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第3話 ルスト町
ルストの町は、たくさんの空飛ぶ乗り物が集う所だ。
そのため、多くの人が行きかう。
商人も、観光客も一緒になって移動し、大勢が次の町へと思いをはせる。
しかし、ルスト町には、たびたび霧が発生しているため、空飛ぶ乗り物は多くは動けない。
それは、いつか存在していた巫女が考えたものだからだ。
巫女は、旅の中でルストという町の未来を知った。
たくさんの人が行きかう、交通のかなめとなるだろうという事を。
しかし、その巫女は文明の発展を願わなかった。
何も知らず、無知でいる事こそが人々の幸せ。
そう思った巫女は、人々の歩みを止めるために、ルストを霧で満たした。
そのため、本来ならたくさんの物と人々が行きかうはずだったルストは、たった数百人程度で大勢と言われる空の港町になったのだった。