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愛山雄町の酔いどれ酒エッセイ  作者: 愛山 雄町


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第4話「オスピス・ド・ボーヌのフィーヌ」(2014年8月15日投稿)

 今回は第2回で紹介した目白の田中屋さんで買ったフィーヌのお話です。


 今回開けたのは“オスピス・ド・ボーヌ フィーヌ・ブルゴーニュ1992”。

 “オスピス・ド・ボーヌ”と言えば、ワイン好き、特にブルゴーニュ(バーガンティ)好きの方はよくご存知だと思いますが、“オスピス”は英語の“ホスピス”と同じで慈善病院と意味で、その運営資金のために売られているワインのことです。

そのワインから作られるフィーヌ、いわゆるブランデーの話です。


 私の場合、フランスのワインなら、ボルドー(クラレット)より、断然ブルゴーニュの方が好きで、特にオスピス・ド・ボーヌのワインは手が出る値段なら、必ず飲んでいるほど好きなワインです。今回、そのオスピス・ド・ボーヌのフィーヌがあり、衝動買いしたのです。


 さて飲もうと思ったのですが、頑丈な木箱に入っており、箱から出すだけでも一苦労。

 工具箱を引っ張り出して、何とか箱から取り出したのですが、今度は栓を開けようと思ったら、蝋封だったんです。

 蝋封と言えばメーカーズマークというバーボンがありますが、開けるのが面倒なんですよ。暖めて開けたり、叩いて蝋を割ったりともの凄く時間が掛かる。そして、叩いて割ると、蝋の破片が飛び散るので掃除が必要ですし……。

 苦労して開けて、ようやく味見となったのですが、期待が大きかった分、がっかり感が……。

 決して不味いわけでも、外れというわけでもなく、香りも甘く、コニャックよりライトな感じで非常においしいのですが、もっとガツンと濃厚な味と香りが来てくれると思っていたので、少し落胆というか……。

 このフィーヌの前に飲んでいたのが、コント・ジョルジュ・ヴォギュエのマール・ド・ブルゴーニュなんですが、10年熟成くらいの若いマールのはずなのに、こちらの方が香りが強く、好みにあっていたようです。ヴォギュエのマールなので多分シャンボールミュジニーを使っていると思うのですが、品質的にはオスピス・ド・ボーヌの方が上だと思っていたので少し驚いています。

 期待を持ったのは、昔の呑んだことがあるコニャック、ジャン・フィーユのレゼルブ・ド・ファミリアルの記憶が鮮烈だったからなんです。このコニャックはシャンパーニュのもので、グラスに鼻を入れてずっと香りを嗅いでいたいくらい甘く芳醇な香りがありました。冗談ではなく、次の日の朝まで香りが残っているほどです。

 その印象が強かったので、期待が膨らみ過ぎて今回のような感想になったのではないかと。


 そして、先日、開けてから二週間ほど経った状態で飲んでみると、かなりまろやかになり、好みの味になっていました。甘い香りはそのままに口に含んだ時のアンバランス感が消え、余韻が長く残る感じでとてもおいしくなっていました。

 あくまで個人的な意見ですが、スコッチやコニャックなどの香りの強い蒸留酒は、開けた直後より数日置いた方が好みに合う気がします。


 ちなみにブルゴーニュをバーガンティ、ボルドーをクラレットとカッコ書きで入れていますが、イギリスの海洋小説で出てくるので書いてみたかっただけです(笑)。

 クリフエッジにそのうちクラレットのシーンを入れたいなぁなどと思いつつ、今回のお話はこれまでと言うことで。


 次回は再び日本酒の話になると思います。

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