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悶々として寝たせいかあまり眠れず、いつもより早く目が覚めてしまいそこから寝付けなかった。
うぅ。幽霊とか考えなきゃ良かったー…。と、後悔しながら目を擦り、葉が帰ってきているか確かめるため玄関へと向かう。
まだ、葉は帰ってきて居ないらしい。
何処に行ってるのだろう?と、思いつつ、朝食の準備を始めた。
朝食の準備が終わり食べようとした時、葉が帰ってきた。
「おかえりなさい。朝ご飯出来てますが…食べます?」
コハルが聞くも、葉は首を振り部屋へと入る。
変わった様子はなさそうだが、疲れた顔はしていた。
軽く食べられる物を部屋の前に置いておこうと、朝ご飯をおにぎりにし、お茶と茶碗、箸もお盆に乗せて部屋の前に置いた。
「お腹空いたら食べてくださいね。」
とだけ声をかけ、自室へと戻った。
昨日の纏めた資料をもう一度見直す。
少ない情報だけど、何故葉さんが容疑者になったのかを調べなくては。
アパートの大家が依頼人。
202号室に葉さんが行ったとしたら、その時に指紋は採取出来る。
そのままにしておけばいい。
三ヶ月前の調査の時に大家一家に不利になる結果を出した?
葉さんなら有り得る。葉さんは、叔父さんみたいに真実をねじ曲げずにストレートに伝える人だ。
まぁ、オブラートに包んで話せないってだけでもある。
大家一家に不利になる結果…
三ヶ月前の失踪は自作自演とか?
そこは分からないな。
まだ、情報がない。
それと、葉さんを目撃したのは誰なんだろう?
確か目撃情報があるから葉さんは連れていかれた。
葉さんの当日のアリバイは無い。
わたしも葉さんを見ていないのだ。だから、アリバイの証明は出来なかった。
行き詰まったぞ…?
コンコン
「あ、開いてます。」
葉が顔を覗かせて、コハルを見てるのか見てないのか眠そうに質問する。
「三ヶ月前の依頼もう1つあるんだけど、そっちは?」
「え?!まだです!!すみません。」
ん。と、言って葉は欠伸をする。今から寝るから。暇があったら調べておいて。と、いい自室へ去ってしまった。
三ヶ月前、まだ依頼あったんだ。
てっきりあの1件だけかと。
見落としていた事に、助手として失敗したー。と、少し落ち込む。
葉さんが起きる前に調べよう。と、頬をパンパンとし資料室へ足早に向かう。