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企画参加作品

天才量子学者アルベルトの半生を描いた作品・・・それは

作者: 山本大介

 今年もぶっこんでますのでよろしく~。


 天才量子学者のアルベルト=フォンスは缶コーヒーを啜りながら思案していた。

 ノートにはえんぴつで無数に殴り書きされた本人しか分からない、ミミズのような数式が書かれてある。

 

 彼は日本生まれだが、両親はドイツ人であった。

 聡明そうな青い瞳に、整った美形にブロンドの髪、まるで子供モデルのようで、思わずその可愛さに誰もが振り返り二度見してしまうほどだった。

 ランドセルを通いながら行ったインターナショナルスクールでは、ずば抜けた学力で神童と呼ばれた。

 

 そんな早熟な彼だが、恋愛の方も早く、14の時、妻である日本人のリサと、ひまわりの咲く頃、夏祭りの日にデートに誘い、星座の煌めく夜プロポーズを行った。

 偶然にも夜空には流星群が流れ、この上ないシチュエーションとなる。

 持ってる人は違うとは、よく言ったもんだ。

 求愛の言葉は、

「ボクの心は君にチェックメイトだ。永遠の愛をここに誓う。さあ、愛を語るより、口づけを交そう」

 信じ難いことに、これが16歳の少年の口から発せられたのだ。

 歯の浮くような言葉にうっとりとするリサ。

 なるほど似た者同士の2人は結ばれるべくして、結ばれる運命だったのだろう。

 2人は手を繋ぎ、神社で恋愛成就のお守りと将来の安泰を祈願した「商売繁盛」のおふだを買って帰った。

 そう、2人は一生添い遂げる事を確信していたのだった。


 しかし、日本という国ほど若い2人が恋を語るに難しいところはない。

 だが、アルベルトとリサは密かに人目につかぬよう、じっくりとゆっくり愛を育てるのであった。 

 ヒューヒューだよっ、お熱いのがお好きですなあ。

 別の意味では、そういう趣向があっとたとも言えなくもないが・・・。


 ところが高校2年の秋、お熱い仲が、クラスメイトに発覚したのだった。

 それは体育祭のことだった。

 体育館の屋根裏に忍び、よろしくやっていたところを、巡回中の体育委員長に見つかってしまったのだ。

 顔を真っ赤にし恥じるリサに、アルベルトはポーカーフェイスで威風堂々としていた。

「何が悪い。愛を愛で語り合って」

 と、胸を張ったが、通報を受けた先生に連行されてしまった。 


・・・・・・。

・・・・・・。

 ぐびり、残りのコーヒーを飲み干す。

 ふと、彼はそんな昔を思いだすと、くすりと笑った。

 !

 次の瞬間、閃いたのか、猛然とノートに鉛筆で数式を書きはじめた。

 


 そんな主人公アルベルトの半生を描いたビックでグッドな超大作映画「アルベルトによろしく」カミングスーン。




 ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ぜんぶぶっこみましたね~(´▽`) 「ボクの心は君にチェックメイトだ」が、何故かじわじわ来ます(笑)
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