SIDE 奏5
間が空きました。
やっと
書きあがりました。
本当に酷い目にあった。
採寸とか言って、体触られまくった。
「セクハラだ〜」って言ったら
『お詫びに胸触って良いよ〜やさしくね』ってなんだよ〜
しかも、自宅にお泊りとお風呂で女子会って
僕、女子じゃないのに、
葵の僕への態度は女子に対するそのものなんだよなあ・・・
それも、これも、僕の体に男らしさが無いために起こるんだ。
早く大人になりたいなあ・・・・・
背伸びないかなあ・・・・・はあ
葵達、採寸はいいけど何を作る気なんだろう
クラスの皆からある程度内容は聞き、楽譜とかは貰った。
前にクラスで発表したウチの地方に伝わる神話を
ミュージカル仕立ての合唱だと分かった。
まあ、僕の出番はどちらも最後の大トリで全体のうち、
ごく僅かだから・・・・
そこをしっかり練習すれば大丈夫だろう。
今日はまだお昼まで時間あるし、
帰っても暇だし・・・・うーん、よし、先生に頼んで
これから午前中いっぱい練習でもしようかな〜
久しぶりだから色々忘れている気がするし・・・・
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本当は、体育館に置いてある
本番用のピアノを使って練習したかったけど
運動部の練習の邪魔になるから
音楽室へ行くことにする。
貸してくれるかな?
職員室に行ったら武田先生は用事で不在
なぜかニコニコ笑顔の校長先生から、部屋とピアノの鍵を借りた僕は
そのまま音楽室へ
久しぶりに来たけどここは静かで良いところだ。
遠くで運動部の生徒達の声を聞きながら
中に入る。
教室の空気がこもり気味だったので
換気のため窓と廊下側のドアを少しだけ開け換気。
大分、強くなってきた日差しの中、少し冷たい春の空気が入ってくる。
今回歌う歌の僕のパートは
演奏はかなり抑え気味で
さびの部分は
演奏が全くなくなり
独唱になる。
「あー」
ピアノの各音階を確認した後
声を合わせる作業を初めにする。
音は
季節によっても調律する人によっても
ピアノのメーカや製造した固体によっても
音が微妙に変わるらしい。
一通り自分が出せる音域の音を
弾いて合わせる
僕は、一応3オクターブ半くらいは出すことは出来る。
ただ、出せるのと制御できるのは違うので
ひたすら
声を出す『作業』をする。
初めは正確な音を出すことに集中。
何度か繰り返し
一通り音が出せたあとは
正確に歌う練習。
歌うというより「音を合わせる」
その後
テンポや抑揚を変えて練習。
さらにお手本となっている
CDを聞いて
情景を自分なりに膨らませて
通して歌う。
この曲は
何度も何度も練習しているので
引っかかったり
出しにくい音は無かったけど
独唱で
正確に歌うことと
聞いている人が心地よくなる歌は違うので
自分の中で何度もどうしたらよいか考え
何度も繰り返す。
次第に
自分の体が楽器で
それを弾いている感覚になる。
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「ふはあ~」
上手くできた~!!
久しぶりに無心で歌っていた気がする。
気が付くともうお昼になるところだった。
「わー、今日は律をお迎えに行く日だった〜!!」
と思い時計を見た後、
なんとなく視線を感じて廊下に目をやると
何人か覗いていた様だ。
バタバタと走り去る足音と
何かしゃべっている声が聞こえる。
「はあ〜・・・・声かけてくれれば良いのに、あと、廊下走るなよ〜」
同級生かな?それとも下級生?
夢中になって練習していた自分も悪いけど
僕が一人で練習している時はほとんど誰も声を掛けてくれない。
気を使っているのか何なのか・・・・
声ぐらいかけてくれればいいのに、少し寂しい気がする。
誰か一緒に練習して欲しいなあ。
その後、僕は
律のお迎えがあるから
急いで音楽室の戸締りをして鍵を校長先生に返却して
校舎を後にした。
夏風邪
結構、長引いています。
みなさん気をつけましょう。