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自称?探偵と助手見習いの事件録  作者: じゃこ
202号室
20/32

16

疑問点を書き出してみる。


一年前、刈郷花菜親子が行方不明になる。

刈郷紬が葉さんに依頼。

何らかの事件に巻き込まれた可能性があると判断。

その後、三ヶ月前に今度は刈郷一家が花菜親子の依頼を持ってくる。

二ヶ月分の家賃滞納をしており、回収がしたいとのこと。だったよね。


…。

行方不明になっている間、花菜さんの家の家賃誰が払い続けていたの?

滞納したのは二ヶ月間。その前までは誰が払っていた?


それと、一年前から行方不明になっている事を大家が知らないわけないよね。

矛盾がある。


それか、親子が行方不明になった後、誰かが202号室に住んでいた?

もしかして、紬さん?


憶測でしかないし確信はない。

紙に書き出した疑問点を葉がまじまじと見ていた。



「あ、思いついたこと描いてみただけなので。」



葉さんは何も言わず、疑問点を書き出した紙に付け足ししていく。


依頼に来た時、既に刈郷紬にはペンダントは無かった。

花菜が16になった時に渡したこと、紅乃が16 になったら譲り渡す決まりだったこと。を、聞いていた。

行方不明になった後に大家である刈郷一家の娘がペンダントを所持している事がわかり、何か知っているかもしれないと紬が聞くもあしらわれる。

何故ペンダントを持っているのか聞いて欲しいと依頼時に言われていたことを書き足す。

だから、大家一家は行方不明事件に何か関わりがあるのかもしれないと思って、探りを入れていた。

紬さんとは三ヶ月前まで連絡を取っていた事。

三ヶ月前、突然連絡が途絶えたので不審に思っていたら、大家一家が行方不明親子の捜索を依頼してきた。


そして一昨日事件が起こった。


紬も未だに見つかっていない。



「何か、お前。変な事件に巻き込まれ過ぎじゃね?」



ドスッ!



と、鈍い音がした。ガタイの良い八地はビクともしなかったが、葉は八地の上腕を殴っていた。



よっぽど巻き込まれるの嫌なんだろうなぁ…。と、苦笑いする。



「紬さんと不明親子、何処にいってしまったんでしょうか…」



ふと出た疑問が言葉に出ていた。



「多分…」



葉さんが言いかけてやめた。



「やっぱり…お前…知っているんだな。」



八地さんが詰め寄る。

葉さんは視線を逸らし、俯く。

恐らく三人は生きてはいないのだろう。



バン!バンバンバン!!



急に出窓が叩かれる。

出窓の向こうには、さらに憎悪を混ぜてこねたような“魔女”がいた。



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