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コピー能力を手にした俺は異世界で無双できない〜異世界転生ってヌルゲーじゃないの!?、みんな強すぎるんですけど!?〜  作者: かたろーしゅ
第一章 フランヴェロア王国編

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始めての魔法

今日はここまで、息子を迎えに行かねば…

 クロエに魔法を教えて貰う事を約束した夜、ジュールとルネが狩ってきたホーンラビットと、ゾエ、ドニが集めてきた山菜で夕食を済ませた。

 ルネがパーティメンバーにジンが泣いていたことをバラし一頻り全員から茶化された。

 穴があったら入りたい。

 そうこうしていると、クロエが切り出した。


「明日からの道中なんだけど、少し魔物の出るルートを進みたいんだけど」

「ん?どうしたんだ」


 リーダーのジュールがクロエの提案に訝しげな顔をする。


「ジンがメソメソした後に、あたしが魔法を教える約束をしたのよ、ジンが戦えるようになりたいんだって」

「そっか、メソメソした後にそんな約束をな…それで訓練のために多少危険なルートをということか」

「よかったです!二人が打ち解けたみたいで。私、心配していたんですよ?雨降って地固まるってこのことですね!」

「・・雨と涙、ゾエはうまいことを言う」

「ぷっ…くくくく」

「もういいよ!みんな、そんなにイジらないで!」

「それで、ジュールどうする?」


 ジュールが数秒考えから答えた。


「敢えて明日からすぐに戦闘訓令というのも危険だから一度、ノルグーブル村に着いてからにしよう。明日は移動しながらクロエが基本知識を教えるのはどうだろう。村で補給しつつ2日ほど滞在しよう。俺も司祭と親父に聞きたいことがあったから時間がつくれるのは助かる」

「嬉しいわ!村でゆっくりするなんていつぶりかしら!アリスちゃんともゆっくりお話できそう」

「俺はあんまり長居したくないな〜」

「・・師匠に、稽古つけてもらう」


 ジュールの提案に皆が嬉しそうに反応する。


「あまり遅れるわけにもいかないから3日目の早朝には出るぞ」

「あの?ノルグーブル村ってみなさんの故郷なんですか?」

「そうだよ〜あんまり帰りたくないけどな〜」

「あんたが嫌がるから行きがけに寄れなかったんじゃない!」

「すまない、ジン。ルネは親と折り合いが悪くてな…嫌がるんだ」

「あんた、帰るたびにお母さんに怒られてるもんね!」


 話を聞くと、5人は全員ノルグーブル村出身で幼馴染なんだそう。

 ジュールは村長の次男で兄と妹兄弟がおり、ゾエは村の司祭の娘でゾエ自身も助祭の資格を持っている、クロエの母親は既に亡くなっているようなのだが昔、国でも名を馳せた魔法使いだったそうだ。父は存命で村で研究をしている変わり者の学者らしい、ルネの親父さんは村の猟師ですごい腕前なのだそうだ。ドニの両親は元王国騎士団に所属していた様で怪我を期に退役し今は村の警護などをしながら村の子供に訓練をおこなっているとの事だった。


 故郷か…また考えてしまうな…

 羨ましく感じる


「・・泣くな、ジン」


 ドニに背中をさすられる


「泣いてないし!!」


 6人は打ち解け、仲の良い友人同士のように語らい夜は更けていった。


 ■


「そろそろ休もう」

 ジュールの声に応じ各々片付けを始める。

「見張りなのだが、最初にジンとクロエに頼めるか?ジンも魔法について話を聞きたいだろうし」

「「了解」よ!」

「その後はいつも通りでいいか?」

「わかったわ」


 ゾエが返事をし、ドニが頷き、ルネが手を上げひらひらと振った

 片付けを終えると各々毛布に包まり寝息を立て始めた。

 なぜか、緊張する。決して二人きりではないのだが妙に意識してしまって声が出ない。

「じゃあ、何から話そうかしら」

「ひゃい!」


 変な声出た!!恥ずかしすぎる…

 あ!ルネのヤツ笑ってやがる!肩が震えてんぞ!!!


「そんな緊張しなくてもいいわよ…」

「はい…」

「まぁいいわ、ジンは魔法についてどの程度知ってるの?」

「俺の元居た世界には魔法なんてなかったから、どの程度って言われてもわかんないんだけど…あ!でも、物語とかにはよく登場していたから概念としては理解してるよ」

「変な世界、魔法がないのに魔法を知ってるなんて」

「そう言われればそうだね…神話とか英雄譚なんかに出てくるからかな…?」

「まぁいいわ、基本的なことから教えてあげる」


 そうして、クロエからこの世界の魔法について教えてもらった。

 その1、魔法は基本元素「火」「水」「風」「土」「光」「闇」「無」の6つに分けられる。

 その2、基本元素を合わせて相乗効果による複合魔法が存在する。

 その3、基本的に人間はすべての魔法を扱うことができるが向き不向きがあり、複数に適正が高い程に稀有な存在となり国にも重宝される。平均で2〜3つの適正があることが多い。

