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リリア・エルノーゼ。

 少し短めです。

ぐるぐるとあたりをまわっている感覚。数十秒くらいそれが続いた。そして、ドシンッ!という音がして、腰と背中に痛みが走る。

「いっだあああ!!」

思わず反射的に声を上げてしまう。

「っつつつー…」

腰と背中をさすりながら立ち上がって、目を開けた。すると、目の前には薄い青色の髪をしていて、肩を出したドレスを着た美少女がいた。

「あなたが勇者様ですね!お待ちしておりました。」

いきなり手を握られる僕。普通なら困惑するところだけど、相手が美少女なので気にしない。僕は少しキリッとする。

「話は女神様から聞いています。僕が魔王を倒せばいいんですよね?」

「え?女神様が…そうですか、でしたら話が早くて助かります。」

僕は耳で話を聞きながら、目で周りを見るという2つの動作を同時にしていた。

あたりには、綺麗な装飾の棚や扉があり、照明はいかにもな感じのシャンデリア。そして他にも豪華そうなものの数々があった。でも、僕はそれらよりも床の方が気になった。だって、それっぽい魔法陣が書いてあったのだもの。

どうしよう!!!!僕感激で泣きそう。まさかこの目でこんなものを拝める日が来るとは…これでドッキリでしたとか言われたら嫌だけどなぁ。ま、見た感じこのクオリティのものなら本物だろうし、それはないと思うけど。

「私の名前はリリア・エルノーゼと申します。この国、マキシナ王国王の3番目の娘です。」

「僕は鳴上慎吾と言います。気軽に、慎吾とお呼びください。」

一礼されたのでこちらも一礼をする。

「わかりました。では、シンゴと呼ばせていただきます。ですから、シンゴも私の事をリリア、と呼び捨てで呼んでくださって構いません。あとできれば、砕けた感じで話してくれると嬉しい、です。」

おお、初対面の人地嫌がらせをされない?!やっぱり、エリノアさんの言ってた通り、スキルが効いてるんだ!!

「わかった。リリア、これからよろしくね。」

僕は笑顔を見せた。すると、彼女も笑顔を返してくれる。うん、普通の感じだね!今のところ良好だ!

「では、早速ではありますがシンゴのスキルを確認しましょう。スキル、と頭の中で念じてみてください。」

「わかった、やってみるよ。」

僕は言われた通り、目を閉じて頭の中で念じた。いでよスキル!!!!

すると、空中に今まで見たことのない謎の文字が浮かび上がった。

「あ、出てきましたね。えー、なになに?」

僕の前に出た文字を読もうとするリリアだったが、リリアが僕のスキルを口にする前に、僕の口が開いていた。

「ーー女神の、加護。」

なぜか初めて見たはずのその文字が読めた。そして、その理由はすぐにわかることとなる。

「えーと、スキル名は『女神の加護』で、効果は…スキル所持者のある一定量だけ運勢を上げる。あらゆる言語が話せて、文字が読める。そして…寝るとき以外は、絶対に意識を消失しない。」

リリアが目の前に浮かぶ文字、つまり僕のスキル、『女神の加護』の効果を音読し終えた。

「…」

「だ、誰でもスキルは持っています。ただ、そのスキルは人によって千差万別なだけです。勇者の方には強いスキルが出やすい、と聞いていましたが…まさか、こんなスキルだとは。戦闘で役に立ちそうなのは気絶しない、というところだけですね。ま、まぁ、あとになってスキルが変わって来ることもよくありますから、そこに期待しましょう。」

残念そうにつぶやくリリア。どうやら、魔王を倒すための戦力として使える、戦闘系のスキルを僕に持っていて欲しかったようだ。

「なんか、すいません…」

「いえいえ、こちらの都合であなたを読んでおいて、スキルが戦闘系でなければさようなら、何て事にはなりませんから安心してください。」

「え?僕そんな心配一回もしてないけど…変なフラグ立てないでくれます?」

「あはは、すいません。次から気をつけます。」

あ、フラグって言葉は通じるんだ…まぁいいや、今はそんなことよりも今後のことだ!

「それで…今後のことなんですけど。僕、どうしたらいいですか?」

「うーん、そうですね。魔法の勉強をした貰う事になると思いますけど…その前に一度魔物と戦っておいた方がいいかもしれませんね。」

「ま、魔物、ですか。」

「はい。私もご一緒して戦うので安心してくださいね!」

「え?リリアも戦うの?!」

「はい。私は神官として回復をお手伝いします。」

驚いた…てっきり僕1人で生かされるのかと思ってたけど、リリアも一緒か。

「わかった。それで、僕はこれからどうすればいい?」

「今日は休んで下さい。王城で部屋を用意してありますので。」

「わかった。でも、王様に挨拶とかしなくていいの?一応僕勇者なんだし。」

「それは明日で問題ありません。今日はゆっくり休んで下さい。さぁ、こちらにどうぞ。」

伸ばされた手を掴みながら僕は魔法陣らしきものから外に出る。リリアはそのまま廊下へと続く扉を開けたのだった。



もしかしたら、今日また投稿するかもしれません

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