二度寝(仮)
お久しぶりです。
いつもありがとうございます。
今回は少し短め。
ゆらゆらと
クラゲの様に漂いながら
水面に浮かび上がる様に
ゆっくり
意識が覚醒して
目が覚める。
ぼんやり天井から
窓のある方へ視線を移すと
強烈な光は無く
朝焼けの赤が少し残る
夜明け直前の
淡く白い色が見えた。
今の季節だと
夜明けは
午前4時前後だろうか。
朝が少し弱い僕にしては
随分、早く目覚めてしまった様だ。
「ふう……」
自分が
女の子になってしまうなんて
昨日はひどい夢を見たなあと思いながら
起き上がり
胸に手を当ててみると
控えめな、それでも確かで
柔らかな弾力と
痛いくらいの感覚が伝わって来た。
「はあ……夢じゃなかった」
これからどうしたら良いのかと
漠然とした不安が湧き上がり
押し潰されそうになり
肩を抱く様にして屈み込むと
嗚咽が漏れる。
蹲る様にして
声を押し殺して涙を流していると
誰かの手が背中に触れた。
しばらくの間
ゆっくり
優しく撫でられていると
不安な気持ちは消え
嗚咽も治まっていた。
「ごめんね葵ちゃん」
昨日から心配をかけ
泊まり込んでくれた
手の主にお礼を言って顔を上げる。
涙の跡も拭いていないし
ひどい顔しているんだろうな。
そう思いながら
蒼ちゃんの顔を見ると
なぜか耳まで真っ赤になって
固まっていた。
「? どうしたの」
首を傾げると
俯いてから
「奏、ずるい……」
と一言。
え、何?
一瞬、訳がわからなかったけれど
これはあれだ。
僕はベッドで
葵ちゃんは
床にお布団を敷いて寝ていたから
よく眠れなかったのだと思う。
「葵ちゃん、こっち入る? 」
と毛布を上げてから
固まってしまった。
しまった
どうしよう
ええっと……
「あ、僕、ゆk……」
「うん、
一緒に寝よ! 」
『僕は床で』と発した
言葉は途中で遮られ
葵ちゃんは瞬間移動する様に
僕の隣に滑り込んで来て
そのままぎゅうと
抱きしめられる。
葵ちゃんの体
柔らかい。
ふわりと
髪の
良い匂いが鼻腔の奥をくすぐった。
「起きたら、顔、洗おうね」
葵ちゃんは
僕の頬を両手で包み込む様にして
親指で
涙の跡をなぞってから
再び
ぎゅうっと抱きしめた。
僕の肩に
葵ちゃんの顎が乗る体勢になり
首に吐息がかかる。
少し
くすぐったい。
「そう、だね、ごめんね」
僕も
葵ちゃんをの背中に両手を回して
抱きしめ返す。
「うん、大丈夫。奏は、奏だよ」
葵ちゃんは
抱きしめたまま
『大丈夫だよ』と背中をさすってくれた。
恥ずかしい気持ちより
それ以上に心が落ち着いて来て
さっきまでの不安が小さくなっていた。
「まだ時間早いし、このまま寝ちゃおっか」
「……うん、ありがと、葵ちゃん」
お互いに抱き合ったまま
心臓の鼓動と
体温が伝わり合うのを
感じていると
とても幸福な気持ちに包まれて
僕は再び夢の世界へ
落ちていくのだった。
女の子二人
朝の
まだ薄暗い部屋の中
抱き合って……
すみません
これ
書きたかっただけです。
出来心です。
今度は
男の子同士のも良いかも……(未定)