 その4、魔法は体内にある魔力を消費して行使される。体内の魔力が枯渇すると酷い倦怠感に襲われ、最終的に昏倒してしまう。

 その5、魔力量は個人差があり多いほど国に重宝されるとの事。


 ここまで、異世界ものによくある典型的な内容で、すんなり頭に入ってきた。


「ジンは、遺跡の外で「真偽の宝珠」を使って尋問を受けたのよね?その時、見たことないくらい光ったって聞いたけど、ほんと?」

「うん…恥ずかしいからあんまり思い出したくないんだけど…」

「なんで?」


 その場にいあわせていないクロエは恥じる意味がわからず首をかしげる。


「私もメンバーの前で『真偽の宝珠』を使ったことあるけど、皆が驚くって事は相当のよね。あたしも魔力量は多いほうだけど…それ以上となると国が欲しがりそうね。この事はあまり口外しないほうがいいわよ?」


『真偽の宝珠』を使ったことがあるって…何したんだろうか…


「あ!言っておくけど!なにも悪いことしてないわよ!ジュールのお菓子を誰が食べたかって喧嘩になってそれでだから!」


 しょうもな…尋問に使うぐらいの道具をそんなことに使っていいのか…


「いたっ!」


 突然、腕に走った痛みに声が出る。


「今、馬鹿にしたでしょ…」

「してないよ!痛い!痛い!」


 クロエが腕をつねってきた。

 今思ったけど、クロエ近くね…隣に座ってるし、文字通り手を伸ばせば届く距離じゃん。

 やば、意識したら恥ずかしくなってきた。


「まぁ、いいわ。とにかくあまり口外しないこと!いい!?」

「はい…」


 童貞丸出しの反応をしてしまっている気がする…恥ずかしすぎる…


「続けるわよ。魔法は詠唱って工程があるんだけど、これは慣れてくればやらなくても念じるだけで魔法は発動できるようになるの。だけど、詠唱したほうが魔法の効果は高いから時と場合によって使い分けるの」


 クロエは人指を立てて魔法を念じる


 ■■生活火魔法 ファイヤー■■


 小さな火が指先に灯る。


「難しい事は省くけど、体内の魔力を消費して現象を生み出す。それが魔法よ。消費する魔力量を調整すれば火を大きくすることも小さくすることもできるの」


 そう言って、指先の火を大きくしたり、小さくしたり繰り返し大きさを変える。

 そして、指先の火を消す。


「火よ灯れ」

 ■■生活火魔法 ファイヤー■■


 指先に小さな青い火が灯る


「火は色によって温度が違うことは知ってる?」

「知ってるよ」

「そう、これが詠唱と無詠唱の違い。厳密に言うと魔力効率とか消費量の違いとか色々な要因があるのだけど、ちゃんと理解して魔法を使っているのなんてごく一部よ、気にしなくていいわ」

「魔法って面白いね、今度詳しく話を聞かせてほしい」

「ジンって学者の才能あるわよ。パパと気が合いそう」

「え!?」

「ぶふっ!!」


 ルネが聞き耳を立てて居たのだろう、堪えられず吹き出している。

 クロエが無言で足元の石を投げつける。


「痛!」

「・・ルネ、うるさい!」


 ドニに怒られたルネは渋々と毛布を再び被る。


「変な言い方をしたわ。ごめんなさい。」

「いっいや!大丈夫だよ!それで、詠唱の話だったよね」


 挙動不審な動きをしてしまい、クロエが変な顔をする。


「詠唱ね、難しい魔法になればなるほど長くなっていくって感じ?」

「そう、察しがいいわね」


 クロエの指先に灯る青い火に目を向ける。

 綺麗だ…恐らく火を同じ大きさに留め続けることも訓練しなければできないのだろう。

 クロエの話を聞く限り、一丁一隻でできるようになるようなものではない。

 クロエも相当の努力の上に今の技能を身に着けたのだろう。


 無意識だった。

 その青い火に触れようと手を伸ばした。

 クロエも火に触れると思っていなかっただろう。ジンの行動を止めることはなかった。


「熱っ!!」

 ■■生活火魔法 ファイヤー■■ 取得成功

「馬鹿!何やってるの!?」

「ごめん、綺麗だったから無意識で…」

「あなたは虫かなにかなの?」

「ははは…」


 指先を火傷した…けど、今頭に言葉が浮かんだ。

 徐ろに火傷した指先を見つめる。


「ファイヤー」


 轟々とした音と共に指先から大きな火柱が立ち上がった

以降、主人公の俺tueeパートに入ります!お楽しみに!


ご拝読ありがとうございます。

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引き続きよろしくお願いします。

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