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自称?探偵と助手見習いの事件録  作者: じゃこ
202号室
12/32

8

えっと。

今日の新聞記事には新しい事が書いてあった。


アパートは3階建てで101から303まである。

住人によると202は空き部屋で、最近改装し新しい住人を募集すると大家が話していたのを聞いたと。

事件当夜、202からかなり騒がしい声がしていた。

騒ぎを注意しようとした301の住人が第1発見者であること。


が、わかった。



「新聞から分かることはこれくらいかな。次は、三ヶ月前の依頼書かな。」



チラッと時計を見る。

時刻はお昼の1刻過ぎを指していた。

図書館は昼4刻で閉まってしまう。先に図書館で事件との関連がありそうな記事を調べることにした。



図書館に着く頃には、2刻半になっていた。

…寄り道をしていた訳ではない。決して。夏の暑さに負けて、喫茶店で氷菓子を食べていた訳ではない。決して。



図書館は紙のにおいがモワッとしていて何だか不思議な気分になる。

受付で過去の新聞を読みたいと伝え持ってきてもらう。

新聞を閲覧台に乗せ拡大鏡で細かく見ていく。

司書さんに三ヶ月前の新聞と一応四ヶ月前の新聞も頼んだ。


閲覧台の新聞を読み進めていく。

が、特にこれといって関連がありそうな事件は見当たらない。



「うーん。どれも違うなぁ…。」



ぽんぽん。と、不意に誰かに肩を叩かれた。



「ふぇ!?」



突然の事にびっくりして訳の分からない声が出た。

穴があったら入りたい…



「コハルちゃん。新聞なんか調べてどうしたの?」



肩を叩いた人物はケラケラと笑っている。

かなり恥ずかしい。

なぜなら、葉さんの叔父さんの桜山薄樹(サクラヤマハクジュ)だったからだ。



「なるほどね。葉に頼まれて調べ物を。」



図書館なので小声で会話する。

ちゃんと守らないと調べ物を続けられないからね。



「はい。ですが、中々関連性のある事件が見つからず…」



薄樹さんはふむふむと新聞を捲っていく。凄腕の探偵さんだった事もあり手馴れている。

まだ、助手見習いの自分には及ばない領域だ。ジーッと見ていたら、薄樹さんが手を止めた。


新聞のある記事をトントン。と叩く。



「後は自分で調べてご覧なさい。おっと、こんな時刻か。コハルちゃん頑張るんだよ。」



と、薄樹さんは去っていった。

薄樹さんは葉さんが容疑者と知っているのだろうか…

薄樹さんは葉さんの育ての親で凄く仲が良く本当の親子に見える。けど、他の親族とは言わば縁切り状態らしい。

過去に何があったのかは教えてもらえなかったが、壮絶な過去が伺えて聞こうとは思えなかった。



薄樹さんは樹花族です。

樹の方で鹿の角みたいに小ぶり(15センチ位)ですが、桜の枝が生えてます。

葉も樹の方ですが、角では無く耳にピアスの様に桜が咲いてます。

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