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SIDE 青藍3 お昼ご飯

間が空きました。

続きです。


ふっふっふ〜、今日も奏の料理が食べられる。

早めに行くと奏の歌も聞けるかも・・・・・


いつも奏は、料理や洗濯を干しながら

機嫌がいいと鼻歌を歌う癖がある。


まあそれが上手で、聞いていて心地がいい。


今日は奏の弟も、和奏さんも居ないから

独り占めだ〜と思いつつ、速攻で家を出ようとしたところに電話が鳴る。


一瞬、居留守を使おうかと思ったが、緊急の用事だと困るので

仕方なく電話に出ると父からだった。


「すまん、今日は大事な会議で遅くなるかもしれない」

まあ、仕事は大変だろうし、遅くなるのはいつもの事だ、仕方ない、

仕方ないが、速攻で出ようとしたのを邪魔されたので少し意地悪をしたくなる。

「いいよ、今晩、奏ん家の夕食に誘われたけど・・・

大丈夫、お父さんの分は俺が残さず食うから」


「なにぃ!!」

うわっ、いま、耳がキーンって言った。

電話口で叫ぶな!!


「声でかい、あと、驚きすぎ」

「今晩、奏君の家でご飯なのか?」

「鍋だよ」

「なん・・・だと」

電話の向こう側で、明らかに父が動揺している。

おい、そんなことで動揺すんなよ、日本の警察大丈夫か?

「奏と和奏さんからお土産のありがとうって、で、今晩、奏が料理作る」

「ちょっとまて、・・・・・・」

何だか電話の向こうで父が指示を出している様子が伝わって来る

何やっているんだ?

「よし!問題は解決した。今日は定時で帰る」

はあ?

「大事な会議じゃないのか?」

「時間を早めた、さっさと終わらせる、和奏さんもくるのか?」

「来るだろ、奏ん家、夕食はよほどのことがない限り揃って食べるから」

「了解した。じゃあ夜に」

と言って、父は一方的に電話を切った。

全く、偉いからって職権乱用するなよな―

部下の人たちも大変だろうなあ・・・・

嵐のような父からの電話が終わり速攻で奏の家に行く。


ドアのベルを鳴らし、インターホンにいつものように

「来たぞー」と声をかけると

中から

「手が離せないから鍵開けて入ってきてくれ〜」

と奏の声


うん、だれがどう聞いても声の主は少女だと思ってしまうな。

そう思いながらドアの鍵を開ける。

お隣さん同士であり、奏の家は母親だけ、うちは父親だけしかいない。

父も和奏さんから色々頼られたりもしているので

家族ぐるみでの付き合いがある。

なので、俺は奏の家の鍵を持っていたりするのだ。


間に合ったかな?

と思ったけどちょっと遅かった様だ

残念・・・・父の電話が恨めしい。

座って待っていてって言われたので定位置に。

いつも奏の顔が向かい合って座るのが俺の場所。


ちょっと遅くなり、歌が聞けなくて

あー残念だなー、と思っていると奏に

「うん、どした?」と聞かれたけど

歌が聞きたかったとは言えないので

「いや・・・・」

と曖昧にごまかす。



話をしながらでも奏の料理の手は止まらない

相変わらず手際がいい

心配そうに

「イカスミ嫌いだったか?」

と聞かれたから

『奏の作る料理はなんでも』と心の中で言いながら

「好きだ」と言うと

目の前に山盛りのパスタが出てきた。

おお!!

ちょっと驚いたが、まあ、まだまだ成長期の俺なら平気だろう。

奏の奴、わかっているなあ・・・・


奏君は

料理が上手。


青藍君は

奏君の料理が好き。

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