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追放デバッガーの国直し ―バグだらけの世界設定を修正(パッチ)したら、王国最強の裏方になってました―

 勇者一行の落ちこぼれと嘲られ、ギルドからも「役立たず」と追放された青年リオ。彼の職業は【デバッガー】——この世界の“設定ファイル”に生じた不具合を見つけ、修正(パッチ)できる裏方職だ。攻撃も回復も派手さはない。だが、誰も知らないところで、氾濫する魔物の出現率や、腐った水源の法則、崩れかけた街道の“確率”を調整してきたのは、いつもリオだった。
 すべてを押し付けられた末に切り捨てられ、流れ着いたのは破綻寸前の辺境領。冬越えに必要な穀倉はカビ、井戸は濁り、魔物は増殖する“仕様”。リオは静かに手を伸ばす——「これはバグだ。直せる」
 水脈の乱数を安定化、土壌の成長係数を最適化、街道の遭遇率をパッチ。翌朝、村人は目を疑う。清水が湧き、畑が息を吹き返し、商人が往来を再開する。
 やがて噂は王都へ。かつてリオを追放した勇者一行は焦り、王宮の官僚は色めき立つ。魔王軍ですら「世界の裏側に干渉する者」を危険視し始め——。
 だが“修正”には代償がある。リオの寿命は少しずつ削られ、過去の記憶にはノイズが走る。それでも彼は、人の営みという“正しい動作”のために、今日もテストを回す。
 裏方は、世界を動かす。
 ——これは、追放された“デバッガー”が、辺境から王国全体の不具合を直し、気づけば魔王も神々も“動作確認待ち”に並ぶ、痛快で優しい国直しの物語。

コアギミック & ルール

職業:デバッガー(修正術)

可視化:対象に〈ログ〉がオーバーレイ表示(本人のみ視認)。

操作:軽微修正(ホットフィックス)/恒久修正(長詠唱+儀式)/ロールバック/差分コミット(刻印石にバージョン管理)。

制約:修正ごとに寿命 or 記憶断片をコストとして支払い。未検証修正は副作用(リグレッション)を招く。

倫理:生者の“自由意思”は直接書き換え禁止。環境・法則・確率の閾値のみ介入可能。

成長軸

素材工学(刻印石・触媒)→内政(インフラ最適化)→広域プロトコル(気候・交易網)→世界プロトコル(神域の仕様)へ。

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