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宿。

遅くなりましたがしっかり書きましたよ。頑張りました。

衛兵に半ば追い出されるようにして城を出てから、1時間ほど経っただろうかという時。

ふと周りを見れば、人、人、人。

「人、多すぎじゃない?」

「そうですね。確かに多いかもしれません。」

2人で一つづつ持っているカバンが1分に一回くらい誰かに当たるくらいに人がいる。

「なんでこんなに人が多いのかな?」

気になった事を聞いてみる。すると、すんなり答えてくれる。

「一つ目はここが王都だから、です。二つ目は今が朝だからです。ただでさえ物流や交流の多い王都で、朝は人同士の交流が深いんですよ。」

「そうなんだ、わざわざ教えてくれてありがとうね。」

「いえいえ。」

律儀にも答えてくれたリリアに感謝しつつ、人混みの中で足を前に進める。

十分くらい歩いたところで、リリアが背伸びをして少し先の看板を見つめた。

「あっ、見えてきましたよ!」

その姿が可愛くて見入ってしまい、少しの間だけ、反応できなかった。

「え、あー、うん。あれが、今日泊まる宿?」

僕は宿、と書かれたーーといっても、この世界の文字でそういう意味の言葉だというだけだがーー看板を指差した。

「はい。知り合いが経営してるんです。」

「へぇ、そうなんだ。」

嫌われているとはいえ、王族がこんな簡単に町で知り合いを作るのはいろんな意味でどうかとも思うんだけど……まぁ、知り合いが全くいないよりはいいか。

1人で納得していると、リリアが口を開く。

「あっ、言い忘れてましたけど私が王族で、シンゴが勇者だってことは秘密ですよ?これから会う知り合いの人にも秘密にしてるんですから。」

「うん、わかった。」

小声で言われたので、僕も小声で返した。

なるほど、王族なのは隠してるのか。って、普通に考えればそれはそうか。

リリアが王族である事を隠していないと言う、自分の考えの浅はかさに心の中で苦笑いしつつ、もう間近の宿に目を向けた。

宿に着くと、リリアが先に入っていく。

「では、入りますよ。お金は私が出しますので、安心してください。」

鞄の中からおもむろにお財布のようなものを取り出すリリア。

それを見て、少し居心地が悪くなる。

「ごめんね。女の子にお金出させちゃって。稼げるようになったら返すよ。」

苦笑いを返す。

「あっ、すいません。そういうつもりで言ったのでは……」

そう言ったリリアの優しさに、思わず微笑む。

「大丈夫だよ、リリアの優しさはわかってるから。」

「~ッ!そう言っていただけると、嬉しいです……」

少し顔を赤くして俯くリリア。しかし、すぐに顔を上げて、明るい様子で宿の受付へと向かう。

りりあにつづき、僕も宿の入り口を進んでいく。

木造の宿は、とても頑丈に作られており、窓から差し込む日光が、入り口の前のテーブルと椅子が並んだの場所を照らしている。やはり、時代的には中世を思わせる感じ。

周囲を観察しながらリリアの後を追うと、宿の中の受付に1人の男が立っていた。

「こんにちは、バーブさん!」

「おっ、リリアちゃんじゃあないか!また泊まっていくのかい?」

筋肉質の、ゴリマッチョといった感じのその人はリリアを見ると笑顔になった。

「はい。今回はこの人も一緒です。」

「ええっ?リッ、リリアちゃん、男ができたのかい?!」

ギロッと僕を睨んでくる男の人。

鋭い眼がものすごく怖いです。

「いっ、いえいえ違いますよ!こっ、この人は……親戚!そう、親戚です!!」

「えっ?あぁ、何だそういうことか。」

どうやら僕が何でリリアに同行しているか誤魔化すための嘘のようだった。

わかったよ、今から僕と君は親戚ね。

目で了解した、とリリアに伝える。

「初めまして、鳴上慎吾と言います。リリアとは遠い親戚です。たまたま縁があって一緒に旅をすることになりました。」

「ナルカミ・シンゴ、か。シンゴ、が名前でいいんだよな?」

「はい。気軽に慎吾と呼んでください。」

なるべく違和感のない自己紹介をしたつもりだったけど、名前のことは考えてなかった……これからはシンゴ、とだけ名乗ろう。

「わかった、シンゴ。俺の名前はバーブ・オルガンだ。ここの宿主やってる者だ。よろしくな!」

手を差し出されたので、握手した。

少し見た目が怖いが、どうやら悪い人ではないようだ。

「よろしくお願いします。」





その後、バーブさんに案内されて空き部屋に着いた。が、問題はここからだった。

「だーかーらー!お金はかかるかもしれないけど、さすがに部屋を一緒にするのはダメだって!」

いつかお金は返すから、とも伝える。

「でっ、でも!お金は今後大切になりますし……」

「だからって男女が同じ部屋で寝るのは良くないよッ!」

部屋は一緒でいいと言い始めたリリアを、僕が説得する。

「そーだなぁ、シンゴの言う通りだ。リリアちゃんが何でそこまでこいつと同じ部屋がいいのかわからんが、何なら、多少の値段は下げとくぜ。」

バーブさんも僕に同意してくれる。ていうか、本当に何でリリアはそこまで一緒の部屋がいいんだろ?

「くっ……バーブさんまで志ん駒と同じことを言うんですか。もはや、私に味方はいない?!」

ぐっ、と下唇を噛みしめるリリア。

「いや、そもそも何でそんなに同室がいいの?」

僕とバーブさんがずっと思っていたことを聞いて見る。

「それは、きんに……ゴホッゴホッ。チ、チームワークのためですよっ!!今後旅をする上で大事だと思うんですよ、私!」

あれ?今明らかに筋肉って言いかけたよね?言いかけたよねっ?!

「……」

まさかそんな理由だとはおもわず、呆れて話す言葉もなくなる。

「リリアちゃんはもうちょっと自覚を持つべきだ。この町でも人気者なんだから、親戚とは言え、男と同室だとシンゴの身に危険が及びかねんぞ?」

「ええっ?!」

リリアってそんなに人気あるの?!まぁ、確かに、可愛いし人当たりもいいしね。そりゃ町でも人気になるか。

人気になると王族だとバレるんじゃないかとも思うけど、今の所バレてないみたいだからまあいいのかな。

ていうか、そんな事よりも……

「自分のことばっかになって申し訳ないんだけどさ?リリア、僕も自分に危害が及ぶのはちょっと、困るかな?」

ただでさえ運が悪いんだから、わざわざ悪い方へ持っていくこともないだろう。

「くぅっ……仕方ありません。わかりました、ここは引き下がりましょう。」

僕とバーブさんの説得で、何とかリリアを説得するのだった……

短いうえにぐちゃぐちゃですが、いつか直します。近いうちに、はい。

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