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自称?探偵と助手見習いの事件録  作者: じゃこ
202号室
16/32

12

資料室の棚を探る。

三ヶ月前の依頼書は入口付近にあるはず。

昨日と同じ書類を取る。



「三ヶ月前…三ヶ月前っと。」



二、三枚めくるも三ヶ月前に来た依頼書は無い。もう一枚めくると四ヶ月前になっている。



「あれ?おかしいなぁ。」



あ。そういえば。この前資料室を掃除して、書類整理した時に別の依頼書の束と一緒に落としたんだっけ…。そっちに紛れているかもしれない。



「この前落としたやつは、こっちの棚の書類だったよね。」



ざっと棚を見回し、書類を取り出す。三ヶ月前の月の所をぱらぱらとめくる。も、無い。

もしかして、落とした時にどこかの下に潜っちゃったかな?

机の下や骨董品の裏も探してみたが無い。



「どこいったんだろう?んー。葉さんの事だからもしかして?」



別の棚を調べ、同じ月の一年前の書類を取り出す。

葉さんはたまに年数や日にち、時間の感覚がおかしくなっていて、数年前の出来事でも、最近起こった事と思っている時がある。

もし、それが起こっていたら?と思い一年前の書類を調べる。



「やっぱり。」



三ヶ月前と同じ日付。ただ、一年前の。

依頼書を取り出し調べる。



「えーっと。依頼は人探し。依頼人は、あれ?同じ苗字だ。下の名前は違うけど。探し人は孫とその娘で、何らかの事件に巻き込まれた可能性有りと。」



事件の被害者一家の苗字と同じ人が三人。

一年前、人探しを依頼してきた刈郷紬(カリサトツムギ)

探し人の刈郷花菜(カリサトハナ)とその娘、刈郷紅乃(カリサトベニノ)

事件の被害者一家の刈郷一家。

三ヶ月前の書類も一緒に見返してみる。



「ん?おかしい。」



依頼人は別であるが、探し人は一緒だ。一年前に捜索の依頼が来ているのに、また三ヶ月前にも依頼が来ている。

昨日のアパートの記事の書き写しも見てみる。

記事にはアパートに住む202号室の住人である親子が行方不明になっている。と。

辻褄が合わない?


刈郷紬は一年前には孫たちが行方不明になっているから探して欲しいと依頼している。

だが、実際は三ヶ月に行方不明になっている?



「うーん…わかんない。」



もし、本当は一年前に行方不明になっていたとしたら?だとしたら何故、刈郷一家は三ヶ月に捜索依頼をしたのか。紬と花菜親子、それに一家との関係は?

考えれば考えるほどわからなくなってきた。



「とりあえず、葉さんに持っていかなきゃ。」



必要な書類を纏めて、資料室を出る。階下の事務所へ行くと葉は怖い顔をして窓の外を見ていた。

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