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自称?探偵と助手見習いの事件録  作者: じゃこ
202号室
9/32

5

「んで、取り調べは終わったの?今回は何に巻き込まれたのよ。」



鈴が少し悪態をつきながら聞く。

鈴の後ろに着いてきたコハルは、等活や流にペコペコしている。



「昨日あった殺人事件に。」



「あの…惨たらしい事件に…?」



葉はあっさりと答えた。

が、鈴は眉間に皺を寄せ嫌悪感を顕にしている。

無理もない。かなり悲惨な事件だ。新聞にデカデカと載るくらいの。



「葉さん。お疲れ様です。あの…もう帰宅出来るんでしょうか?」



あぁ。と、簡単な返事をして立ち上がる。

等活は鈴に声をかけようかどうしようか悩んでいる。

見なかったことにした。

流はいつの間にか居なくなっていた。流は鈴が苦手らしい。

まぁ、いい。



「等活、帰るから。」



「お、おう。取り調べがまたあるかもしれないから、次も来てもらうぞ。」



はいはい。と、手を振り警察署を後にした。

出る時に、鈴さんと話せなかった…と聞こえた気がしたが幻聴だろう。



鈴の車に乗り込み、花街まで。

車の中ではコハルが騒がしく捲し立てていた。



「いきなり捕まったのでびっくりしましたよ!初めてではないですが、さすがにあっさりしすぎです!だいたい…」



などと言っているが、葉の耳には入っていない。


自分を容疑者に仕立てられる人物を頭の中で探っていた。



まず、三ヶ月前に来た依頼人。

次に犯行現場となったアパートの住人。と、なる。

葉と接点があるのは、前者の依頼人だが依頼終了後には会っていない。

アパートの住人と接点はほぼ無い。

その為、依頼人となるが。

現在、依頼人の居場所は知らない。

こちらは、一方的に知られている状況であり事務所まで知っている。となると、擦り付けも可能になる。

が、依頼人の年齢を考えるとあの様な犯行は無理だと思う。


必然的にアパートの住人となるのだが、アパートの住人とは誰とも面識が無い。



悩んでいると、鈴が指を鳴らした。



「葉。考え事はいいけどコハルちゃんは心配してくれたのよ?感謝と謝罪をしなさいよ。」



「あ、あぁ。ありがとう。すまない。」



コハルは少しだけ涙を溜めた目を拭き、鈴の方へ顔を向けた。

鈴は肩を竦め、雨の降り出した花街を窓越しに眺めた。




次から少しだけ描写に注意です。

苦手な方は後書きに内容を簡単に纏めますのでよろしくお願いします。

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