いざ、ギルドへ。
昨日投稿できなかったのは、今日もう一回投稿してひっくり返します。
一度荷物等を宿に置いた僕とリリアは、再び人口密度の高い王都に出た。
身長は、あまり変わらないが、それでも気持ち程度はリリアのペースに合わせて歩く。
「外に用があるって行ってたけど、何しにいくの?」
2人で外に来たといっても、僕はリリアに連れて来られただけなので、外に出た理由を知らなかった。
すると、リリアは僕の方を向いて人差し指を立てた。
「それはですね、ギルドに登録をするためです!」
あまりに良い笑顔で言ってくるから流れで、あぁ、ギルドに登録ね!と言いたくなる。だけれど、この世界のことは何も知らないので、そう言うわけにもいかない。
「えっと……ギルドって、何?」
知ってて当たり前のように言われたので、少しためらいながらも、ギルドについて何も知らないので質問する。
すると、歩きながらあっ、と手の平を打ったリリア。
「そうでした!シンゴはこの世界のことを何も知らないんでしたね」
そう言って、彼女は説明を始めてくれた。
「ギルドとは、魔物を討伐する際に、依頼や報酬などの仲介をしてくれる組合のことです。流れとしては、まず魔物が現れて困っている人が、ギルドに依頼を出します。その依頼を見たハンターが、依頼を受けます。依頼を達成すると依頼主から、ギルドを通して報酬が送られる、と言った感じです。」
ギルドについて何も知らない僕だったけど、今の説明で大体理解した。
「なるほど、ギルドについてはわかったよ。でも、さっき言ってた、登録って何?」
「あ、そうでしたね。本題はそちらでした。」
うっかりしてた、と再び手の平を合わせるリリア。
「登録というのは、ギルドで依頼を受けられるようになるために必要な手続きのことです。これをしておけば、ハンターとしての活動を始められます。また、ギルドバンクの使用もできるようになるので、ギルドからならどこからでもお金が引き出せるようになります。」
すらすらと話しているところを見ると、リリアが今までギルドによく関わってきたことがわかる。
「ギルドバンク……銀行まで使えるようになるんだ、便利だね。ギルドって。」
この中世のような技術で、ギルドのようなネットワークのある設備を作るのはさぞかし大変だったのだろうなぁと、どこか上から目線で考える。
「そうなんです!便利なんです!!ギルドは各地にありますから、旅に出る前に登録しておこうと思いまして~!」
笑顔でギルドの便利さを語るリリアだった。その後、僕たちはテクテクと歩くのだった。
♡
「お、大きい、ね。」
その一言に尽きた。
「そうですね。王都ですからね。マキシナ王国の中では1番大きいギルドではないでしょうか?」
「そ、そうなんだ……どうりで大きいはずだよ。」
こ、これは、僕が通っていた高校の校舎4つ分はある、よね。
あれから30分ほど歩くと見えて来たギルドは、それはそれは大きかった。騎士の装飾が施された大きな門の先には4階建てくらいと思われる巨大な宮殿のような、城彷彿とさせる建物があり、出入り口は人で賑わっている。
なんでも、ここでは、ギルドの基本機能やギルドバンクはもちろん、食堂、武器屋、薬草から魔法の手引書まで、様々なものがあるらしい。
「それじゃ、中に入りましょうか。」
「う、うん。」
ギルドの大きさに驚いて、呆けていた僕とは違い、スタスタと慣れた様子で大きな門を通るリリア。途中、ガタイのいい騎士のような人のグループとすれ違うが、彼女は何も動じずに平常だった。というか、僕の方がビクビクだった。だって、あの人達怖いんだもの。
「まずはシンゴの、ギルド新規登録ですね。」
宮殿のような建物の中は、町中とさほど変わらないくらいの人口密度で、相変わらず人が多い。
あ、でも、少しくらいは、気持ち減ってる、のかな?あんま変わってないのかもしれないけど……
僕がギルドをまじまじと見ていると、リリアが僕の肩を叩いた。
「良かったですね、いつもより空いてます!」
肩を叩かれて、彼女の方を見ると、どうやら、どこかを指をさしているようだった。
リリアの指の先をたどっていくと、昔にテレビで見たような長蛇の列があった。上の方の看板で、新規登録者の方はこちら、と書いてあるのが読み取れた。
「え、そ、そうなの?あれで?」
「はい!だいぶ空いてますよ。」
背中を押されて、行列に並ぶように促される。
やっぱり、こういうのも不幸パラメータが関係しているんだろうなぁ……
改めて自分が最後尾にいる列を見返す。
あ、先どころか中間他店すら見えない……
「こ、こんなところでも運がないとはね。」
運の無さを痛感しながら、僕は受付に並んだのだった。
ああ、1日で1話書くとか辛いですね......でも、もう25話まで止まりません!!