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自称?探偵と助手見習いの事件録  作者: じゃこ
202号室
6/32

2

この世界では角や耳が生えて無い方が珍しいらしい。

珍しいというよりは、初めて見たと言われた。


鈴さんには猫のような耳。

葉さんは植物のような角。

が、ある。

わたしには何も無い。

買い物へ出かけた際にジロジロと見られたり、指を指されて何かを言われたりしたこともあった。

そんな事が続き外に出るのが怖くなり、人の視線に怯え、幻聴まで聞こえるようになってしまった。


この世界に拒絶されている。

わたしは異物だ。と、思うほど追い詰められていた。

見かねた鈴さんがお友達に頼んで特注品の角ヘアバンドをくれたこともある。

受け取りはしたものの、1回も付けたことはない。

とても高価そうなので鏡台に飾ってある。壊したらいけないと大切にしている。


鏡台の前に座り、髪をセットする。腰まである髪を半分に分けさらに上下に分ける。

分けた髪を結い上げ小さな角の形にしていく。いわゆる、擬似角。

今日は2つ角にしてみる。

根元にリボンを付けて完成。

耳は生やせないし…

わたしなりの抵抗だった。

元々持ち合わせていない物は仕方がない。

擬似角は事故などで角が折れた女の人がする方法らしく、今は修復技術が発達してやっている人はあまりないらしい。

と、いうかものすごく古い資料に載っていたのを見た時は嬉しかった。

練習に練習を重ねた。

鈴さんに手伝ってもらったり、葉さんに審査してもらったりして、完成させた。

負けるもんか。

わたしに何も無いのは理由があるんだと思って。


「よし!出来た。お化粧は軽めに。」



…今、何刻?時計を見ると7を指していた。



「の、の、のんびりしすぎたー!」



部屋を出て、バタバタと階段を駆け下り、奥の台所へと騒がしく向かう。

台所には、出窓を開け端に腰掛けてゆっくりとタバコを燻らせる葉がいた。


朝日に照らされた葉は透き通り儚く消えてしまいそうだった。

外を見ながら物思いに耽る様子はまるで絵画だ。

キラキラしている。

前下がりに切りそろえられた金にも銀にも見える髪。白くしなやかで今にも折れそうな身体。端正な顔立ち。伏せられたまつ毛さえも絵になる。男とも女ともつかない雰囲気に見とれてしまった。

まぁ、実際に男なのか女なのかわからないんだけど…



鈴さんと葉さんお付き合いしないのかしら。絶対お似合いなのに。美女と美男。



「おっ、おはようございます。」



「おはよう。」



こちらを振り返りもせず、外を眺めたままの挨拶。

機嫌悪いのかなぁと思いつつも、朝ごはんの準備を始めた。

葉と鈴の容姿や耳、角事情を頑張って書きました!

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