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葵ちゃんの手

お久しぶりです。

気がつくと

1ヶ月近く放置してしまいました。

すみません。


いつもありがとうございます。

続き書き上がりました。


よろしくお願いします。

次に

僕が目を覚ましたのは

午前9時もとっくに過ぎた時間で

隣に寝ていた葵ちゃんの姿は

とうに無く

厚いカーテンの隙間から

差し込む日光が

今日の天気を告げていた。


ベッドから

ずり落ちる様に起き出し

寝起きのボーッとした頭のまま

まだ慣れないお股に付けたモノの心地悪さと

尿意のため

トイレで色々処理した後

シャワーを浴びる事にした。


少しスッキリしてから

湯気で曇った鏡を

シャワーで流し、

昨日はパニックになってしまったため

お股以外は

じっくり眺められなかった自分の体を

改めて観察してみる。


「う……、うわあ……」




鏡の中には

僕の顔に女の子の体がついた

自分がいて

その違和感のなさに

逆に少し戸惑い

思わず声が出ていた。


肋骨の形が少し浮き出た白い体に

細い首と手足はそのままだけれど

少し、いや

大分膨らんだ胸の双丘が

確かな存在感を放っていて

広くなった股の間と

それに押し出されたかの様に

大きくなったお尻と下腹部の緩やかなカーブが

見て取れる。


股の間を改めて確認しようとしてから

昨日、葵ちゃんと

一緒にお風呂に入った時のことを思い出して

動揺してしまう。


いくら自分の体が女の子になり

パニックになったからと言って

あんな事するべきじゃなかった。


『葵ちゃん、見てくれないかな? 』


その後……僕は葵ちゃんのアレを……


「う、うわあああん……どうしよう」


あまりの

恥ずかしさに

蹲み込んで両手で顔を覆うと


「奏、起きたの 

 大丈夫? 入るよ? 」


と浴室に誰かが入って来た。


おそるおそる

振り返ると覗いていたのは

今朝方まで一緒のお布団で寝ていた

少女だった。


「あ、葵ちゃん? 」


驚きのあまり

声が裏返ってしまった。


「あ、おはよー

 凄い声聞こえたけれど

 大丈夫? 出血まだ止まらない? 」


「あ、え、いや

 大丈夫だよ

 止まったみたい」


「そう、ふらつく様なら

 体洗ってあげようか? 」


「い、いや、大丈夫

 もう洗ったから

 今、上がるところ」


「そう、ご飯食べられる? 気持ち悪くない? 」


「うん、おかげさまで、大丈夫そう

 昨日から、……その、ありがとう

 後、いろいろごめんね」 


「ううん、奏が元気になって安心した。

 もし、また不安で眠れない様だったら

 いつでも言ってね」


「……うん、でも……」


葵ちゃんは

昨日から今日まで

不安に押しつぶされそうになっていた僕に

ずっと付き添ってくれ

今朝は一緒の布団で寝てくれた。


彼女の体温が

体の柔らかさに

とても安心できて

安眠できたのは本当だ。


今も

昨日の事など無かったかの様に

自然に接してくれている。



だからと言って

再び

お願いしてもいいのだろうか?


返答に戸惑っていると

そんな僕の心を見透かした風に


「こんな大変な時に

 遠慮なんかしないでね?

 昨日の事もそうだけど

 悪いって思うのは無しだよ

 一番しんどいのは奏なんだから」


葵ちゃんは濡れたままだった

僕の体を拭いてから

バスタオルを巻き

そのまま

洗面台まで連れて行き

椅子に座らせられると

手早く

僕の髪を乾かし始めた。


このまま無かった事にも出来るかもしれない

でもやっぱり

感謝の気持ちは伝えたい。



「それで、ね、昨日、ごめん、ありがとう

 僕、どうかしてた

 葵ちゃんに恥ずかしい思いさせてしまったから」


「?、あ……あれの事?

 うーん、突然女の子なったら誰でも

 パニックになるんじゃない?

