SIDE 葵1
少し間が空きました
幼なじみ同士の会話。
「青藍君!」
自宅で仲良し三人組で
女子会と言う名の
謝恩会の悪巧みの打ち合わせでもしようかなと
考えながら歩いていると
熊が服着て歩いている(様な)姿が見えたので声をかけてみる。
「葵か〜」
残念そうな感じで言われちょっとムッとなる。
「奏じゃなくてわるかったわね〜」
「いや・・・・ごめん」
「もーこの美少女が声をかけているのに残念そうにするなんて」
「いや、微じゃね?」
「むー、うっさい!!」
思いっきり青藍のスネにローキックを入れるが
しっかりガードされびくともしない。
なんで攻撃した私がダメージ受けるの?
「痛った〜、硬い、あんた中身、本当に熊でしょ?」
「いや、人間だ」
「冗談よ、もー」
話が進まない。
「奏の件、ごめんね、変なこと頼んで」
ちょっと、罪悪感があったから素直に謝罪したけど
青藍は何?って表情だ。
「ん、なんで謝るの?」
「いや、私たちの都合で中学校の部活動の事お願いしたから」
「いいよ、俺も奏の歌聞きたいから、だから俺の問題でもあるんだよ、
逆にありがたかったんだ、だから謝んなくて良いよ」
珍しく長く話す彼から予想通りというか男前というか・・・
なんだかな〜という言葉を聞いてしまい呆れたあと
リア充爆発しろ!!とか思ってしまい
罪悪感が霧散してしまった。
「もー!奏、愛されているな〜、いーな、いーな」
「だろ?」
「そこ!!否定しなさいよ、あーあ、
青藍と話していると調子が狂う、ホント天然なんだから」
「それほどでも・・・」
そこ!顔を赤くするところじゃない!!
「褒めてないから!」
でも、その天然さで奏が救われたのも事実なんだよね・・・・・
「奏って明るくなったよね」
「あー、そうだな・・・」
奏のお父さんが亡くなったあと、彼は気丈にしていたけど
陰で泣いていたのを知っている。
その後、普通に振舞おうとし、逆に不自然すぎて違和感があった。
ふとした瞬間に表情が抜け落ちて、人形みたいになっていて
痛々しくて見ていられなかった。
「なんだかんだんでさ、クラスのみんなも青藍に感謝しているんだよ」
「いや、奏が辛そうだと俺も辛いから、それに皆も助けてくれたからな、ありがとな」
珍しい、青藍こんなに長くしゃべれるの?
「うわあ、もー、青藍さん、男前?たらしですか?」
ホント奏のことに関しては無自覚紳士だな、でも私も感謝しているけど
なんか腹立つ・・・・よし蹴ろう。
「てぃ!!」
「・・・・なんで蹴るんだ?」
くそう、華麗に避けられた。
無駄に運動神経良すぎだよ、熊さん。
「・・・・嫉妬かな?」
そう言って生暖かい視線を向けると
青藍は気まずそうに視線を逸らす。
「まー、青藍クラス中の大半の女子から告られても奏を選んだんだよね〜」
「いや、でも、奏は男の子だから・・・」
「でも青藍好きな奴いるって、奏の事だよね。いーじゃん、女子目線でも可愛いって思うし」
「うん、そだな」
「そこは否定しないんだ・・・・」
「奏、可愛いから・・・」
そこ、なんで顔を赤くする?
「あー、もー、甘すぎ〜、お腹いっぱい、ごちそうさま、青藍はこれから道場?」
胸焼けしそうなので無理やり話を変える。
「あ、うん」
「そうか〜、高山さん来るの?」
「どうかな〜、今日、非番か聞いていない」
高山さんは青藍のお父さんの後輩で
交番勤務のお巡りさんだ。
細マッチョで眼鏡属性
ちなみに青藍に振られてからの、私が密かに狙っている人でもある。
7歳年上ならセーフだよね?
道場来るんだったら見学行こうかな・・・・
「道場来るか?」
「うーん、どうしようかな?」
「まあ、確実に来るって訳じゃないから会えないかもだぞ?」
「だね、よし、先に謝恩会の事を片付けるか、じゃあね青藍、ありがと」
「じゃあな」
少し悩んだけど、悪巧みを優先する事にして青藍と別れた。
リアルで忙しくて
なかなか書けていないです。
生暖かい目で
見守っていただけると
嬉しいです。