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第2話 レッドカースの物語
その町は呪われていた。
遥か昔、巫女を守るために、大勢の者達が犠牲になったからだ。
その町がまだレッドカースと呼ばれていなかった頃、セントレイシアを旅立ったばかりの巫女は、右も左も知らない箱入り娘だった。
その事が災いして、悪人に目をつけられてしまう。
罠にはまった巫女を守るために、護衛も、町の人たちも大勢が犠牲になってしまった。
その結果、巫女は大きな心の傷を負い、その町に呪いをかけてしまう。
その町の住人が決して血を流す事にないようにと。
祝福となりえたその願いは、巫女の精神状態に応じて、呪いへと変わってしまう。
怪我をする事も、死ぬこともできないという不死の呪いに。