「やった!さすがジュール!話が分かるぅ♪」
「壊すなよ!ちょ!待っ・・!」
■■初級火風属性混成魔法 ファイヤーボム■■
バン!
棺の手前で爆破させ、魔法を当てることなく爆風だけで蓋を外す
一応、貴重なものだからもっと慎重に行って欲しかったのに…
「ほら!きれいに蓋だけ外せた!私にかかればこんなもんよ!中のものにも傷つけない!」
「罰があたりそうですけどね…」
「安全には変えられないよ、トラップはないようだな」
「・・なにも、起きない、よかった、流石クロエ」
「ふふん♪もっと褒めてもいいのよ♪」
「前みたいに開けたら虫がわ〜ってならなくてよかった〜」
「やめてよ!思い出させないで!」
「いや〜、棺開けたらでるかな〜って思うだろ〜普通〜」
「私ムリ!絶対見れない!ルネ見てきてよ!斥候でしょ!」
「そ〜やってこき使うのよくないよ〜クロエ〜」
「ゾエとクロエはここでいつでも攻撃できように準備してくれ」
「わかったわ」
「魔物なら消し炭にしてやるわよ!」
「ドニは二人を頼む」
「・・・ん」
「ルネは俺と一緒に棺内部の確認を」
「了〜解」
「気をつけてくださいね、ジュール、ルネ」
さぁ、宝が出るか魔物が出るか二人は慎重に棺へ近づいていく
棺の中が視界に入ると一人の青年と目が合う
「おはようございます?」
「「は?」」
は?え?遺骸でも魔物でもなく生きた人間?見た目俺等と同い年に見える全裸の青年だ、
え?全裸?なんで!?普通に挨拶してきたし、敵意はないのか?
「え?なによ!ふたりとも!大丈夫なの?今の声誰よ?」
幻覚でも見ているのだろうか。目をこするが再び目が合う。
青年は会釈してきた。
あっどうも…会釈を返してしまった…
一度、考えをまとめよう皆の意見も聞いて…
「ドニ!私も見てくる!ゾエをお願い!」
「クロエ!・・まって・・」
混乱しており、クロエが駆け寄って来るが気づかなかった
クロエと青年も目があう。
「どうも」
クロエの視線が下に逸れ、瞳に男の象徴が映る。
次の瞬間、思考が加速した。クロエの右手に赤い魔力が集まり始めたのを感じる。
寝起きはしょうがない!、俺らもまだ10代、誰しも朝はそうなる!
けど、全裸で寝るのはダメだ!無防備すぎる!貴族様じゃないんだから!
にしても、結構立派じゃねぇか…まぁ俺よりは多少小さいと思うけどな!!
ってそんな場合じゃねぇ!
このままじゃ、焼きソーセージが出来上がってしまう!
クロエはこういうとき咄嗟にファイヤーボールが出る。
俺等も散々受けたからわかる!ちょっとした火傷じゃ済まないのだ。
それが無防備な男の象徴へと向けられたらどうなってしまうのだろうか。
最悪死んでしまう。
流石にそこにファイヤーボールを受けたことはないが、男なら想像できる。
クロエと青年の間に腕を伸ばして間に合えば最悪な事態は回避できる。
間に合え!間に合ってくれ!!
「ぎぃやぁぁああああああぁぁぁ!!」
■■初級火属性魔法 ファイヤーボール■■
「熱゛っち゛ゃぁぁぁあ゛あ゛ぁぁぁぁぁああああああ!」
間に合わなかった…火球はまっすぐに男の象徴を焼いた。
青年は絶叫し白目を向いて気を失った。
あぁ〜もう我慢できない、次に取っておこうと思いましたが出ちゃいました。
お読みいただきありがとうございます。
今回は本当にこれで最後です。
来週また投稿します!
引き続きよろしくお願いします




