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自称?探偵と助手見習いの事件録  作者: じゃこ
202号室
7/32

3

 ――――朝ごはんを食べ終わり、片付けを済ませた頃には8刻を過ぎていた。


葉は事務所スペースに向かい、コハルは玄関の掃除と植木の手入れをする。

探偵事務所。と、謳っているが依頼は何ヶ月も来ていない。

来ていない理由は…かなり有る。


まず、1つ目。

元々葉の叔父が探偵をしており、この自宅兼事務所も叔父が所有しているもの。

叔父は探偵を引退していて、仲の良かった葉が引き継いだ。

ただ、葉に知名度はなくマイペース過ぎる部分もあるため、依頼はてんでこない。


2つ目。わかりづらい所にある事。

事務所は花街の奥のさらに奥を左に曲がり、細道を真っ直ぐ半刻歩き右に曲がった桜並木の通りの角にある。

複雑過ぎて訪れる人は限られてしまうし、大通りからはかなり遠く車などは入れない道もある。

他の探偵事務所等は大通りにあるため、そちらに依頼するのが早い。



「はぁ…。今日も依頼ありませんねー。」



コハルは依頼が来る気配が全くない事を嘆く。

かれこれ、助手見習いとしての出番がないため、毎日植木の手入れや掃除、洗濯、資料整理…しかする事が無いのである。

資料整理もほぼやってしまっているので、やる事が家事しかなくなってきた。


いい加減新聞に広告を載せたら如何でしょうと提案しよう。と、コハルは思っていた。



チリンチリン



と、ドアベルが来客を知らせる。


久しぶりの依頼!!

と、逸る気持ちを抑え冷静に出迎えようと玄関へと小走りで向かう。



「葉!おるかー?」

「ごめんください。」


聞こえてきた声に足を止める。

依頼ではなかった。ガックリと肩を落としながら返答する。



「葉さんなら奥の事務所に。お久しぶりです。八地(ハチジ)さんに(ながる)さん。」



2人は葉とは腐れ縁…もとい、幼なじみで八地等活(ハチジトウカツ)金藤流(かなふじながる)

年齢こそ少し離れているが、三人は幼い頃よく遊んでいたそうだ。


事務所の方から葉が顔を出す。


「そんなに大きな声を出さなくても聞こえる。全く。で、等活と流。こんな朝に何の用だい?休みでもないんだろう?」



「相変わらずだな。桜山。お前に聞きたいことがある。ほら、取り調べ状。」



「ほー。今回は早かったね。んで、何の罪?」



「殺人だ。」



ふーん。と、興味無さげに取り調べ状を読む。

そして、わかった。と頷き手を差し出す。

等活はそれはしないと首を振り、流と共に葉を連れていく。



「え!?えっ!?えーー!!」



待って待って待って!

葉さんが殺人!?どうゆう事!?

と、パニックになっている間にも葉と2人は外へと行ってしまった。

追記


※取り調べ状とは

任意取り調べ状と強制取り調べ状があり、今回葉が貰ったものは強制。

なので、拒否することは出来なかった。

現実世界ではそんな令状はないはず!

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