変調 SIDE 奏くん
お久しぶりです
やっと続きが書きあがりました。
ブックマーク、評価
大変ありがとうございます。
ここで、本来は
新人戦とか
テストとか
連休中のお話とかを入れたかったのですが
全ロスしたのと
進行ペースが遅すぎる気がするので
ここで本来の
やりたかったお話を入れる事にしました。
ここから少しだけ
奏くんにとっては
辛いかもしれない
生々しいお話が続きます。
苦手な人は
ご覧にならない方が良いかもしれないです。
よろしくお願いします。
中学校生活前半の山場である
学力テストと新人戦も終わり
毎年憂鬱な梅雨の季節になった。
学力テストは
予習を頑張ったので苦手だった数学の方程式もなんとか成敗して
全科目、平均よりはかなり良いかな?
程度の成績で終わることができた。
剣道の新人戦は
全国大会の様に
県内全部の学校が集まるわけではなく
地方ごとの試合だけのため
お互いにおおよその実力も知れていたので
青藍の圧倒的実力に、僕も含めた新入生達は誰も
手も足も出ないのだろうなと思っていたけれど
三浦くんが予想外の活躍を見せて
皆を驚かしていた。
最終的には青藍と決勝戦で当たり
いい勝負をしたけれど
経験の差が大きかったらしく準優勝となってしまったが
他校の生徒からも手放しで賞賛されていて
僕らも誇らしかった。
僕は、彼が早朝や夕方に自主的にトレーニングや
走り込みをやっていたのを知っている。
新人戦近くには青藍と一緒に出かけていたから
多分警察の道場まで行って
指導を仰いで腕をあげたのだと思う。
教室にいるときは
気障ったらしいセリフを言ったりして
チャラ男を演じているけれど
実は裏では頑張っている努力家だったのは
素直に尊敬できると思う。
三浦くんの活躍は
剣道顧問の河原田先生も予想外だった様で
『秋の全国大会に行けるかも! 』
と涙を流して喜んでいたっけなあ。
と、そんな風に爽やかな季節は終わり
ここの所、毎日の様に降り続く雨は
今年も半分が過ぎ去り
梅雨に入ったことを告げていた。
僕はこの季節が嫌いだ。
理由は父にもう二度と会えなくなってしまった季節だから。
今から数年前の
暗く、重い雲が立ち込め
シトシトと雨が降る夕方に
父は
僕を庇い
歩道を暴走してきた車に跳ねられ
亡くなってしまった。
父を跳ね飛ばした
車は見つかったけれど
運転していた犯人は捕まっていない。
数年経ってから青藍のお父さんが
『捜査していた犯罪組織を摘発できる
証拠を、僕のお父さんが見つけたため
消された可能性が高い』
と悲痛な表情で説明してくれた。
捜査は現在も継続して行われているけれども
犯罪組織は、事件の直後に拠点を海外に移した模様であり
手がかりを追うことは難しいが
お父さんの仇は絶対に打つと
署員の方々が言ってくれたのに少しだけ救われた気がしたけれど
この季節になると事件を思い出し
憂鬱な気分になってしまうのだ。
『見つけ出してこの手で殺してしまいたい』
そう思ってしまうほど犯人は憎いけれど
それ以上に
もうお父さんに会えないことが悲しくて
それを強く意識させられ
何もする気が起きなくなってしまうのだ。
それでも心を奮い立たせ
表面上は大丈夫な振りをして学校に通っていたけれど
微熱が出たり
成長痛なのか体がギシギシ言って痛かったり
体がだるかったりして
気持ちが沈み込んでいる所に
同級生達、特に男子がする『第二次性徴』の事を耳にして
その話に加われない自分に少しイライラしてしまい
弟と一緒にお風呂に入った時に
『おまた、ボクとおんなじだね』
と言われたことにショックを受けてしまい
とうとう
学校に行けなくなってしまった。
僕のお股のあれは
中学生になった今も
小学生に入る前の弟と同じで何の変化もない。
変化がないどころか
最近、縮んでいるんじゃないかと思えるほど小さくなっていて
立ったまま用を足すのには支障があるんじゃないかと思えるくらいだ。
でも、僕は
もともと大でも小でも座る派だったので
あまり影響が出てなかったのは幸いだと思う。
微熱とお股と成長痛は
少し恥ずかしかったけれど
母に話したら
『成長って人それぞれだから、微熱が下がらないのは
風邪かもしれないから病院行こうね』
と言われて近くの内科の病院へ行き、
インフルエンザの検査をしたら陰性だったので
普通の風邪薬をもらって来て一週間ほど経過を観察する事になった。
薬を飲んだ後は熱が下がる気がするけれど
今度はお腹が痛い。
再び病院に行ったら
お腹の触診をされた後
風邪薬と胃腸薬を処方された。
お医者さん曰く
『風邪薬で胃腸の調子を崩す人もいるから一緒に飲んで』
とのこと。
そして三日ほど経過したけれど
お腹の、
特に下腹部の痛みはますます強くなっている。
そしてなぜか胸、特に乳首とお股が痒い。
さらに
悪い事には
昨日から母は弟と
仕事の都合で一週間の旅行に出ている。
食事や学校のプリントは
青藍が登下校時に様子を見にきてくれているのだが
一人で過ごす夜は心細くて涙が出そうになってしまった。
今日は
すでに寝込んでから10日ほど経っている。
お昼近くに
青藍が持って来てくれた朝ごはんを
やっとの思いで食べたけれど
気持ち悪くて全部戻してしまい途方にくれる。
僕、何の病気なんだろう
このまま死んじゃうのかな?
悪い考えが頭の中を巡り出し
熱のせいか目も回り始めた。
お腹もこれまで以上にギュウギュウと痛くなって来て
薬を飲んでから
這いずる様にベッドに入ったけれど
何もできずにそのまま眠りに落ちて行った。
この構想
五年ほど前からあって
誰か書いてくれないかなあ
と思っていました。
でも
見つけられないので
自分で書いた次第です。
よろしくお願いします。




