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寝てしまった罪悪感を抱えながら朝支度する。
一応警察から解放されたが、容疑が晴れた訳では無い。
葉さんがするはずはないと思うけれど、無実を証明出来ていない。
うーん。
と、悩みながら階下に降りる。
葉の部屋の前を通ると、空の食器とお盆と何か紙が置かれていた。
紙?
なんだろと拾い、読む。
葉からの伝言だった。
“ご馳走様。調べ物を頼みたい。詳しくは事務所の机の上に纏めてある。あと、遅くまで出かける。帰りはわからないから、夕飯はいらない。”
とのこと。
ふむふむと読み、紙を袖に入れる。お盆を持ち台所へ。
机には朝ごはんが並んでいた。
ハムサンド3つとタマゴサラダ。
葉さんの得意料理!料理?
ハムサンドひとつとサラダを急いで食べ終え、余った2つを持ち事務所スペースへと向かう。
助手としての出番が来ましたよーーー!!!
やったー!!
浮かれ気味に机の上を見る。
どれどれ。
調べ物
1、三ヶ月前に来た依頼と依頼人の名前
2、昨日の事件の記事を纏める
3、三ヶ月前に昨日の事件に関連する事件があったかどうか
と、書かれていた。
確か…三ヶ月前の依頼書は…2階の資料室に保管していたはず。
これは、先に長くなりそうな記事の纏めからした方が良さそう。
事件の関連は図書館で過去の新聞を読めばわかりそうかな。
「よし!頑張ろ!」
台所へ行き昨日の新聞を探す。
今日の新聞も一応纏めておこう。
新聞を持ち事務所の机に広げる。
数枚捲った所に記事はあった。
「んーっと、あ、これだ。」
“木裏通り(キウラドオリ)一家惨殺事件”と見出しがおどっている。
古いアパートの一室でこのアパートに住む大家一家が惨たらしく殺害されていた。警察によると猟奇殺人であり、犯人の目撃情報もある事からスムーズに解決するであろうとも書かれている。
「目撃情報!?これで葉さんに容疑がかかったのかな…。」
さらに記事を読み進めざっくり纏めてみた。けれど、惨すぎて吐き気がしそうな事件だ。
事件の内容はこう。
古アパートに住む大家一家が何者かに殺害されていた。
大家一家は夫、妻、娘、息子の四人家族。
殺害現場は一家が住んでいた部屋ではなく、空き部屋の202号室。
当時、202号室は鍵がかかっておらず強盗殺人だと思われた。が、部屋の惨状を見た警察が恨みによる犯行だろうと。
部屋の惨状は大まかに書いてあるが詳しくは書いていない。大まかでも吐きそうで想像したくない。
コハルは机に置いたハムサンドのハムを取り除き1口齧った。
かなり描写を省きました。
ハムで悟って下さい。