もっこり八兵衛
「もっこり、もっこり、もっこり、もっこり」
と遠くから声を上げて走ってくる八兵衛がいた。
その光景を見ていた村長は、仏のような顔で見過ごした。
しかし、八兵衛は挫けなかった。
仏のような村長の前で、高速移動しながら
「もっこり、もっこり、もっこり、もっこり」
と連呼した。
しかし、村長は、仏のような顔で見過ごした。
問いかけに反応しない村長に八兵衛は死にものぐるいで張り付くと、村長の顔に八兵衛の唇がくっついた。
そして、八兵衛は高速移動しながら
「もっこり、もっこり、もっこり、もっこり」
と連呼すると、村長と八兵衛の舌が絡み合い離れなくなりました。
その光景を見ていた村人たちは、二人を引き離そうとしますが複雑は絡み合った二人の舌は解けませんでした。
諦めた村人は、絡み合った二人をそのままコンクリートで固め、記念碑にしました。
それから、数百年が経つと二人がいた村は、神霊スポットになりました。
それから、深夜になると二人の石像から訪れる若者たちの耳元で
「はい、もっこりさん」
という不気味な声が出るという噂になりました。