 それに、お互い知らない仲でもないんだし。

 私も、奏も、ちゃんと確認できて安心できたんなら

 それでいいんじゃない? 」


「でも……」


「でも、は、無し、だよ。

 あ、それとも本当は

 青藍に確認して欲しかったのかな? 」


「ふえっ? 

 それは流石にまだ心の準備が……」


「まだって事は

 やっぱりいつかは確認してもらう気なんだ〜

 いいなあ、彼氏がいる人は」


「いや、あの、その

 青藍は彼氏とかじゃ無くて

 幼なじみで親友だから……」


「まあ、見せるのは

 奏の自由だけど

 程々にしないと

 あの熊に襲われちゃうんだからね」


「襲うって

 青藍はそんな奴じゃないよ

 ……多分」


「あのね〜 

 一応、あの熊は雄で

 奏は今は女の子なんだから

 これからは、気をつけなきゃだめだよ」

 


「!

 僕、青藍に

 大事なとこ見せる気ないから

 葵ちゃんだけでおしまいだからね。

 ……青藍には

 心配かけたから

 大丈夫だって事、伝えたいだけだから」



「知ってる。

 冗談だよ〜

 この後、顔見せれば青藍も納得すると思うよ。

 もー、ムキになっちゃって

 奏は可愛いなあ」


「ふぁ」


そう言って優しく

僕の頭を抱きしめた

葵ちゃんの手は

どこまでも暖かくて

僕の心のもやもやを

晴らしてくれる。


本当に葵ちゃんには敵わない

今だってわざと

冗談を言って僕の気を紛らわせてくれた。


ふと

こんな人が

男前っていうんだなあと

改めて、葵ちゃん顔を見たら

なぜだか急に胸が

ドキドキして来た。


「? 

 なんか奏、顔、赤くない? 

 まだ、熱、あるの? 」


「だ、大丈夫……

 大丈夫だよぉぉ?」


変な気持ちになっていた

僕の額に

自分の額を押し付けて来た葵ちゃんに

驚き、再び声が裏返った。



近い、近いよ

顔、近すぎる。


葵ちゃんの

鼻息が当たってくすぐったい。




「う〜ん、大丈夫そうだね。

 着替え、カゴに入れておいたから」


「あ、ありがと、葵ちゃん」


「先に出ているからね」


「あ、あのね、葵ちゃん

 早速だけど甘えていい? 」


「うっ、ふ、ふぁ、な、何かなあっ? 」


椅子に座ったまま上目づかいで

葵ちゃんを見たら

急に真っ赤になって

変な返事をしてから固まってしまった。



「大丈夫、葵ちゃん」


「うん、御馳走さ、じゃ無かった、大丈夫。

 如何なされた、奏どの」


という葵ちゃんの挙動は少し変だ。

それに、なぜに武士?




「はい、葵先生

 僕、上の下着の、ブラジャーまだうまく付けられません。

 ご指導願います」


「あ、ああ〜

 なるほど、じゃあじっくり

 手取り足取り教えてあげるね」


「いや、足はいらないんじゃない」


「下着は上下でセットなの。

 下も体型に合わなかったり

 ちゃんと付けないと

 苦しくなったりするから」


「は、はあ」


「うふふふふ〜

 大丈夫、おねいさんに任せなさい」


「いや、おねいさんって

 葵ちゃんもおんなじ歳でしょ」


「女の子歴は

 私の方が長いよ。

 生まれも私6月

 奏9月だし

 ほら、おねいさんだ」


「あー、はいはい」


「大丈夫だよ〜

 痛くしないからね〜

 全部、私に任せるんだよ」


「なんだか

 葵ちゃんがおっさんに見える……」


「うっさい

 いざお覚悟!」


「あーれー……」


この後、

脱衣所に青藍が乱入して来て

裸のままだった僕と遭遇し

顔を真っ赤にして

出て行ったりしたけれど

無事に

下着を付けられる様になったので

とりあえず

めでたしめでたしだと思う。


うーん、おかしい


私は百合では無く

BLを書きたかったはず。


なぜだか存在感が増す

男前な葵ちゃんと

どんどん

存在感が薄くなる青藍君。


どうしてこうなった?

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